人間一人ひとりは皆マイノリティ。一人ひとりの個性の存在を受け入れることが大切です。どうしても人はこういう人と区別して見てします。そしてこういう人のグループを作りそのすべての人を同じように見てしまいます。その心の中に差別・偏見が生まれます。誰にも差別・偏見の根が生えていきます。その根を断ち切るのは、一人ひとりがその個性を受け入れ分かち合うことしかありません。
「勝っつぁんの時勢にたいする処し方を、ごく今日的に考えてみればー。体制のなかにいながら、その体制をぶっこわし、体制の枠を越えてずっと先を見通している。そしてその行動は、とうてい他人には理解できるものではなかったと思わざるをえない。伝統的な主君への忠誠の観念からすれば、畢竟、海舟は裏切り者であり、天皇にたいする新しい忠誠の立場からすれば、文句なしにかれは仇敵でしかない。そのどちらへも勝っつぁんの帰るべき場所はないのである。それゆえに海舟は天下独往していくことになるし、宙吊りの孤独に堪えなければならないのである。そのことにたいして説明のしようもない。要すれば、自分の行動自体で自分の哲学や歴史観やらを証明してみせるよりほかはなかった。」(半藤一利「それからの海舟」より)
コロナ禍をはじめとしてこれほどまでに激動の2020年。勝海舟のように自分自身の中にしっかりとした哲学と歴史観を持ち行動していかなければならないと痛感する今日この頃です。
コロナ禍をはじめとしてこれほどまでに激動の2020年。勝海舟のように自分自身の中にしっかりとした哲学と歴史観を持ち行動していかなければならないと痛感する今日この頃です。
今日は私の66歳の誕生日でしたが、つい先日、薬害エイズ被害者団体の代表の方が亡くなられ今日はお通夜で参列してきました。私が薬害エイズ事件に出会ったのは25年前で当時は私にとって強烈な印象でした。当時はエイズによる差別・偏見も強く、最初はなかなか被害者本人に会うことは難しかったですが、被害者本人と出会い生の声を聞いた時に、又一層の衝撃を受けました。被害者家族からの誘いもあり以来、薬害被害者の支援活動を続けるようになりました。66年のうちの25年ですから人生の3分の一以上関わっていることになります。私は医療関係者でもなく社会問題には関心を持っていましたが活動家でもありません。不器用で何の取り柄のある人間でもありません。ただひたすら被害者の生の声を聞き自分なりに社会に伝える機会を創ってきただけです。しかし多くの人との出会いから様々なことに気づかされ活動が広がってきました。それは人間の歴史であり私に与えられた歴史でもありました。2020年の今年、歴史の大きな転換点に差し掛かっています。また新たな歴史の始まりです。
自分への誕生日祝いと大好物のマンゴーを買って食べました。とっても美味しかったです。
自分への誕生日祝いと大好物のマンゴーを買って食べました。とっても美味しかったです。
「昭和史というのは一言で言えば、正しい判断をすれば、こんなことにはならなかったものを、間違った判断を重ねていった歴史であるんです。間違った判断をした揚げ句、国民をみんな不幸にして、国土を焼け野原にして、そしてたくさんの人を殺したという歴史だったんです。
そこから学んで、しっかりと次の日本を作るための資料にするには、やはり歴史きちんと学んだほうがいい、とはよく言われますが、では具体的に歴史の教訓とは何か。
実は、『後の人が歴史からは何も学ばない』ということが歴史の最高の教訓なんです。」(半藤一利「歴史と人生」より)
記録を残さず歴史に学ばない2020年の今は最大の危機なのかもしれません。
そこから学んで、しっかりと次の日本を作るための資料にするには、やはり歴史きちんと学んだほうがいい、とはよく言われますが、では具体的に歴史の教訓とは何か。
実は、『後の人が歴史からは何も学ばない』ということが歴史の最高の教訓なんです。」(半藤一利「歴史と人生」より)
記録を残さず歴史に学ばない2020年の今は最大の危機なのかもしれません。
コロナ禍の2020年ー私たち一人ひとりの生き方が問われています。技術文明が発達して一人ひとりの生活が便利になりグローバル時代で世界どこでも速く行きかいできるようになりました。それが今、感染症の伝播おも早めていくようになりました。コロナとの共存と言われますが、一人ひとりはその生き方を戸惑うばかりです。感染症の歴史は今に始まったわけではありません。私たちは幕末にもコレラを経験しています。そして如何に生きるべきか考えていきました。それは本来人間があるべき姿ーいかに生きるべきかー正に哲学なのです。現代は人間が技術文明に頼りすぎてその技術に乗って自分では考えずに技術に任せて世界を飛び回っています。自分の帰るところが分からないくらいグローバルに。ローカルとは本来自分が生きるべき住処なのです。今こそ歴史と哲学を大切にグローバルからローカルに舵を切りましょう。