私は16年前に薬害エイズ被害者の家族の生の声を聞いて、それまで得ていた薬害エイズの知識など比べものにならないほどの現実の被害の重さを感じて、薬害エイズ被害者の支援活動に関わるようになりました。それから薬害問題を中心に薬害肝炎訴訟、薬害イレッサ訴訟、B型肝炎訴訟などの活動に参加しています。薬害エイズでは薬害の問題だけでなくHIV陽性者のケア団体とも関係を持ちエイズにおける様々な問題を見てきました。エイズを考えるとき薬害問題だけでなく、エイズに対する差別・偏見、またアフリカなどエイズ患者が多い中で治療薬が高く治療も出来ず亡くなっていく貧困問題もあります。差別・偏見の問題はHIV陽性者だけでなくHCV(C型肝炎)、HBV(B型肝炎)もあります。私の小さな体験の中にも差別・偏見や貧困問題といった様々な社会問題に出会っています。
私は好奇心が強く時間があるといろいろなイベントに顔を出していますが、社会起業家の集まりや環境問題、フェアトレード、貧困問題などどの会合に出ても、どこか共通点があります。最近、若者は社会問題の解決を目指して起業する人が出てきていますが、児童買春問題でもエイズに苦しむ子どもたち被害者をケアしたり、フェアトレードを通して貧困問題に取り組んだりする中で、違った問題でもねっこではつながっています。様々な違った社会問題の取り組みをしている人達の間を取り持つのも社会起業家の役割なのかもしれません。