俺にも言わせろ。
年齢を重ねると小さな不幸が許せなくなる。人生残り少なくなると、チャレンジしなくなるので病気以外に大きな不幸は余りなくなる。その分、小さな不幸が世界一の不幸者に思えることがある。
車を当て逃げされた。自宅ガレージに停めていたのに、何者かがこすって逃げた。車体後ろのバンパー部分が剥げている。前面道路が突き当りなので迷った車が我がガレージで方向転換する可能性がある。早速、防犯カメラの録画をチェックする。しかし、庭を駆け巡る愛犬（頻尿傾向の老犬）と、洗濯物を干す配偶者ばかり登場するのみだ。
ショックなのは、筆者も登場するが我が後ろ姿の「はげ具合」に驚愕する。車のバンパーの「はげ具合」よりも筆者の「はげ具合」の方が深刻であった。自動車修理会社よりもアデランスに直行することにした。
シャープペンの芯がしばしば折れる。マスクを外そうとすると必ずメガネがとれる。パジャマの上下が合わない。阪神が弱い。トイレットペーパーが自分の時になくなる。鍵穴にカギを挿入するときには必ず反対向きに入れる。冷房が強くて体調を壊す。おしっこが近い。目が遠い。耳は一層遠い。配偶者との縁はさらに遠い。
世界で一番の不幸者だ。
