治療の第2段階に入った。純粋に排尿改善を願って来院した筆者は、不妊治療薬を投薬される羽目になった。
どうも先生の説明は、やはり老化現象の原因はホルモンのバランスが崩れることに依るらしい。男性は男性ホルモン、女性は女性ホルモン。つまりそれを増強することは結果的に性力の増強につながるのである。
若ければよく眠れる。復活した活力はすべての源泉である。確かに最近のテレビＣＭにやたらとその類の宣伝が多くなっている。テレビで「夜も昼も元気に。」とか、「若い女性ともためらわず付き合える。」と言う。なかには、「奥様もびっくり！」「青春時代を取り戻す。」などと盛んにやっている。放送では限界の表現だが、明らかにアレである。奥様風の女性が、なにを見て驚いているのか、眼を丸くした写真を掲載している新聞広告もある。さらに、ネットではもっと露骨に、「最後まで元気が続かないあなたに」とか、「夜、彼女を満足させられない方に」と書き、はっきりとアレのアノ時のアンナことを言っている。
薄毛・若ハゲ。そして、コンドロイチンなどの骨成分サプリメントと合わせて、精力は熟年の3大関心事だ。元気に歩けて頭に毛が生えてアレが立てば我々は言う事はない。女性は加えて肌の艶が問題だ。水着の若い女性を5人ほど並べて、「この中に60代の女性がいます。どなたでしょう？」っと、やっているＣＭも衝撃だ。女性は若く見せたいのだ。
高齢化社会では不老不死は永遠のテーマである。死なないことは無理でも、なるべく老化現象は遅くしたい。
筆者は結局、排尿障害だけで来院したはずだが、どっぷりアンチエイジングの治療に入ってしまった。保険外治療になるのである。
お勧めの注射まではやって貰う。あくまでも純粋な気持ちである。配偶者には言えない。排尿障害は周知のことだが、不妊治療とは言えない。誰と子供をつくると言うのだ・・・。泣
