アチャコちゃんの京都日誌

あちゃこが巡る京都の古刹巡礼

922 新シリーズ  令和に巡る京の神社    第33番 出世稲荷神社(左遷された?)

2022-06-07 13:59:57 | 日記

 

第33番 出世稲荷神社

参道

所在地    京都府京都市左京区大原来迎院町148

主祭神    宇迦之御魂命

創建       天正15年(1587年)

例祭       4月8日

稲荷社

出世の象徴である神社が、左遷された。

このような神社を紹介する。誰でも知っている出世頭と言えば、太閤さん豊臣秀吉。彼は稲荷信仰が篤く、天下平定の象徴として営んだ聚楽第の中に、稲荷社を勧請して祀った。時の天皇(後陽成天皇)が行幸した折にここに参拝し正式に「出世稲荷」と号した。そのままのネーミングである。聚楽第は甥の豊臣秀次の滅亡とともに破却されたが、稲荷社は残った。当時の所在地は現在の千本通二条あたり、旧の平安京の応天門のあった場所とされる。明治以降も訪れる人は多く、秀吉にあやかって出世や事業の成功を祈った。近代になり千本通が映画館や芝居小屋などの繁華街になった為、牧野省三や尾上松之助などの映画・芸能関係者が鳥居を多く寄進した。そのように神社も出世したのだが、平成の時代になり界隈の荒廃や神社自体の老朽化の波に勝てず、大原の地に移転することになった。まさに出世から都落ちの左遷である。

旧の神社(石碑・扁額は転用している。?)

なお、筆者が京都で飛び込み営業をしていた頃には立派に存在していたはずで、「出世稲荷前」というバス停もあった。その頃にちゃんとお参りをして出世を祈願しておけば良かった。反省しても遅い。因みに、移転後もしばらくはバス停もそのまま「出世稲荷前」であったはずだが、改めて調べたら今は「千本旧二条」となっている。このように歴史の痕跡が跡形もなくなっていくのである。神社はなくとも「旧出世稲荷前」で良いではないか。

尾上松之助などの名前が見える。

大原の現在地にお参りして見たが、すでに出世を実現してもらえそうに思えなかった。

大原の里が一望できる。

青紅葉が良い。出世も良い。

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