「ただ、その地に住む民は力が強く、その町々は城壁があって非常に大きく、そのうえ、そこでアナクの子孫を見ました。」(民数記13:28新改訳)
いよいよカナンに攻め上るときが来た。モーセはただちに出発しようとしたが、人々はまず偵察隊を派遣し、現地を調べようと提案し、結局そうすることになった(申命記1:22同)。部族代表十二人から成る偵察隊は四〇日間にわたって現地を調査、帰還報告をしたが、それは恐れと不信仰に満ちたもので、全会衆の意気をくじく結果になってしまった。すなわち彼らは原住民の外見だけを見て意気阻喪(いきそそう)してしまい、戦う前から気力を失って、とても勝ち目はないと言ったのである。▼十二人のうち、カレブだけはちがっていた。彼はカナン人の外見や立派な町々を見ても、その上におられる全能の神と約束のおことばにしっかり立っていたため、すこしもおびえることなく、ただちに征服戦を始めようと提案したのである(30)。同じ景色を見ても、信仰に立つのと不信仰に立つのとでは、その告白に天と地の差が出て来ることがわかる。