中小企業ではよく「うちには優秀な人間は採用できないよ」とか「何か次の一手になるような新規事業はないかな」といった声を聞くことがあります。
嘆いていてもしかたありません。
本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。
「サイボウズ 起業支援の新会社 まずバイト、委託で契約」
・サイボウズは21日、インターネットサービス事業の起業を支援する新会社を8月2日に設立すると発表した。学生や社会人をアルバイトまたは委託で契約し、アプリケーションソフト開発などで新規事業を企画してもらう。事業化の見通しが立てば出資して起業を支援する。
(引用:2010/07/22 日経産業新聞より)
原則として正社員ではなく、成果報酬または時給2000円からの選択制でアルバイトまたは委託契約で雇用し、起業した際は新会社の役員となるとのこと。
ITの高度な知識や技術を持つ学生から問い合わせが増えているそうです。
おもしろい仕組みだと思います。
優秀な技術や知識を持ちながら、正社員ではないというところで自分でリスクをとれる気概のある、また起業家精神をもつ若者があつまることが期待されるでしょう。
また、起業支援も謳いつつ、次の新事業開発を自社のナレッジだけに頼らず、幅広く求めることができるでしょう。
優秀な人間を採用するのには、何も給料だけではないでしょう。給与以外の処遇、彼らのやりたいことがやれる環境を提供できるかどうか、共通の目的があるかどうか(この場合は興味のある研究、新事業、起業などでしょう)も大きな要因になるということでしょう。
さて、あなたのビジネスでは、「優秀な人材を集める」「新規事業のネタを育てる」ことができる仕掛けや仕組みを何か考えていらっしゃいますか?
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本日の新聞に掲載されていましたが、
渥美俊一氏がお亡くなりになったそうです。
アメリカの「チェーンストア理論」を日本に持ち込んだ人でもあり、日本チェーンストア協会を設立した、日本の流通業の発展に多大な影響を及ぼしたコンサルタントです。
ダイエー、ジャスコ、ヨーカドーをはじめ、日本の名だたる流通企業の多くが先生に師事していたことはあまりにも有名です。
私も流通業出身ですので、先生の本も、「チェーンストアのマネジメント」「小から大への成長法則」などを読んでおりますが、質実剛健な指南書です。
謹んでご冥福をお祈りいたします。