中小企業診断士 藤田雅三 ブログ

~コンサルティングblog~ざっくばらんにいろいろ書きます。

場を変える

2010年07月31日 12時34分28秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

思うようにアイデアが出ない。
誰からも意見が出なくなる。
会議はいつも伝達事項のみ・・・

打ち合わせや会議がマンネリしてくることはどの会社でもあることでしょう。

昨日の日経新聞夕刊に、凸版印刷会長 足立直樹氏のお話がありました。

「喫茶店で戦略会議 部下とのコミュニケーションの場」
・かつての私ほど頻繁に喫茶店を利用した人間はいないと思う。
・そのころ私は営業部門の課長だったが「社内では会議を開かない」と決めていた。
・外回りの営業課員をわざわざ事務所に集めるのは非効率と思ったからだ。
・喫茶店のテーブルをはさんで面と向かうと、社内の会議ではきけないような本音の話やプライベートの話も飛び出してくる。仕事がうまくいかず悩んでいるようならそれとなく励ます。今度子供が小学校に上がることがわかればお祝いに鉛筆の1本もプレゼントする。
(引用:2010/07/30 日本経済新聞夕刊より)

とのことです。
もともと営業先の近くなど、外で打ち合わせをした方が効率的なので喫茶店で会議をしていたのが、やってみると副次的効果があったということでしょう。

場の雰囲気がかわるためか、ポロリと本音の話が聞けたり、いつもの会議室ではでないようなプライベートの話をきっかけに、コミュニケーションが促進する。
特に、皆でアイデアを出したり、新しいことを考えたりするときには、場の雰囲気を変えてみるのが効果的ではないでしょうか。

私もコンサルティングファーム勤務時代は、そもそも会社の中はフリーアドレスで自分の決まった席はなく、また、毎日会社へは行かないでほとんどクライアント先へ直行直帰のような仕事でしたから、打ち合わせといえば客先のミーティングスペースを借りたり、やはり喫茶店やカフェですることが多くありました。

もちろん、店の中ですので大きな声で話さないように注意したり、固有名称などは隠語をつかい、他人にわからないように十分注意をする必要がありますので、話す内容によって場所を選ぶ必要があります。
しかしながら、いつもいつも同じ会社の会議室に閉じこもって、会議やミーティングがマンネリしていると感じたならば、場所を変えてやってみるのもいいのではないでしょうか。
また、外であれば必然的に長時間は難しいので、自然と時間を切って、終わりの時間を意識して話をすることになります。
会議や打ち合わせをするにあたって、時間を決めておく、時間内に結論を出す、ようにすることは重要です。

外に出るのが無理で、どうしても社内でということであれば、短時間で全員立ったままやってみるとか、会議室ではなく、社員食堂を使ってみたり・・・などでも良いと思います。

さて、あなたの会社でも、いつもと違った場所で会議をしてみてはいかがでしょうか?

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主力商品はアイテムを増やし、恐れずに大容量を売ってみる

2010年07月30日 14時28分35秒 | マーケティング・販促

食品業界ではずいぶん前から「個食化」「ひとり用」というキーワードで商品開発がされてきました。
「個食パック」であるとか「ミニパック」等々。
また、単身者の増加や、高齢化などによって、食品業界に限らず日用雑貨などにおいても、1回分や、使い切りタイプの商品が多く開発されています。

本日の日経MJに次のような記事がありました。

「衣料ケアスプレー 花王、ライバル一吹き」
・花王の「服のミスト」は今回の調査で、詰替用が本体を大きく上回るシェアを占めた。
・最大の特徴が液体とボトルがともに透明で一目でわかるようになっている点だ。
・詰替用の分量を本体2本分の400mlにしたのにもしたたかな戦略がある。
詰替用を買って本体に補充しても「もう1本分のこしていると思うと、気前よく使えるのが人間の心理」
・勝利の方程式
①「透明」で安心感
②つめかえ分量増やす
③ついで買い誘う陳列
(引用:2010/07/30 日経MJより)

とのことです。
①の安心感というキーワードも重要です。③については販売担当者なら誰でも気にしているところ。

最近の商品開発で結構見落とされがちなのが、②の「大容量」「大パック」ではないでしょうか。

消費者の嗜好の多様化や、個人化が進み、ひとりひとりに合わせたマーケティングなどの手法がきめ細かく高度になって、「大容量で売る、大量に売る、単価を上げる」という昔ながらの基本的戦法が忘れられがちな気がしています。

昔よく耳にした「一物三価」(いろいろ意味はありますが、より多く買ったほうが安い・・・ということで)という言葉も最近はあまり聞かなくなりました。

主力商品、売れている商品は量目を変えてアイテムを増やして売ってみることが大切です。
「こんなに沢山必要ないから買わない」とか「うちの客層は単身者や老人が多いから大容量は売れない」という固定観念にとらわれない方が良いと思います。

上記の②のような人間の心理はだれにでもあるものです。特に一度に消費してしまわなくてはならないようなものでなければなおさら大容量にチャレンジしてみることは有効でしょう。

また、一度に食べきってしまわなければならない、外食や惣菜ビジネスにおいてさえ、「デカ盛り」や「メガ○○」といったボリューム商品が流行っています。
ドライ食品では、日清焼そば1.5倍といった、インスタントラーメンなどでは前から大盛り系のアイテムが存在しています。
ホントは1.5倍ではなくて、意外に2倍や3倍の商品が売れる時代かもしれません。

いきなり定番にするのが難しければ、「期間限定」でテスト販売してみても良いでしょう。

何がヒットするかわからない時代ですから、臨機応変に可能性にチャレンジできる体制が必要です。

さて、あなたのビジネスでは、「主力商品のアイテムを増やす」、「大容量を売る」といった手法にチャレンジしてみることはできないでしょうか?

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KPIを活用する

2010年07月29日 12時33分28秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

KPIといえば、Key Performance Indicator(重要業績評価指標)の略で、目的を達成するための方策・手段を指標化したものです。
よく、BSC(バランススコアカード)などと一緒に用いられるモニタリングツールで有名ですが、あまり難しく考えず、他のフレームワークと併用してみるとか、KPI単体で運用してみてはどうでしょうか。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「5ヶ年計画で本格管理 生活習慣改善に数値目標」
・東洋インキ製造が社員の健康支援策を拡充している。~5ヶ年計画のもと社員の健康増進に関する数値目標を設定し、健康管理に役立てている。
・ただ、一口に「社員の健康増進」と言ってもその概念はあまりにも広い。そこで社員の健康を具体的に管理する5ヶ年計画を作成することにした。
・5ヶ年計画の13年度の目標には「運動を習慣化している社員の割合を30%に高める」「肥満度が適正値を超えている社員の割合は20%以下に抑える」「メンタルヘルスやコミュニケーション工場のセミナーの受講者を50%に引き上げる」
など、明確な数値目標が並ぶ。
(引用:2010/07/29 日経産業新聞より)

とのことです。
ポイントは、概念が広くわかりにくい目的に対して明確な数値目標を設定したことです。
定性目標を定量化したと言えばいいでしょうか。

「社員の健康増進」とはどのような状態をいうのか?どのような時点でその目的が達成されていると判断するのか?
とても定性的で、人によっていろいろな判断が分かれるでしょう。

しかし、社内で良く検討して、全員の共通認識として統一された判断指標を明確にして、目標値を決めることで、それが「見える化」できるようになります。
・運動を習慣化している社員の割合
・肥満度が適正値を超えている社員の割合
・健康に関するセミナーの受講者の割合
       ・・・・・等々
といった判断、評価指標がKPIとなります。
「社員の健康増進」という曖昧な概念に、明確な定義が社内の認識として統一されます。
本当にその指標目標が達成できたら、「社員の健康増進」が叶うのか?といえば、正解はわかりませんが、少なくとも定性目標がただのお題目にならずに、前へ進んでいくサイクルが生まれます。

そもそも、モニタリングツールですから、一度設定した指標も、ゴールへ向かうためには都度見直しをしていけばよいのです。
重要なことは、きちんとモニタリングしてPDCAのサイクルを回していくことで、ゴールへ向かうための評価指標が有効なものに修正されて行き、社内にその活動が根付いていくことで、目的に近づくことでしょう。

評価指標には、「結果指標」と「プロセス指標」が考えられます。
たとえば、「運動している社員の割合」を高めたければ、もう一つブレイクダウンして「部署内での朝のラジオ体操の実施率(例)」といった指標を設けてみても良いでしょう。

さて、あなたのビジネスでも定性目標を見える化してみることで、前に進み出すことがあるのではないでしょうか?

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ネットの口コミ~コミュニティの活用と、期待するだけでなく地道な対応を

2010年07月28日 14時39分06秒 | インターネット・IT・パソコン

最近インターネットを利用した「口コミ」マーケティングの事例が沢山出てくるようになりました。
TVCMなどでは資金に乏しい中小企業にはなかなか手が出づらいものですが、ネットを利用することで大手と変わらないマーケティングができる時代になってきていますね。

本日の日経産業新聞に次のような記事がでていました。

「クチコミ増殖、ヒット生む」
・大手旅行サイト「じゃらんnet」の09年度売上高ランキングで初の東北地区ナンバーワンに輝いた人気の宿も、かつては旅行需要が団体から個人へとシフトする中で売上の減少に苦しんでいた。
・反転攻勢の足がかりとなったのはネットのクチコミ。
・クチコミ重視に転換し、一つ一つに目を通して返事を書き、クレームや要望があれば速やかに対応。この4月にも350万円をかけて全105室にシャープ製の最新空気清浄機を設置した。
・この数年のツイッターやSNSなどソーシャルメディアの普及でこうした取り組みの成果が一気に花開いた。
(引用:2010/07/28 日経産業新聞より)

とのことです。
こういった新しいメディアに注目している、経営者の方は多いと思いますが、自分で実行してみているかどうかがまず最初の成功の分かれ目です。

まずはなんでも自分ですぐにやってみることが重要です。
やってみたけれど期待したほどの効果はなかったという方もいらっしゃるでしょう。
しかし効果はなかったと言うまえに、やり方を成功事例に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
単にこうしたネットやソーシャルメディアを利用してみた・・・だけで成功するなら誰も苦労はしないもの。効果を「期待する」だけではなく、クチコミやお客様の意見に「どう対応するのか」に地道に取り組んだ結果が、上記の企業のようにある時パッと花開いているものです。

そもそも、クチコミを投稿してくれたりするお客様は、自社にとってはコアなファンであり、見込み客でもあり、ターゲットとする人々です。自社がターゲットとする顧客層が、全国のどこにいるのか、こちらから探さなくても向こうから来ていただいたり、ネットワークのどこかにターゲットのコミュニティが存在したりしています。
全世界を結ぶインターネットというある意味マス媒体でありながら、ピンポイントのマーケティングや販促が可能となっています。

どうせ活用するなら徹底的に対応してみなくては、その効果はわからないでしょう。
大きな費用もかからず、コアな顧客層、関心のある顧客層とコミュニケーションが取れる環境があるのですから、地道な対応をしていけばその反応率や効果は大きいはず。
投げ出さないで、きちんと続けていくことが大切でしょう。

ちなみに、同記事によると、国内最大のレシピ投稿サイト「クックパッド」(30台の女性の45%が利用するという)を利用したパナソニックは年間販売台数2000台の、ある調理器具が一気に5万台超に跳ね上がった、とのこと。
まさに共通の関心事を持っているコミュニティに直接アプローチできることが、どれだけ効果的でパワーを生み出すかの好例でしょう。

さて、あなたのビジネスでは口コミを活用する努力を地道に続けていらっしゃいますか?

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「組織のあり方」「コスト削減」

2010年07月27日 13時07分37秒 | 戦略・ブランド・コスト・業務改善

本日の話題は2つです。

まず一つ目は、
グループウエアが進化して最近流行のツイッター(のようなもの)が取り入れられているようです。

本日の日経産業新聞に次のような記事がありました。

「つぶやき、社内の神経に」
・導入したのは米セールスフォース・ドットコムが6月に正式サービスを始めた社内ミニブログシステム「チャッター」。ある社員のつぶやきがフォローする他の社員に一斉配信され、情報共有を促す。~プレゼンを知った他の社員からは~とアドバイスを寄せた。
・社員の意志をリアルタイムに伝えるのにこれほど良いツールはない。
・夜、英語で質問をつぶやけば、朝には世界中の同僚から数十の回答をもらうことも少なくない」
(引用:2010/07/27 日経産業新聞より)

社員が多く、部署や事業部が沢山存在する企業では、とくにこういったシステムがあると便利でしょう。
社員の誰かが、今抱えている問題についてつぶやけば(あくまでも公式な堅苦しいモノではなく気軽にやりとりするところが活用を促す)、社員や上司の誰かから即座にアドバイスや情報をもらうことができる。

すばらしい利点ですが、わが社もと飛びつく前に、本当に自社に向いているのかどうかもよく考えましょう。

上記のようなメリットがある反面、こういった仕組みや機能の「本質」をきちんと理解してうまく使いこなす組織の土壌が必要だと思います。
公式発言っぽくないように運用するのがポイントですが、実際業務に活用していくのですから、どこからどこまでが公式で、あるいはそうでないのか、微妙です。
本来存在する部門間や指示命令系統をこえて、全社的にナレッジや情報の共有が進み、風通しが良くなり、意志決定が早くなることが期待できる反面、そのことを理解する組織の土壌がない場合、あるいは組織形態が上下関係、指示命令系統を重要視し、旧態依然としたままの企業であれば、それらのメリットは逆に働く・・・
つまり、指示命令系統を飛び越えて社長から直接部下へ指示が飛ぶ、部門間や事業部を超えて、アドバイスなのか命令なのかわからない発言(指示)が飛ぶ、といったことの弊害に注意する必要があるでしょう。

先日、カンブリア宮殿で孫正義氏が出演していましたが、ソフトバンクではツイッターで頻繁にやりとりされているようです。一般の消費者からの要望に、孫さんが「それやりましょう!○○君よろしく!」と発言すると、それを見た○○さんは、あわててすぐに取りかかるのだそうです。
ソフトバンクの場合はそれが消費者との双方向のコミュニケーションや、意志決定、行動のスピードアップに非常に良い方向に働いていています。
ITやネットの最たる企業ですから、こういった仕組みがマッチしているのでしょう。

「うちの会社はどうだ?」と気になるのであれば、もう一度、自社の組織形態や風土、受け入れる土壌があるかどうかをよく考える。
導入するのであれば、「活用するためのルールやマナー」といった取り決めを設けてみるなどの、必要があるかもしれません。

さて、あなたの会社は、最新の情報ツールを使いこなせる「組織のあり方」になっていらっしゃいますか?

=================

二つ目の話題、

ビジネスの世界でも「見える化」という言葉がよく使われますが、「コスト削減」においても重要なキーワードです。

本日の日経新聞に次のような記事がありました。

「企業の経費削減支援 コンサル子会社、9月設立」
・Jフロントリテイリングは企業などの経費削減を支援するコンサルティング業を始めると発表した。参加の百貨店やスーパーで培った効率的な人員配置や備品発注などのノウハウを提供する。
・業務の外注や従業員の働き方の見直しといった実践的な助言のほか、経費削減計画の立て方も支援。
(引用:2010/07/27 日本経済新聞より)

会社が業績がよく、イケイケドンドンの時は、あまりコスト面には気がいかないものです。反対に、会社の業績や景気が悪くなると、「やれ経費削減」と言い出すことが多いようです。

しかしながらコスト削減というのは、会社が調子の良いときから継続して行う必要のある業務です。
業績の良いときだからこそ取り組むことができます。
業績が悪くなり、本当にお金の面で必要に迫られてコスト削減に取りかかるのでは、その効果が生まれるのに時間的なタイムラグが発生しますし、一番怖いのは本来必要な(削ってはいけないサービスコスト等)コスト部分まで容赦なくカットしてしまいがちになり、結果それはかえって大幅な売上ダウンに繋がることもしばしばです。

私も、昔は流通業の経営者でしたが、例えばうちくらいの規模のスーパーマーケットでもその年間の電気料金は1億円を楽に超えていました。その電気代の数%でも削減できれば数百万の純利益が生まれます。

コスト削減の専門家にたのんで、取り組むのもいいでしょう。
自社で取り組むのであれば、いくらかの留意点があると思います。
それがまず、
1.「見える化」です。
過去の請求書や、いろいろな経費のデータを整理して、全社員に「見える化」して一人一人が意識できるようにすること。

次に
2.取り組む順序は
  ①仕入・購入購買・調達・契約を見直す
  ②社内の運用・使用方法を改善する
  ③設備やシステムを新しくして効率を上げる
だと思います。
できれば、③は避けたいところでしょう。
最新の設備導入やシステムで効率化して改善できるコストもありますが、回収する期間も必要ですし、これこそ業績の良いときしかできません。

そうではなく、まずは「入り」からの見直し・・・次に「出の管理」、使い方や運用の見直し、で改善を図りたいところです。

よく、「コピー用紙の裏面を使いなさい」といって裏紙を沢山おいている会社があると思います。
よく気をつけないと、お客様へ提出する資料を間違って裏紙コピーしたり、裏紙を詰まらせてコピー機の故障を頻繁に招き、結局修理代や時間の無駄をしていたり・・・そんな本末転倒な結果になってしまうこともあるでしょう。
裏紙使用するのではなく最初から両面コピーや両面印刷をするとか、「そもそもそのコピーや印刷は本当に必要なのか?電子データの配布で十分なのでは?」といったことを検討する必要があるのではないでしょうか。

さて、あなたのビジネスでも、コスト・経費を「見える化」して、意識付けをするところからはじめてみてはいかがでしょうか?

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