私がバイブルのようにしている本があります。何度も読み返していますし、人にも紹介しています。
現在は九州大学医学研究院教授の内海健先生の「うつ病新時代」です。改訂版の「双極II型という病」も持っています。どちらかというと医療関係者向けの本ですが患者に対して、肯定的で温かい眼差しが感じられます。
今の精神科の主治医からの「内海先生の本はたくさん読んでいますよ。」の言葉にとても勇気づけられました。
2006年(改訂版2013年)の内容です。医学は進歩しています。
以前はこうだったけれど、今はこう考えられているということがあるかも知れません。
(私は内海先生の見解が最近、支持され、広がって来ているように思います。)
『双極II型障害を定義するなら、いわゆるうつ病相に「軽躁」を併せ持つ気分障害である。たったこれだけのことなのだが、そこに差し挟まれた軽躁成分は、この疾病を、さながら妖精か悪鬼のごとく変幻自在で捉えがたいものとする。』
こういう記述もありました。
不全性…抑うつ気分が強いのに行動抑制が見られなかったり、行動抑制は強いのに気分はそれほど落ち込まなかったりする。
異変性…抑うつ状態が移ろいやすい。落ち込みは短いスパンで軽快したり、軽躁に転じたりする。患者も混乱。
部分性…抑うつ症状の出現に選択性がある。あたかも、場面を選んでいるかのように症状が出現。
異変性…抑うつ状態が移ろいやすい。落ち込みは短いスパンで軽快したり、軽躁に転じたりする。患者も混乱。
部分性…抑うつ症状の出現に選択性がある。あたかも、場面を選んでいるかのように症状が出現。
それで、私は外から見るとうつ状態が分かりにくいのだと思います。
自分では鬱の中に躁があり、躁の中に鬱があるのではないかと思うことがあります。
この本の中に、
・入院しても病人らしからぬところが多く、医療スタッフからも詐病と思われた患者の例
・ある患者が「気晴らしに山登りに出かけた。」と報告したが、それが3000メートル級の冬山であったという例。
・抑うつで療養中に海外旅行に出かけた人の例
もありました。
実は私はかなり強いうつの時期に1年間に5回、海外旅行に出かけたことがあります。職場からは病気(うつ)は嘘だと思われてしまいました。普通はそう思いますよね。
海外旅行はそれまでは年に一度行っていた時期もありますが、数年に一度くらいでした。それ以降は一度も行っていません。
***今回のブログの精神疾患のシリーズで使っている写真はその時のものです***
2012/8トルコ、2012/12ニュージーランド、2013/3アイスランド、
2013/5スペイン、2013/8英国
前に「他者からの拒絶に弱い」ことについて書きましたが、内海先生はこのように述べておられます。
『この対人過敏性は抑うつ症状と同様、治療の重要な対象である。』
自分が当てはまっていると思われるものに・・・
・他の中で生き、他に評価されて初めて自分に価値を見出す。
・自分は自分であり、そのままで良いのだという安心感に乏しい。
・患者はしばしば「自分が悪い」「申し訳ない」「皆に迷惑をかけている」という。
・他人の気持ちに振り回されやすくなる。
・相手の意向を逐一気にして振り回され、頭の中がいっぱいになり、顔色をうかがう。読みが空転してどうしたらよいか混乱する。
私がバイブルのようにしているからといって、ここに書かれているもの全てが当てはまっている訳ではありません。この本に書かれている患者の実例はことごとくといっていいほど自分とは違います。
私が参考にしているのは病気の解説です。今まで苦しんで来たことや疑問に思って来たことが納得出来るように書かれていてスッキリしたのです。
あるサークルでは毎回作品を2点持って行き、投票し、投票されることになっています。たくさん票が入った方が評価されます。
私はほとんど票が入らず、しかも、講師から厳しい指摘を受けることが多いです。どんどん自信がなくなっていきます。その中で安心して自分のやり方を貫き通すという事ができません。私は褒めていただくことによって、やっと自信を持つことが出来ます。
もちろん、そのやり方によって奮起すると言われる方がたくさんおられます。
◆ ◆ ◆
私は以前から『非定型うつ病』の症状に似ていることが多いと思ってきました。
この頃、非定型うつ病や新型うつ病の中に双極性障害の患者がみられるとの記述を見かけるようになりました。
また、双極性障害II型の60%に三つ以上の精神疾患が併存ーーーそのうち75%が不安症と書かれているものもありました。
双極性障害II型は本当に分かりにくい疾患です。
スペイン