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次のアンプに向けた準備、球くらべ47編

2021-08-22 20:57:37 | 自作真空管アンプ

今日は、UY型の球の比較として47にフィーチャーし、その音質を比較してみました。

47という球ですが、元はラジオなどの家庭用受信機の出力段として開発された球のようです。のちに傍熱型となり、2A5、42を経て6F6の原型になった球といわれております。

今回の音質比較では、5極管の47を三極管接続にして、比較することとしました。

ところが、球の規格が載っているサイトを色々調べてみましたが、三極管接続のデータが見当たらず、アンプの実験ステーションのB電圧も高めなので、球を疲弊させないためにも慎重に設計しなければなりません。ここはひとつ伝家の宝刀をということで、三極管接続の特性曲線を測定してみることにしました。

測定に使用した球は、下記RCA Cunninghamの刻印球になります。

測定には、数台の電源装置とX-Yトレースが可能な入力部のアースが絶縁されたタイプのデジタルオシロがあれば大変便利です。測定の様子を載せます。

測定していて思ったのですが、この球、あまり電流が流れない。グリッドバイアス0Vでプレートに250Vぐらい電圧をかけても、50mA強しか流れていません。ひょっとしてエミッションが弱っている球かもしれませんが、とりあえず、測定時は手元にこの1本しかなく継続しました。

その結果、特性曲線は下記のようになりました。

なお、このプレート電流曲線は、デジタルオシロの描画からエクセルの曲線ツールを使って見やすく描きなおしております。

RCA Cunninghamの47は、この1本以外にも手持ちがあり、確か倉庫にしまっているはずだと、今日取りに行きました。しかし、どこを探してもあるはずだと思っていたものが見当たらず、やっと見つけた47は、Tung-Solの刻印のものでした。あと、ヨーロッパはTungsramの47も数本手持ちにあり、結局、RCA Cunninghamは見つからずじまい。仕方なくRCAとTung-Solの刻印を使って注意書き付きで比較するかと思い、Tung-SolとTungsramも念のため持って帰りました。

47の動作点としては、5kΩ負荷でグリッドバイアス‐30V、プレート電流20mAのところが実験ステーションに合いそうなところでしたので、ここから、カソード抵抗は1.5kΩとなります。

早速、RCA CunninghamとTung-Solを挿して、音質比較を始めたのですが、うーん、今一よろしくない。評価も点数が低くブランド違いの注意書きがその言い訳になりそうな気がしたので、これはやめておこうと思いました。代わりに、Tungsramの球で比較したらどうなるだろうと思い、こちらを試すことに。

ここで、Tungsramの球の写真を載せておきます。下記写真の右手側の球ですが、ヨーロッパらしくST管の肩の部分が”なで肩”でなかなか良い趣です。

結局この球で試聴を行いました。試聴の様子は下記になります。

さてその結果ですが、初めの刻印のものとは大違い。出てくる音は自然で聞きやすく、全体のバランスもさることながら、高域の透明感も良い。奥行き感も感じられて45に匹敵しそうな音を奏でてくれました。

結局、評価としては下記のような結果になりました。

こんな球が手持ちにあるのもすっかり忘れていたのですが、今日は思わぬ収穫となりました。ただ、比較としては、今日試したRCAとTung-Solの球のエミッション不足だった可能性もあり、何とも後味の悪い結果となってしまいました。それに誰もTungsramの47なんて持っていないでしょう、そういう球で比較してもね~・・・

 

この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。

 

 


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