この球、オーディオ界ではどんな評価なのだろう。安物買いの銭失いなのか、まさか、触らぬ神に祟りなし、なんてことはないだろう。オークションを見てもこの球の価格は大変安い。需要よりも供給が十分ということだろうが、それほどアンプに使う人が少ないのだろうか。あるいは、各社大量に作っていたからまだ市場在庫は十分ということだろうか。
今日は、”UY-807”で音質比較をしてみました。
左手側から807W/5933(Sylvania)、UY-807(RCA、東芝)、CV124(Valve Electric)です。
807は、その形から私が好きな球の一つで、10代の頃、日本橋のスーパービデオでRSD(東欧製)の球が安く売られていたのを購入したのが最初です。当時は東欧製だとか、ロシア製だとかそんなことは全く知識がなく、ちょうど袴が茶色で単にきれい、かっこいい、といったことからの購入でした。しかし、その数年後アンプにしましたが、左右でIpのバラツキがひどい球で、1個はすぐにダメになったような記憶があります。
ということでまずは、案ずるより産むが易し、今日も実験ステーションで3極管接続のアンプに仕立てました。
で、上記写真の内、どの球で比較するかですが、とりあえず、各球を差し替え一番音がよいもので比較しようときめ、比較を開始。
最初にSylvaniaの5933ですが、これは不戦敗です。袴が大きすぎてダブルシャーシの上側に引っ掛かり、下側にあるソケットに足が届かず、残念ながら音質の確認はできませんでした。
そこで、東芝、RCA、ヨーロッパ製のValve Electricのものでの比較ですが、心の中ではMade in Japanの東芝推しでしたが、残念ながら、一番良い印象だったのは、Valve Electricのものでした。低域が案外よく出ていましたが、写真を見ての通り、プレートの形が6L6ぽくないため、よく見る普通の807での比較としたく、次によかったRCAの球で比較することとしました。だったら、Valve Electricなんて出すなよとお思いの方もいらっしゃると思いますが、そこはちょっとこの球を確認してみたかっただけ。WE350Aもあればよかったのにな~。
残念ながら東芝製は、手持ちの球だけかもわかりませんが、ほんの少し音にざらつきがあり、RCAが勝ちました。
東芝に敬意を表し、東芝製で比較中の写真を載せておきます。
いつもの3C33シングルアンプと比較した結果、下記のような点数となりました。
RCAの807は、低域のボリューム感が少ない印象はありましたが、あとは、悪いものはなく、むしろ、総じて良い感じでこの球がオークションでもなぜそんなに価格が上がらないのか不思議です。下手すれば6V6Gより安い時もありますが、これはトッププレートとUYソケットであるがためにこのようなことになるのでしょうか。難点は、3極管接続時にシングルでは出力があまりとれないことと、低域のボリューム感不足ぐらいですが、すっきりとした音という良い面でもあるかもしれません。トッププレートのキャップの設置やらが、シャーシの加工時に面倒なのかなと思いましたが、穴を1個開けるだけですし、キャップも安いものだと500円ぐらいです。そんなことでこの価格、それにしても安すぎると思った次第です。
807を求めよ、さらば与えられん。
この評価についてはあくまで主観的な評価、かつ、回路を見ていただいてもお分かりのように特殊な回路で試していますので、皆様のお手元のアンプで同じような評価になるとは限らず、あくまで個人の感想として寛大な心で受け入れていただければと思います。
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