福 風

心にとまった物や想いを集めて。穏やかな風が吹きますように。

早すぎるでしょうよ…

2010-04-09 | 父のこと
今朝5時ちょっと過ぎに、枕もとの携帯電話の着信音が鳴り強制的に起こされた。
見れば父からの電話。

男鰥夫(やもめ)で、おまけに後期高齢者の前期組みの彼は、
もともと小奇麗にする人ではなかったが、輪をかけて無頓着になっているようで、
小汚い(自分の親なのにこんな言い方するのもなんだけど)格好をしていた。

母も、私も、夫であり、父である彼にはせめて毎日清潔なものを着てもらいたいし、
あわよくばお洒落な人であって欲しいと常々願っていた。
故に口うるさく、下着を替えろだのお出かけ用を家の中で着っ放しにするなだの、
いちいち彼には言ってきた。
しかし、彼の頑固さも筋金入りで、自分がよければそれで良し、人がどう思おうと関係ないという主義なので、口うるさく言うほうの人間がイライラするだけ損なのだ。
そんな彼のDNAが入っているのなら、今の私にもその威力の何分の一かでも頭角を現すことを願うけれど。

年寄りが小汚いのもなんだか不憫にみえる。
家族の者は、彼の無頓着な性格を知っているからよいが、世間様にはあまりよい印象を与えないように思われる。ひいては彼の損になるような気がするのは、娘が子供の立場での自分の体裁を気にするだけの、ただのおせっかいなことなのだろうか。この葛藤は、いつも憑いてまわる。

彼の名誉のために書かせてもらえるならば、彼は本が大好きで、新しい物好きで、好奇心の塊で、そんな彼は結構おもろい年寄りだと思っている。だからこそ、小汚いがゆえに虐げられることがありはしないかと心配だ。娘だって、小汚い父なんか正直嫌だ。

所用で一緒に外出した折も、着たきり雀の父は、家の中でも着っ放しのジャンパー(食べこぼしのしみ、汗染みつきまくり)姿だった。さすがにこれはいかんやろ、と思ったので、ショッピングモールでセールに売り出されていたジャンパーを買い、着ているものを脱がせ、私が持ち帰って洗濯をした。
普通に洗濯したのでは落ちる汚れではなかった。
かといって、クリーニングに出すほどの服でもなく、結局エマールにしばらく浸け置きしただけになったけれど。

大きく話が逸れてしまったが、
今朝の電話は、その洗いあがった洗濯物を今から取りに行くという電話だった。

…。

今更だけど、そんな父にイラッとさせられた今朝の出来事。
ある意味幸せな彼を、とやかく言うほうが野暮だろうか。まったくねぇ。




コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

同じものを三日食べる

2009-03-19 | 父のこと



多めに作りすぎてしまった煮物。
これを、3日続けて朝や昼や夜ごはんのおかずにして食べた。
同じおかずはせいぜい2日が限度かなぁと痛感する。

そして思った。

週に2日、ヘルパーさんに調理してもらっている父。
中3日空くと、さすがに飽きがきているだろう。
戦争を経験している世代の人間なので、けっして食べ物に文句は言わない。
そして粗末にしない。
それだけに、同じものを3日続けて食べていることもあるかと思うと不憫(ふびん)に思う。
彼なりに工夫して自分の腹に食べ物を入れているようだが、
『栄養が摂れている』のと、『空腹が満たされる』のは別もの。

3日目の煮物を食べながら、男鰥夫(やもめ)の父を想う。
親不孝な娘でごめん。





コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

はっぴー敬老の日

2008-09-16 | 父のこと



敬老の日とは、孫がおじいちゃん、おばあちゃんに何かをプレゼントする日だと思ってきた。だから、うちでは親に特別なことはしない。
それでも、外見は“老いた”父に、何か一言をと思い、携帯でメールを送った。

タイトル:ハッピー敬老の日
本文:ハッピー敬老の日なのだ!これからも元気で、楽しい毎日でありますよ~に。

そして、父からの返信。

タイトル:Re ハッピー敬老の日
本文:はっぴー敬老びたなんなのだ 俺はまだまだ老人でわないのた。(原文を忠実に再現しております。)

私も、

本文:これはこれは失礼しました

と、笑いながら返信した。
なんだか嬉しい敬老の日となった。
はっぴー敬老の日。




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

変化なし

2008-07-15 | 父のこと



数ヶ月に一度の父の検診。

朝8時半過ぎに病院の駐車場に車を止め、
すべての検査を終え、診察してもらい、支払いが終わったのが12時半過ぎ。
今回はさすがに長かったぁ~。

経過観察中の部分も、お蔭様で変化なく、ホッとひと安心。

お日様が出ている時間ではありましたが、昼ごはんと共に、よく冷えたグラスビールをキューっと飲み干す父をみて、うれしく思いました。
(残念ながら、運転手の私は飲めず・・・。)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

後期高齢者医療制度の混迷

2008-06-05 | 父のこと



後期高齢者医療制度のあり方について毎日のように議論が交わされてはいるが、流れてくる情報の何をよすがにすればよいのか全く判らない最中。
表立って報道されている年金からの保険料天引きとは別に、高齢者の負担増に関わる点に気づかされた。

 75歳以上が対象の後期高齢者医療制度(通称・長寿医療制度)に移ったことで、市町村の国民健康保険で独自に実施されている人間ドック費用の補助が受けられないケースが相次いでいる。22日の衆院決算行政監視委員会で、山井和則議員(民主)が指摘した。

 多くの市町村国保では、加入者が人間ドックや脳ドックを受ける際に費用の一部を負担している。厚生労働省によると、05年度時点で1200余りの市町村国保が人間ドックの助成制度を設けていた。

 しかし、4月から75歳以上の人は新制度に移行したことで、国保独自の支援を受けられなくなった。新制度を運営する各都道府県の広域連合では、人間ドックや脳ドックに対する費用補助を実施しているところはないという。

 京都府では、昨年度まで26市町村中23の自治体で人間ドックに補助が出ていた。広域連合での補助も検討したが「保険料が膨らむほか、国保以外の人もいる」などとして、見送ったという。横浜市では、3万~4万円かかる人間ドックが、国保からの補助があり、1万3千円の自己負担で受診できた。

 山井氏は「高齢の方には、なぜ今まで受けられていた人間ドック(の補助)が受けられなくなったのかという怒りがある」と指摘。厚労省は「各市町村の実態把握に努めたい」としている。

          asahi.com  2008年04月22日22時30分 記事より抜粋

この情報を知るきっかけとなったのは、『毎年受けていた人間ドックが止(や)まってしまうらしいんやが。』という父からの電話。おかしな言い草だが、父はこの人間ドックだけはここ数年欠かさず受けている。基本的に医者嫌いの父がだ。
上記の記事にあるとおり、国民健康保険からの一部助成により、本人負担が少なく、一通りの詳しい検査を受けることが出来ていた。

それが、後期高齢者医療制度への移行により、昨年まで受けることが出来ていた人間ドックの検査は全額本人負担となる。代替の策として、県後期高齢者医療広域連合による健康診査(無料)がありはするが、内容が全く違い、希薄な検診となる。
しかも、個々に宛てた受診案内などはなく、市の広報などでこの情報を気に留めることができた人が、自ら、健康診査を受けたい旨を市に申し込まないといけないらしい。

たしか国は、予防重視の高齢者支援の方向性を打ち出していたと思うのだが、人間ドック受診によって早期発見・早期治療を目指していたのと違うの?
働き盛りの労働者にとってみても、人間ドック代の3~4万といえば大きな出費。

それでも、医者嫌いの父が人間ドックだけは自らの意思で欠かさず受診していたので、せっかくできた良い習慣を途切れさせてはいけないと思い、今までと同じ医療機関での人間ドックを電話予約した。

「予約しといたよ。」と電話すると、「お~、そうか。今までの(検査費用の)倍から上かかるが、受けといたほうが良かろう。」と、安堵したような返事が返ってきた。

不勉強な人間が、一部だけを知ってあれこれ騒ぎ立てるのもどうかとも思うが、それでも、振り回される当の高齢者が一番困惑していることを知っておいていただきたいと思う。



 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする