先日、アブラギリを森林管理署より引き取ってきました。
島内の木工業者数者と分けて、福島木工家具店は、板材など20枚ほど頂きました。
森林管理署との契約書には、
「試行的に木製品の制作等を行い、今後の屋久島の特産品として寄与していくこととする」ことを条件に今回のアブラギリは譲与、つまり無償で頂いたのでした。
ただし、材料としてのアブラギリを横流ししたりすることはいけません。
また、譲与されたアブラギリをどのように使用したのかをその過程を写真により管理し、製品として完成したら屋久島森林管理署へ報告する約束があります。
せっかくのご好意です。何かしらのカタチにして結果を出していきたいと思います。
さて、早速試しに板材の加工をしていきましょう。
倉庫に山積みになっている時はそれほど気にはしていませんでしたが、こうして一枚一枚手に取ってみてみると、
結構暴れています、つまり板材が反っています。波打っていたり、割れが入っているものもあります。
みなさん、元気に伸び伸びと、屋久島の大雨や台風の大風に負けじと、健(したた)かに育ったのでしょう。
一筋縄ではいかない個性派揃いです。
そんな彼らを適材適所で収めていくのが我ら木工家の腕の見せ所です。
と格好良いことを言いましたが、相手は自然のものなので人間の思うように完璧にはいきません。
お互いの良い塩梅で歩み寄ったところで納得し、決めていきます。
適当な一枚を選び、電動丸ノコで縦にカット ↓
板の厚み約30mm、縦の長さ1400mmのアブラギリ板材
こういう反りの激しい板材を丸ノコで切断する際は、キックバックに注意しなくてはなりません。
キックバックで大怪我する方が多いです。
キックバックとは、切断中にノコ刃が材料に挟まって、その反動で丸ノコがすごい勢いで跳ね返ってくる現象です。
丸ノコには安全カバーがついているのですが、電気で勢いよく回転している刃がグッと木材に挟まって急激に止まろうする反動なので、
その跳ね返ってくる速さは一瞬でアッという間です。
私も何度か危ない経験をしたので、慎重に作業を行うようにしています。
大事なのはスイッチを入れる前に、最悪の事態を想定して、そうなった場合はどうなるのか、
そうならないにはどうしておけばよいかを予めシュミレーションし、これなら安全だと対策をしてからスイッチを入れるようにしてます。
上の丸ノコで切断している写真は、すでに切れ目が入っているところを再度丸ノコで切っているところです。
今回の板材は30mmの厚みがありますが、この厚みを切断するために3回に分けて丸ノコを通しました。
つまり、1回につき10mmづつ深くして切断しました。
このように複数回に分けて切断していくと、途中でノコ刃が反ってくる板材に挟まれにくくなるので危険度を減らすことができます。
アブラギリレポートのはずが、丸ノコの話になってしまいました。
丸ノコ話ついでに書かせていただきますと、この写真に写っているリョービの丸ノコは、
私が19年前、屋久島へ移住して日曜大工をはじめるぞ!と気合を入れて買った思い出の一品です。
レポート 3 へ つづく
「アブラギリを活かそう」 まとめ レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5
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