長さ約1400mm、30mm厚の角材をおおよそ三等分にカットしたところ ↓
板材表面の色は時間の経過により茶色っぽくなっていますが、切断面は白っぽい色をしています。
この色の感じが桐に似ているのでアブラギリという名前がついているのかもしれません。
続いて、自動カンナという機械で樹皮部分を除く3面をカンナがけして厚みを揃えました ↓
白さが際立ちました。木目もなんとなく桐に似ていますね。
木材の重さは桐のようには軽くありませんが、一般的な広葉樹よりは軽いです。
続いて樹皮の部分を落とすためににバンドソーを使います ↓
堅木ではないのでサクサクと切ることができます。
バンドソーは刃の厚みが薄いので、電動丸ノコやテーブルソーに比べると切断の抵抗・摩擦が少ないです。
その反面、切断面にはノコ刃の跡が大きく残り、きれいには仕上がりません。
改めて自動カンナをかけて直方体、つまり90度の四角形になるようにしてシーズニングします。
シーズニングとは、木工では各部材を作るときに、ひとまわり大きく加工したのち、適当な期間乾燥させ歪みを出すことです。
今回のように、板材から角材をつくって、すぐに必要な部材の大きさに加工してしまうと、その後に反りや割れなどが起こることがあります。
木は水分を含んだ繊維の塊です。
また、生育環境や樹形の関係から木材内部に応力を含んでいます。
切断したり、カンナをかけたりすると、新しく外気に触れたり、切断による応力の変化により変形が起こります。
私はいつも屋久島産の地杉を使っているのですが、仕上のシーズニングは最低1週間以上。
湿度が高かったり、気温が低かったり、天候が悪いなどの条件が重なれば2〜3週間以上します。
時と場合により、エアコンの風を直接木材に当てて、強引に歪みを出すこともあります。
これは仕上げのシーズニングの話で、材料を仕入れてからの乾燥は数ヶ月以上かけています。
無垢の家具づくりには時間がかかります。
さて、角材にしたアブラギリを、まずは1日風通しの良い場所でシーズニングしてみました。
翌日見てみると、このように変形していました ↓
おわかりでしょうか?
前日は、自動カンナでピシッと隙間なくひっついていたのですが、
1日でもうこんなに隙間が出ているのがわかるほど反っています。
これは、アブラギリ が非常に反りやすくて、木工には向いていないという訳ではありません。
もともと激しく反っていた板材を使ったこと、それに、写真でもわかりますが、
木目が途中で切れていて真っ直ぐに通っていない材であったことから、このような結果となりました。
レポート 4 へ つづく
「アブラギリを活かそう」 まとめ レポート1 レポート2 レポート3 レポート4 レポート5
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