レポートも 5回目となりました。
アブラギリ材を毎日のように触っています。
最初は、初めて扱う材ということで、どことなく、とっつきにくいところもありましたが、
触りつづけることにより、だんだんとアブラギリに愛着を持つようになってきました。
アブラギリの特徴
まずは、桐に似て軽いことです。
杉にくらべて、広葉樹は、一般的に重たくて硬い材ですが、
アブラギリは、広葉樹の中では、かなり軽い方だと思います。
軽いということは、加工途中、材料を持ったり、移動したりするのに楽。
機械や手道具(ノミ・カンナ)の刃物に通すときは、軽い・軟らかいので加工しやすい。
これは、刃物、機械への負担が少ないことになり、
つまり、それを使う(作業する)人にも負担が少ないということ。
以上が、愛着を持つようになった、理由だと思います。
ですが、実は、愛着を超えて、惚れ込むような特徴 もあるのです。
それが、焼き加工
アブラギリ 焼き加工
焼き加工については、杉材ですることが時々あります。
杉の場合、焼き杉というのがあり、昔から西日本では家の外壁なんかに利用されていました。
表面を炭化させるので、外壁が痛みにくく、メンテナンスフリーで、数十年も長持ちするそうです。
私が普段している、杉材での焼き加工は、表面を炭化させた後、金ブラシでゴシゴシと磨きます。
そうすると、柔らかい部分が落ち、硬い部分が残るので、黒っぽい 浮造り仕上 となります。
さて、アブラギリの場合はどうなるか?
早速やってみましょう
これは、機械のカンナ(自動カンナ)を通した、アブラギリの角材 ↓
私が焼き加工に使うのは、イワタニガスのクッキングバーナー
炎の強弱だけでなく、炎の形も、無段階調整できるタイプ
バーナーをかけて、真鍮製のたわしでゴシゴシしたところ ↓
惚れてしまうほど、驚くほど、黒くてきれい。
白と黒のコントラストが抜群。
杉ではこうはいきません。
つづいて、角をカンナがけで面取り ↓
明暗が、妙でうつくしい
そして、電動工具のトリマーに、テーブルエッジビットを取り付けて加工すると ↓
明暗 + グラデーション で さらに魅力的に!
アブラギリの最大の魅力発見
着色なしで、焼きと素地の自然色だけで、こんなに美しくなること!
今回の新商品開発で、スツール脚に採用。
カンナでの面取りバージョンと、トリマービット加工の二通りの脚を制作。
ボール盤で、下穴加工しているところ ↓
クランプで、スツール脚の組み立て ↓
次回 いよいよ最終回
レポート 6 では、完成写真を紹介します
アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ
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