福島木工家具店

製作した家具の紹介と日記

アブラギリ で 新商品開発 レポート 5

2020-10-28 22:54:34 | 製作記録

レポートも 5回目となりました。

 

アブラギリ材を毎日のように触っています。

最初は、初めて扱う材ということで、どことなく、とっつきにくいところもありましたが、

触りつづけることにより、だんだんとアブラギリに愛着を持つようになってきました。

 

 

アブラギリの特徴

 

まずは、桐に似て軽いことです。

杉にくらべて、広葉樹は、一般的に重たくて硬い材ですが、

アブラギリは、広葉樹の中では、かなり軽い方だと思います。

 

軽いということは、加工途中、材料を持ったり、移動したりするのに楽。

機械や手道具(ノミ・カンナ)の刃物に通すときは、軽い・軟らかいので加工しやすい。

 

これは、刃物、機械への負担が少ないことになり、

つまり、それを使う(作業する)人にも負担が少ないということ。

以上が、愛着を持つようになった、理由だと思います。

 

ですが、実は、愛着を超えて、惚れ込むような特徴 もあるのです。

それが、焼き加工

 

 

アブラギリ 焼き加工

 

焼き加工については、杉材ですることが時々あります。

杉の場合、焼き杉というのがあり、昔から西日本では家の外壁なんかに利用されていました。

表面を炭化させるので、外壁が痛みにくく、メンテナンスフリーで、数十年も長持ちするそうです。

 

私が普段している、杉材での焼き加工は、表面を炭化させた後、金ブラシでゴシゴシと磨きます。

そうすると、柔らかい部分が落ち、硬い部分が残るので、黒っぽい 浮造り仕上 となります。

 

さて、アブラギリの場合はどうなるか?

早速やってみましょう

 

これは、機械のカンナ(自動カンナ)を通した、アブラギリの角材 ↓

 

 

 

私が焼き加工に使うのは、イワタニガスのクッキングバーナー

炎の強弱だけでなく、炎の形も、無段階調整できるタイプ

 

バーナーをかけて、真鍮製のたわしでゴシゴシしたところ ↓

 

惚れてしまうほど、驚くほど、黒くてきれい。

白と黒のコントラストが抜群。

杉ではこうはいきません。

 

 

つづいて、角をカンナがけで面取り ↓

 

明暗が、妙でうつくしい

 

 

そして、電動工具のトリマーに、テーブルエッジビットを取り付けて加工すると ↓

 

明暗 + グラデーション で さらに魅力的に!

 

アブラギリの最大の魅力発見

着色なしで、焼きと素地の自然色だけで、こんなに美しくなること!

 

今回の新商品開発で、スツール脚に採用。

カンナでの面取りバージョンと、トリマービット加工の二通りの脚を制作。

 

 

ボール盤で、下穴加工しているところ ↓

 

 

 

クランプで、スツール脚の組み立て ↓

 

 

 

次回 いよいよ最終回

レポート 6 では、完成写真を紹介します

 

 


 

 

アブラギリで 新商品開発 レポート まとめ

レポート 1234 ・ 56

 

 


 

 

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