サイコロジスト101

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健康心理学、生理心理学、ストマネを学びましょう!

第27回生理心理学会

2009-05-17 08:31:09 | Weblog
同志社大学の田辺学舎で開催されています。

昨日の16日土曜日が初日。午前中ポスターが50編ほどにぎやかなこと。

午後はパネルディスカッション。

心裡学研究と工学技術の融合:次世代生理心理学の展開を考える

というもので、懐かしい人、若いかた、技術屋風のかたなど多士済々。

途中5分ほど休憩をはさんで3時間にもおよぶ長丁場。

はっきりいって、少しだれました。

テーマが広がりすぎていてまとまりが感じられなかったこと。

コーディネータの鈴木先生によると、議論沸騰のバトルを想定していたとのこと。

スピーカーのほぼ全員が、打ち合わせが直前だったので用意不十分だとか、用意したものを削りましたとか、いいわけが多すぎた。

某企業で20年前の国家プロ参加者の話が最も要領よく、分かりやすかったのは私の年のせいか。

いずれにしても、かなりメタな話だったわりに、どうまとめるのか?無理だろうな?でもなんとかしなくてはならないんだろう!

という内容でした。

生理心理学会27年の歴史を振り返ると、8年から10年の周期で、このようなシンポが企画されています。

そういえば、生理心理学はブームに強く影響されるようてす。

1980年代には、事象関連電位研究が主流で、精神科との共労がおもしろかった。

1990年代は、脳のマッピング技術が先端で生理心理学会の主流にはなれないまま通り過ぎました。

2000年に入る間際にようやく脳科学研究が導入されました。

そして最近は、免疫科学と内分泌学と健康心理の融合研究が流行。

ところが昨日のこのパネル。工学畑のかたの心理学、生理心理学への認識がまったくまちがっていました。

高齢者の脳研究と称する、脳トレだとか認知症予防訓練本が書店で売れているとのことですが、そうした研究を生理心理学と勘違いしていたかたが多いようです。

テレビマスコミで流行の脳科学は、生理心理学とは違いますよね。

日本の生理心理学会で研究発表のあるテーマの多くは未だに認知過程の解明研究ですが、脳血流やMRI・MEGを使った先端の研究はなかなか増えませんもの。

生理心理学のための新技術は、現場のニーズから生まれるとどなたががおっしゃっていました。これはなかなかの名台詞。

先端技術は、国防とか医学分野という大型国家予算が投入される分野で発達するもの。

その上にただのっかっても、新しい研究テーマや技術は生まれてはこないということでしょう。

ちなみに私は人間の感情・情緒・幸福感・笑いといった状態を言葉によらない体のサインで計測し(これを他覚的指標と私は呼びます)、ストレスマネジメント、快適環境づくり、心地よいもの作りの効果を評価したいとおもっています。

生理心理学の中でも、こうした領域は、応用生理心理学とでもいうのでしょうか。

今日は午前中ミニシンポ。ちょっとだけ顔を出しつつ、ポスターをしっかりみてきます。

感情測定に関する興味ある研究が多く発表されるからです。

では行ってきます。

2009/05/17記