サイコロジスト101

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健康心理学、生理心理学、ストマネを学びましょう!

Stern先生も橋を持ち上げました

2009-05-26 21:39:10 | Weblog
ミズーリー州セントルイス、ワシントン大学のジョン・A・スターン教授。

まばたき研究の第一人者で、人間工学分野における生理心理学的研究の権威であります。

御年80になんなんとするこの先生、未だに現役教授として大学内にラボをおもちです。

スタッフも雇い、すばらしい仕事を続けておられます。

なんとこの先生も、ミシシッピー川にかかるセントルイスの橋を下から支えている写真を撮って欲しいというので撮りました。

大学の私のG5マックの壁紙は実はこの写真です。

すてきな先生でしょ。

この先生と20年前に出会えたから、私は未だにまばたきの研究が続けられているのだとおもいます。

時は1989年10月。

サンフランシスコ経由でセントルイス-ニューオリンズの学会に出席。

このスターン先生からのお誘いがあって、シンポジウムで日本のまばたき研究を紹介したことにはじまるのです。

A selected review of eyeblink research in Japan.

なつかしいタイトルです。

シンポのタイトルは、「心理生理学と医学におけるまばたき」 Symposium "Eyeblinks in Psychophysiology and Medicine",

心理生理学会(Society for Psychop hysiological Research:SPR)の29回大会。

10月18日から22日まで開催というので、17日にサンフランシスコ空港をたってセントルイスに向かった直後に、サンフランシスコ大地震発生。ベイブリッジがおちる大被害。しばらく空港閉鎖。

思い出します。今年が20周年ですね。

シンポジウムでは、スライドの操作までやってくださるは、聞き取りづらい英語での質問を分かりやすく言い直してくださるは、とってもフレンドリー。

ドイツ出身のスターン先生。私に、自分の英語にドイツ語なまりはないかと尋ねて私の日本なまりの英語を見過ごしてくださいました。

そのスターン先生がこれだけおちゃめな方だと知るのは、21世紀に入ってからです。

いや、アメリカはすごい国だとつくづくおもった次第です。

2009/5/26記




2009年5月25日心理学概論「心のモデル」2

2009-05-26 09:43:15 | Weblog
新型インフルによる休校のため、2週間ぶりの授業となりました。

「心のモデル」というメタな話の続きでした。

まず、前回時間がなくて言い残した、フロイトの無意識についての考え方について追加をしました。

トラウマという言葉は元来、外傷の意味。それをフロイトが心の傷という意味で使い始めました。

なにが心の傷になるのか、そんな話から、新型インフルの感染者にもある、震災被災者や鉄道事故被害者にもあるといいましたね。

そして今回のモデルは、生物モデル。

動機づけモデルともいいますが、生きるために環境に適応する動物を心のモデルとするはなし。

動機(motivation)という概念は、長く行動理論の基礎としてとらえられています。

近年経済学者たちが、インセンティブという概念を動機と訳す向きもあるのですが、実はインセンティブは誘因と心理ではいいますね。少し注意しておきましょう。

動機は目標に向けて行動を駆り立てるのですが、なんらかのじゃまが入って目標にたどり着くとは限らない。

動機=欲求が不満足の状態となるとき、欲求不満と呼ぶのですが、誰だって、何時だって私たちは欲求不満ですよね。

完全に満足している人ってなかなかいないんじゃないでしょうか。そんな話をしました。

来週から勉強する3章「学習」でも、この動機づけモデルが出てきます。

教科書をよく下調べしておいてください。

授業ではパワーポイントをつかって、みなさんの思考の流れをリードします。

スクリーンに写ったものをすべてノートに写そうとするとたいへんです。

たいがいのスライド情報はこのblogで公開するので、ノートには自分で重要だとおもったことをメモするように慣れていってください。

最後のほうで、心を情報処理装置=コンピュータになぞらえる認知心理学のモデルを紹介しました。

時間があまりなかったので、理解が不十分な人もいたかもしれませんが、「感覚・知覚」と「記憶」を学ぶときにまた紹介しますので、とりあえず教科書2章3節を読んでおいてください。

では、来週は学習。3章を予習しておいてください!

2009/05/26・記