少数派シリーズ/政治情勢
与良政談★森会長辞任にあたり・森氏をありがたがってきた人々の罪も大きい
毎日新聞の夕刊、「熱血!与良政談」というコラムからの記事をご紹介します。
コラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。
◆2000年・森首相の「神の国発言(失言)」あれから何も変わっていない
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が首相だった約1年間、私は政治部の官邸キャップ(責任者)だった。森内閣発足直後の2000年5月、森氏が「日本は天皇を中心とした神の国」と発言した際には、こんな署名記事を書いた。「首相が大日本帝国憲法の精神論を持ち込もうと考えていることは疑いがない」 「今回の発言は首相のかねての持論だった。メディアから批判を浴びた首相は陳謝の意向を表明したものの『なぜ、問題にされなくてはならないのか』という心境ではないか」。あれから何も変わっていないことに深いため息をつく。
今回の女性蔑視発言も同じ。要するに森氏にとっては戦前の家父長制が望ましく、「女性は男性に従って家を守るのが務めだ。会議で女性が生意気を言うな」とこの人は言いたいのだ。発言がいかに時代錯誤かは多くの人が指摘している通り。ただし、もう一つ深刻な問題がある。組織委内部をはじめ、森氏の会長続投を望む声が出ていることだ。菅義偉首相は組織委任せ。自民党の世耕弘成参院幹事長は「余人をもって代えがたい。森氏以外に誰か五輪開催を推進できる方はいるのだろうか」とまで語った。
そもそも、なぜ「森会長」だったのだろう。調整型で、政界とスポーツ界双方に人脈がある。東京五輪招致を進めた安倍晋三前首相とは元々、同じ派閥。森内閣の官房副長官に起用された安倍氏は、森氏に恩義を感じていたから……等々。理由はそれだけではない。新国立競技場の設計でもめていた頃、組織委の幹部がこう話していると聞いたことがある。「トラブルがあっても『全て森さんが悪い』で済ませられる。組織として、こんなにありがたい人はいない」。
つまり不満のはけ口。実際、今回の多くの報道も「森たたき」だけに終始している気がする。仮に五輪がうまくいかなければ、政府や組織委は「あの森発言がまずかった」と言い出すのではないか。女性の議員が少ない。選択的夫婦別姓議論もなかなか進まない。今度の発言にはそんな「日本政治の今」が凝縮されている。そう認識すべきだと思う。会長辞任は当然だが、森氏をありがたがってきた人々の罪も大きいのである。
投稿者の文章/あまり政治に関心のない方は、今回の女性蔑視発言に驚いたかもしれない。しかし投稿者は少なくとも30年前から、この人物は全く成長も反省もしてこなかったことを知っている。またか!相変わらず!の感じ。女性問題だけではなく、問題は自民党の中堅から長老に至るまで戦前思想・右翼思想が沁み込んでいることを知って欲しい。森氏を始め安倍・菅首相に代わろうとも、こうした思想の下に政治が行われている事実を。
与良政談★森会長辞任にあたり・森氏をありがたがってきた人々の罪も大きい
毎日新聞の夕刊、「熱血!与良政談」というコラムからの記事をご紹介します。
コラムの中で、痛烈な批判をしています。ぜひお読み下さい。
*タイトル付け、文章の省略化、補足は投稿者によるものです。
◆2000年・森首相の「神の国発言(失言)」あれから何も変わっていない
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長が首相だった約1年間、私は政治部の官邸キャップ(責任者)だった。森内閣発足直後の2000年5月、森氏が「日本は天皇を中心とした神の国」と発言した際には、こんな署名記事を書いた。「首相が大日本帝国憲法の精神論を持ち込もうと考えていることは疑いがない」 「今回の発言は首相のかねての持論だった。メディアから批判を浴びた首相は陳謝の意向を表明したものの『なぜ、問題にされなくてはならないのか』という心境ではないか」。あれから何も変わっていないことに深いため息をつく。
今回の女性蔑視発言も同じ。要するに森氏にとっては戦前の家父長制が望ましく、「女性は男性に従って家を守るのが務めだ。会議で女性が生意気を言うな」とこの人は言いたいのだ。発言がいかに時代錯誤かは多くの人が指摘している通り。ただし、もう一つ深刻な問題がある。組織委内部をはじめ、森氏の会長続投を望む声が出ていることだ。菅義偉首相は組織委任せ。自民党の世耕弘成参院幹事長は「余人をもって代えがたい。森氏以外に誰か五輪開催を推進できる方はいるのだろうか」とまで語った。
そもそも、なぜ「森会長」だったのだろう。調整型で、政界とスポーツ界双方に人脈がある。東京五輪招致を進めた安倍晋三前首相とは元々、同じ派閥。森内閣の官房副長官に起用された安倍氏は、森氏に恩義を感じていたから……等々。理由はそれだけではない。新国立競技場の設計でもめていた頃、組織委の幹部がこう話していると聞いたことがある。「トラブルがあっても『全て森さんが悪い』で済ませられる。組織として、こんなにありがたい人はいない」。
つまり不満のはけ口。実際、今回の多くの報道も「森たたき」だけに終始している気がする。仮に五輪がうまくいかなければ、政府や組織委は「あの森発言がまずかった」と言い出すのではないか。女性の議員が少ない。選択的夫婦別姓議論もなかなか進まない。今度の発言にはそんな「日本政治の今」が凝縮されている。そう認識すべきだと思う。会長辞任は当然だが、森氏をありがたがってきた人々の罪も大きいのである。
投稿者の文章/あまり政治に関心のない方は、今回の女性蔑視発言に驚いたかもしれない。しかし投稿者は少なくとも30年前から、この人物は全く成長も反省もしてこなかったことを知っている。またか!相変わらず!の感じ。女性問題だけではなく、問題は自民党の中堅から長老に至るまで戦前思想・右翼思想が沁み込んでいることを知って欲しい。森氏を始め安倍・菅首相に代わろうとも、こうした思想の下に政治が行われている事実を。