少数派シリーズ/政治情勢
国葬7|自民党村上誠一郎議員「なぜ安倍氏だけ国葬?」「安倍氏を称賛するだけでいいのか」
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■独断専行で国葬を実施すれば世論のさらなる分断を招くのではないかと懸念
毎日新聞(抜粋)/「称賛するだけでいいのか」。凶弾に倒れた安倍晋三元首相の死を悼みつつ、安倍政権の功罪は冷静に評価すべきだ。そうした声を耳にする機会が増えた。自民党内はどうなのだろう。安倍氏の政策に問題提起をすることが多かった村上誠一郎・元行政改革担当相(70)を訪ねると、沈鬱な表情で語り始めた。「政治家は歴史の法廷で裁かれることでのみ評価される」。中曽根康弘元首相の言葉だ。振り返れば村上氏は、中曽根氏の内閣・自民党合同葬(20年10月)に際して「中曽根さんは公費支出を望んでおられないのでは」と述べたことがある。安倍氏の国葬で費用が全額国費負担となる点について問うと、「安倍さんも望まないと思いますよ」。財政の危機的状態を認識していたはずだから、と言うのである。「今回は非常にお気の毒な亡くなり方をされたから、非業の死を遂げた方を弔うのは自分としても感情的には理解できる。ただ、判断の明確な基準が必要です。例えば佐藤栄作さんや中曽根さん、おじいさまの岸信介さんも国葬ではなかった。なぜ安倍さんだけ国葬なのかというと、なかなか説明が難しい」。
岸田文雄首相が国葬で葬儀委員長を務めれば党内外の保守派の支持を得られる、弔問外交で存在感を示せるといった見方も確かにある。だが、村上氏は「時の政権の恣意(しい)的なやり方だとの批判を免れない。もう少し腰を据えて幅広く考えるべきだったのではないか」。独断専行で国葬を実施すれば、世論のさらなる分断を招くのではないかと懸念しているようだ。村上氏は卑劣な銃撃事件を断固として許さないと語気を強めながらも、今こそ安倍政治を冷静に総括して日本を再出発させるべく自民党が動く時だと説く。「解釈改憲で集団的自衛権の行使を容認して立憲主義を否定し、そんたくするイエスマンばかりを登用する縁故人事がはびこり、財政・金融・外交が非常に厳しい状況になった。自由闊達(かったつ)な議論ができる本来の自民党に戻すべきです」。なかなかに手厳しい評価である。
アベノミクスを支え続ける日銀について「政府の子会社」と安倍氏が発言した一件も引っかかっているようだ。評論家の佐高信氏は「それなら岸田政権は安倍政権の子会社か」と批判した。村上氏も違和感を禁じ得ないらしい。党内は「安倍さんの遺志を尊重して憲法改正を」などと盛り上がっているが、「一国の首相には信念や哲学が必要です。アベノミクスも是は是、非は非として、岸田さんは金融緩和の出口戦略など、喫緊の課題に真剣に取り組まなければならないと思います。亡くなった方のご冥福を祈り、事件の再発を防ぐことと、政策論争は全く別の次元の問題です。合理的な政治が行われなくなって被害を受けるのは国民ですから」。
■投稿者の文章|安倍氏は政策実績・人格的に国葬に値しない、だから「国葬反対」が大幅に上回る
是々非々もなく自分の信念もなく、何でも利用しようとする”お調子者”が多い自民党議員の中にも、しっかり物事を考える先生もいる。「なぜ安倍さんだけ国葬なのか」~誰が考えても説明がつかない。投稿者は佐藤栄作政治や中曽根康弘政治の中で生きてきた国民の一人で、彼等も酷かったが安倍晋三政治ほど悪政・民主主義を壊した首相はいない。同じように国民も感じているから、国葬で国民が二分するどころか「国葬反対」が大幅に上回っている。そもそも、政策実績・人格的に国葬に値しない。自民党は、「コクソーとカクソー」に躍起となっている。ダジャレで、国葬と”隠そう”(統一教会)のこと。統一教会の連載で書いたが、安倍首相は首相在任中に、自ら統一教会の組織票を特定の立候補者に差し向けるよう、直々に統一教会に指示していたのだ。岸田首相は国葬の理由を「8年8か月の首相最長」を挙げているが、皮肉屋の投稿者は「統一教会の全面協力による選挙大勝に守られて~」の冠を付けたい。野党や野党を押す国民が強ければ、今頃、統一教会問題の責任を取り、岸田内閣総辞職の羽目に陥っていたはずだ。後世、”安倍国葬”は時の政府・岸田首相の汚点として刻まれるだろう。 追記9.21/村上氏は、国葬欠席を表明しました。
次号/国葬8|国葬の本当の経費は何と「100億円」岸田首相は国民を騙し安倍氏にへつらう
前号/国葬6|高千穂大・五野井郁夫教授「安部首相は日本の名誉となったことがあるのか」
国葬7|自民党村上誠一郎議員「なぜ安倍氏だけ国葬?」「安倍氏を称賛するだけでいいのか」
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■独断専行で国葬を実施すれば世論のさらなる分断を招くのではないかと懸念
毎日新聞(抜粋)/「称賛するだけでいいのか」。凶弾に倒れた安倍晋三元首相の死を悼みつつ、安倍政権の功罪は冷静に評価すべきだ。そうした声を耳にする機会が増えた。自民党内はどうなのだろう。安倍氏の政策に問題提起をすることが多かった村上誠一郎・元行政改革担当相(70)を訪ねると、沈鬱な表情で語り始めた。「政治家は歴史の法廷で裁かれることでのみ評価される」。中曽根康弘元首相の言葉だ。振り返れば村上氏は、中曽根氏の内閣・自民党合同葬(20年10月)に際して「中曽根さんは公費支出を望んでおられないのでは」と述べたことがある。安倍氏の国葬で費用が全額国費負担となる点について問うと、「安倍さんも望まないと思いますよ」。財政の危機的状態を認識していたはずだから、と言うのである。「今回は非常にお気の毒な亡くなり方をされたから、非業の死を遂げた方を弔うのは自分としても感情的には理解できる。ただ、判断の明確な基準が必要です。例えば佐藤栄作さんや中曽根さん、おじいさまの岸信介さんも国葬ではなかった。なぜ安倍さんだけ国葬なのかというと、なかなか説明が難しい」。
岸田文雄首相が国葬で葬儀委員長を務めれば党内外の保守派の支持を得られる、弔問外交で存在感を示せるといった見方も確かにある。だが、村上氏は「時の政権の恣意(しい)的なやり方だとの批判を免れない。もう少し腰を据えて幅広く考えるべきだったのではないか」。独断専行で国葬を実施すれば、世論のさらなる分断を招くのではないかと懸念しているようだ。村上氏は卑劣な銃撃事件を断固として許さないと語気を強めながらも、今こそ安倍政治を冷静に総括して日本を再出発させるべく自民党が動く時だと説く。「解釈改憲で集団的自衛権の行使を容認して立憲主義を否定し、そんたくするイエスマンばかりを登用する縁故人事がはびこり、財政・金融・外交が非常に厳しい状況になった。自由闊達(かったつ)な議論ができる本来の自民党に戻すべきです」。なかなかに手厳しい評価である。
アベノミクスを支え続ける日銀について「政府の子会社」と安倍氏が発言した一件も引っかかっているようだ。評論家の佐高信氏は「それなら岸田政権は安倍政権の子会社か」と批判した。村上氏も違和感を禁じ得ないらしい。党内は「安倍さんの遺志を尊重して憲法改正を」などと盛り上がっているが、「一国の首相には信念や哲学が必要です。アベノミクスも是は是、非は非として、岸田さんは金融緩和の出口戦略など、喫緊の課題に真剣に取り組まなければならないと思います。亡くなった方のご冥福を祈り、事件の再発を防ぐことと、政策論争は全く別の次元の問題です。合理的な政治が行われなくなって被害を受けるのは国民ですから」。
■投稿者の文章|安倍氏は政策実績・人格的に国葬に値しない、だから「国葬反対」が大幅に上回る
是々非々もなく自分の信念もなく、何でも利用しようとする”お調子者”が多い自民党議員の中にも、しっかり物事を考える先生もいる。「なぜ安倍さんだけ国葬なのか」~誰が考えても説明がつかない。投稿者は佐藤栄作政治や中曽根康弘政治の中で生きてきた国民の一人で、彼等も酷かったが安倍晋三政治ほど悪政・民主主義を壊した首相はいない。同じように国民も感じているから、国葬で国民が二分するどころか「国葬反対」が大幅に上回っている。そもそも、政策実績・人格的に国葬に値しない。自民党は、「コクソーとカクソー」に躍起となっている。ダジャレで、国葬と”隠そう”(統一教会)のこと。統一教会の連載で書いたが、安倍首相は首相在任中に、自ら統一教会の組織票を特定の立候補者に差し向けるよう、直々に統一教会に指示していたのだ。岸田首相は国葬の理由を「8年8か月の首相最長」を挙げているが、皮肉屋の投稿者は「統一教会の全面協力による選挙大勝に守られて~」の冠を付けたい。野党や野党を押す国民が強ければ、今頃、統一教会問題の責任を取り、岸田内閣総辞職の羽目に陥っていたはずだ。後世、”安倍国葬”は時の政府・岸田首相の汚点として刻まれるだろう。 追記9.21/村上氏は、国葬欠席を表明しました。
次号/国葬8|国葬の本当の経費は何と「100億円」岸田首相は国民を騙し安倍氏にへつらう
前号/国葬6|高千穂大・五野井郁夫教授「安部首相は日本の名誉となったことがあるのか」