偽装魚の実態シリーズ 魚卵の偽装 子持ち昆布・子持ち若布(わかめ)
偽装魚卵名 カペリンの魚卵
子持ち昆布の魚卵は数の子ではなくはカぺリンと昆布を人工結着
魚の営みからできたものではなく商売人が作った偽装子持ち昆布
■本物の子持ち昆布でもあのツブツブは昆布の胞子ではない
子持ち昆布の呼び名から、本物の子持ち昆布や子持ち若布に付いている黄色いツブツブを、昆布の“胞子”と思っている方が多いようです。鰊(にしん)が、卵を産み付けたものです。本当なら、この魚卵は数の子と同じものです。
子持ち昆布は極めて貴重品なので回転寿司や居酒屋のものは、当然、ニセモノです。普通の昆布に、柳葉魚(ししゃも)の偽装魚であるカぺリンの魚卵を食品添加物の結着剤でくっつけた人工品です。
カぺリンは、北太平洋北部・北大西洋北部で獲れます。その魚卵をバラバラに解(ほぐ)して、黄色の着色剤や糊料、増粘剤で結着させます。余分な手間や不衛生な工程を経て人工的に作るため、業者に対してそこまでして商売をしたいのか?と思います。
なおカぺリンの魚卵は子持ち若布の他に、鱈子(たらこ)のおにぎり・数の子・飛びっ子などにも偽装されるのです。鄙(ひな)びた場所で出される子持ち鮎(あゆ)も、普通の鮎の腹に注射器でカぺリンの魚卵を注入するものもあります。とにかく魚卵製品は、インチキが多いと思って下さい。
■本物・子持ち昆布のミニ情報/本物でも人工的な仕掛けをして獲る
本物の子持ち昆布は鰊が卵を産み付けたものといっても、中々獲れないため一定の“仕掛け”をします。鰊の産卵時期を狙って魚群の通り道に、数十mほどの養殖筏(いかだ)のようなものを、いくつも海中に浮かべます。
そこに昆布を垂らして2~3日経つと、昆布にびっしりと“数の子”が付着し、その状態で引き揚げます。鰊は、昆布などの海中物に付着させて産卵する性質があるからです。自然の産卵といっても、多く獲るには人間が絡んだ人工的な策を必要としています。
今や北海道では少なく、ほとんどがアラスカやカナダ西岸の沖合いに仕掛けをして、獲れたものを輸入します。それでも市場では、ほんの僅かな量です。
回転寿司店を始め激安居酒屋・弁当チェーン・ファストフード店・惣菜店など
の安さの秘密は、こういう魚やネタを使っているからです。
偽装魚とは、本物魚の味や食感に似た外国の別種魚や深海魚のことです。