魚を大事にしない日本人シリーズ R6-4
ROUND6 頼みのツナ(マグロのプロフィール・枯渇防止)
クロマグロ・ミナミマグロは時速160km以上の高速で泳ぐことが可能
大間崎の碑
このROUNDは、マグロの生態や枯渇防止の説明をしております
マグロの生態や驚くべき機能について、4回に渡りご案内します。マグロが泳ぐスピードは、体が大きいクロマグロやミナミマグロは、力学的な計算によると時速160~180kmもの高速で泳げることが可能だとも言われています。しかし実際の外洋では、時速80~100kmぐらいが有力な説です。それも外敵から逃れる時や餌を捕捉する時など、瞬間の最高スピードです。普段は20~30kmぐらいの速度で、大海原を回遊します。
最初は、呼吸と鰓(えら)について説明します。マグロは、常に泳ぎ続けなければ呼吸ができません。そのため、少し口を開けて泳ぎます。そうすることによって、常に口から鰓に新鮮な海水が流れ込み、鰓の内側から水を排出します。鰓を動かさなくても、呼吸ができるのです。この仕組みは、マグロが進化の過程で生活(生息)の場を外洋に求めたことと深い関係があります。一生泳ぎ続けなければならない、回遊魚で得た機能なのでしょう。
マグロは長い距離・時間を泳ぐ必要から、上手く酸素を吸収できるように進化したのです。一般の魚のように鰓蓋(えらぶた)をパクパクと動かしていては、遊泳の際に抵抗が発生してしまいます。またマグロは他の魚より多くの酸素を必要とし、そのため鰓は水中の酸素を取り込む効率が高いことが分かっています。マグロは、体形・鰭(ひれ)の形状も外洋に適した形に進化しました。それらは次回以降で、私達が知らないマグロの生態をお話致します。