食品のカラクリシリーズ 梅干/野菜
調味梅干はそのままでは腐るので保存料がたっぷり入っている
減塩ブームが災いして本末転倒の梅干の製造方法がまかり通る
食品区分はマイブログ独自のものです
■蜂蜜・マンゴー、食品添加物で味付けした調味梅干が主流に
塩と紫蘇(しそ)の葉だけで作る伝統的な「梅干」は、疲労回復・食欲増進・整腸の他に、食品の防腐などの効用があります。梅の重量に対し、20%前後の塩を使います。塩は味付けの他に、保存や色落ち防止、食感を保つ役割を持っています。しかし梅干が身体に良いと言われたのは、過去の話です。塩分の摂り過ぎが高血圧の原因と言われ、減塩ブームから“怪しい?作り方の「調味梅干」に置き換えられてしまいました。
昔ながらの梅干のシェアはたった数%程度で、残りは調味梅干と呼ばれるものです。調味梅干とは、塩漬けした梅を流水で脱塩し、後から味付けしたものを指します。JAS法には、はっきり両者の区分がされています。塩分3~5%の低塩(減塩)の調味梅干は、一見、健康そうに思えても食品添加物ばかりです。防腐・殺菌を旨とする梅干も調味梅干の塩分量では、製造段階でカビが発生し腐敗防止のためにアルコールに漬けてあるのです。
味覚が劣る分を、蜂蜜やリンゴ酢・マンゴーなどの甘みでカバーし、カツオなどを塗します。しかし味付けの主体は化学調味料、保存料のソルビン酸、色落ち防止は酸化防止剤、酸味は酸味料で補うのです。調味梅干の味・風味全体が、まるまる食品添加物の作用です。
■こんな梅干を食べても暑くてきつい夏は乗り切れぬ
調味梅干の梅は、一度、梅焼酎の製造に使われた“リサイクル梅”を使っていることが多いのです。質の悪い梅の上に、さらに“二番煎じ”の梅では旨みが出るはずもありません。中国で塩漬けされた梅を輸入していましたが、現在では現地で全て製品化した、より安い梅干も出回っています。
甘草やステビア・サッカリンなどの甘味料を使い、化学調味料の味の素(グルタミン酸ナトリウム)や、かつおエキス・たんぱく加水分解物などで味を補います。当然、合成着色料を2・3種類使い、見栄えを出すのです。梅干の香りは、食品添加物の香料です。こんな梅では、疲労回復や動脈硬化の防止は期待できません。梅干の形をした、食品添加物の塊です。調味梅干では、毎年のきつい夏は乗り切れません。
本当の作り方をする良識ある梅干生産者は、塩分20%でも1日1個なら塩分の摂り過ぎにならずに、健康維持に貢献できると言います。何事にも、“塩梅(あんばい)”が必要です。伝統的な梅干を食べれば、食品添加物は必要なく健康的です。残念ながら良質の梅干は高く、入手しにくいのが現状です。塩分制限されている方以外は、調味梅干は避けるべきです。手間が掛かっても、お年寄りのように自分で漬けたらと思います。
市販の漬物は発ガン性やアレルギーを伴う大量の化学物質漬け
低塩漬物は却って塩分を摂り過ぎてしまう落し穴