月刊パントマイムファン編集部電子支局

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アーティストリレー日記(135)髙橋尚己さん

2022-09-25 08:34:36 | アーティストリレー日記

今回は、本メルマガ初登場となる「パントマイムスタジオ新空間」の若手パントマイミスト、髙橋尚己(たかはしなおき)さんの日記をお届けします。

「パントマイムスタジオ新空間」所属の髙橋尚己と申します。
師匠である山田とうしさんをはじめ、マイム界の大先輩が執筆されてきた中に、私の書いたこのテキストが投げ込まれるのだと思うと、緊張と不安でキーボードを叩く手が震えます。

私がパントマイムと出会ったのは17歳の頃。体育会系の部活を高校1年生の夏に華々しく引退(早期退部)し、怠惰な生活を送っていた私は、ある日突然、不摂生が原因と思われる脳貧血でぶっ倒れます。

「あなた、少しは運動をしなさい」

医者が中年男性にかけるような言葉を、思春期真っ盛りの私に言う母。「運動っていってもなぁ…」と思いつつ、その時ふと頭に浮かんだのがパントマイムでした。

なぜパントマイムなのか、それは「なんとなくやってみたかったから」これにつきます。特別な理由もありません。今思い返すと、それが良かったのかなと思います。

だって13年経った今も、自分がパントマイムを好きな理由なんて説明できないのですから。あっはっは。

さて、新空間の門を叩いた当時高校生の私を待っていたのは、「シアターパントマイム」の世界でした。それは大道芸のパフォーマンスとは全く異なる、摩訶不思議な舞台。

なかでも原体験として強烈に記憶に残っているのは、とうしさんの作品「ラーメンラプソディー」の初演を見たときのこと。言葉が無いのに伝わる物語、感情、人の生き様、そこに全てが詰まっていました。

「これ、やりたいなぁ」と、劇場の暗い舞台袖から必死で目に焼き付けたのをよく覚えています。

そうして13年。自分が出来ること、出来ないこと、自分にしか出来ないこと(あったらいいな)を考えながら、途中7年という大きすぎるブランクを挟みつつも、マイペースにマイム作品を作ってきました。

表現とは、誰のためでもなく、自分のためにやるもの。どこまでも自分本位です。しかし、その延長で、私の作品を見て誰かが楽しい時を過ごせたら、それはきっと自分の人生にとってかけがえのない瞬間になるはず。

そんな瞬間を、私はこれから何回掴むことができるのでしょうか。

ちょっとカッコつけた文章を書いているのは、これが宣伝を兼ねているからです。

さあさあ、お立ち会い!

10月15日(土)・16日(日)に、髙橋は舞台に上がります。

ここに揃いたるは、髙橋を含めた4者4様の出演者。出自も年齢も性別も、生まれた国すらも(?)、何もかも異なる4人が、自分と向き合い、それぞれの日々を費やしたソロ作品を携えて舞台に上がります。

皆々様のご来場、心よりお待ちしております。

「パントマイム ギャラリー2022 フレッシャーズ版」
日時
10月15日(土)19:00
10月16日(日)13:00/17:00
※開場は開演の30分前

劇場
スタジオエヴァ(新大久保)

出演者
ALISA WATANABE(山本光洋マイムクラス)
片岡寛樹(清水きよしマイムワークス)
高橋尚己(新空間)
黄貴成(TOKYOマイムカレッジ)

詳細
特設サイト https://pantomimegallery2022.jimdofree.com/

髙橋尚己


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