気分はガルパン、、ゆるキャン△

「パンツァー・リート」の次は「SHINY DAYS」や「ふゆびより」を聴いて元気を貰います

ゆるキャンから始めたNゲージ その2  手元にあったNゲージ車輌

2023年06月18日 | ゆるキャン△

 Nゲージについて知りたくなったので、ちょっと話だけでも聞きたい、との電話での私からの問いかけに、川本氏は「そういうことなら、明日か明後日にそっちへお邪魔する」と応じた。

「え、家に来るのか?」
「そっちにトミックスのゆるキャン車輌あるんやろ、それを教材にして話したほうが分かり易いと思うんやが」
「あ、そういうことか。なら、来てくれ。明日か明後日のどっちになるか?」
「多分明後日やな」

 その明後日にあたる5月31日の夕方、川本氏が退勤後そのまま拙宅に直行で訪れた。嫁さんが夕食を一緒にどうぞと言うてるよ、と誘ってあったので、きっかり18時に玄関のチャイムが鳴らされた。時間厳守は鉄道マニアの基本鉄則であるらしい。
 だが、出迎えた嫁さんに「お久し振りですな長澤さ・・・、あっ済みません・・・しっ、失礼しましたッ」と旧姓で呼びかけてしまって狼狽しているあたりには、氏の素朴な人柄がそのまま表れている、と思った。

 

 夕食を楽しんだ後、時間が限られてるからということで川本氏が早速Nゲージについて簡単な情報を語り出した。私がテーブルの上に置いた上図のゆるキャン車輌を、「うん、ええ製品やな。俺も欲しくなってきたな」としばらく手にとって眺めた後、ここに動力つまりモーターが入ってて、レールからの電気を車輪を通して受けて回る、同時に前と後ろのライトが光る、と具体的に指さして教えながら、分かり易く話してくれた。
 さらにメモ用紙を開いて、赤と黒のボールペンでNゲージにおける電気図を書き、具体的にどう電気が流れて車輌が走るのかを説明してくれた。

 なので、私だけでなく、嫁さんも一緒に真剣に聞いていた。それに元気を得たのか、川本氏の語りは次第に熱気をおびてきて、いつもの川本節が炸裂していった。嫁さんはもともとサークル交流仲間の一員として以前から川本氏とも面識があったため、質問も普通にしていたが、川本氏は全てに真面目に答えていて、いちいち細かく余計なほどの注釈を加えるのであった。

 

 続いて本棚に飾ってある上図のガルパン車輌も見せると、「ああ、これもNゲージやな。ガルパンの聖地巡礼の記念品なのか」と訊いてきた。まあ、そんなものだ、と答えると「これは飾るだけになるな。モーターが付いとらんから自力で走ることは出来ない」と説明してきた。

 川本氏の話によれば、このガルパンのラッピング車輌はNゲージにおいても1号車から4号車までが出ているそうで、それ以前に鹿島臨海鉄道の通常型が2両編成で旧塗装と新塗装の2種類のバージョンで出ている、そちらにはモーター付きの車輌が付くので自走も可能である、ということであった。

 

 続いて上図の車輌ケースを示すと、川本氏は驚いた表情になって、ケースと私の顔を何度も見比べていた。

「なんでホッさんが、グリーンマックスの近鉄16000系を持ってるわけ?・・・しかも昭和40年代の吉野線の花形特急をよ・・・、これ、俺たちの世代の近鉄のスターやったんで・・・」
「それぐらい知ってるよ・・・、何度か吉野行きのこれに乗ったもんな。・・・実は、ゆるキャン聖地巡礼一回目で大井川鐡道の利用やったときに、この実物に久し振りに乗ったんよ。で、千頭駅の売店でその模型が売ってたので、記念に買うたのよ」
「そうか、近鉄吉野特急の初期編成の譲渡分はまだ大井川鐡道で現役なのか。・・・・あれ、待てよ、最近に南海の6000系に置き換えるって話を聞いたけどなあ・・・」
「川さんは流石によく知ってるな、その通りなんや、南海の新型車輌を、6000系をこの前、新金谷駅の車両区で見てきたんよ。でもまだ営業運転には入ってない、言うてた。近鉄の16000系がまだ引退してなくて、そっちも新金谷駅の車両区で見てきた」
「なるほど、そういうことか」

「でもさ、最近は東急電鉄の7200系が走ってるんで、近鉄のは見ていない。もう本当に引退して廃車になっちまうのかなあ」
「それはしょうがねえやん、昭和41年から登場して生産された車輌なんで、俺らと同じで60代に近いんや。老朽化はとどめようがないからいずれは廃車になるんやで」
「でもさ、ゆるキャンに出てくる車輌なんで、せめてアニメ3期スタートまでは現役でいて欲しいなあ」
「難しいところやな。大井川鐡道さんにその気があるんなら、もう1編成を代わりに近鉄から譲渡して貰えればええんやないか・・・」
「え?もう1編成が近鉄にあるんか・・・?」
「俺の情報によれば、2両の編成は確かあと2本がまだ現役の筈。現時点ではたぶん古市検車区に配属されてると思うが、その前の廃車分は2013年に解体されとるから、ちょっと長くもってる感じやな。そろそろ廃車になるかもな。そしたらそれを大井川鐡道に譲渡して、今の編成と置き換えるという手がある。実現するか否かは別やけどな・・・」
「なるほど・・・」

 

 で、ケースを開いて中の近鉄16000系吉野特急の編成を楽しそうに眺め、「これもいいなあ、俺も買おうかな」と呟く川本氏であった。

 私自身は、昔の橿原神宮前駅や吉野駅で見た時の記憶よりも、大井川鐡道の聖地巡礼で乗った車輌、というイメージと思い出のほうが今では強くなっているので、この模型を見ても、まず思い出されるのが金谷駅や千頭駅の景色であった。そのことを話すと、川本氏は「そんならホッさん得意のプラモで、金谷駅や千頭駅を再現してさ、この近鉄特急走らせたら、ゆるキャンの聖地巡礼とかの雰囲気にひたれるんと違うか?」と笑いながら言った。

 あ、なるほどな、そういう楽しみ方もあるか、と気付いた。金谷駅は簡素な造りだから再現出来るだろうけれど、千頭駅は引き込み線や転車台や車両基地がある大規模な駅なので、再現は難しそうだな、と思った。それを察したかのように、川本氏が「千頭駅ってさあ、Nゲージで再現しようと思ったらどえらい金と手間と場所が要るのよなあ」とボヤキ気味に言った。

 そういえば、一昨日の満亭での夕食時にも、「大井川鐡道を仮にNゲージで楽しむとしたらさ、これものすごく大変なんやぞ、車輌をNゲージで揃えるのだけでもめっちゃ苦労する。いまはもう廃番になってて中古やネットオクでしか入手出来ひんものが殆どや。線路や駅ともなれば、それ以上の手間と費用がかかるんや。むしろ、天竜浜名湖鉄道のほうが楽かもしれん。車輌も3輌しかないから・・・」などと話していた川本氏であった。

 総じて、ゆるキャンに登場している大井川鐡道、天竜浜名湖鉄道の二路線は、いずれも鉄道マニアの最高ランクの聖地であり、鉄道模型のほうでもその世界観を再現して楽しむという選択肢があるという。天竜浜名湖鉄道のほうはNゲージでは車輌が2種類しかないので、すぐに揃えて楽しめるだろうが、大井川鐡道のほうは蒸気機関車や昭和の客車も多いため、なかなか一筋縄ではいかない、ということのようである。換言すれば、趣味としては長く深く楽しめる対象である、ということになるだろうか。

 私自身は、上図の近鉄16000系1編成をゆるキャンの聖地巡礼記念に買って飾っているだけだから、これを走らせるという発想すらも、今までは全く持ち合わせていなかったのである。  (続く)

 

コメント
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