2012.09.01(土)
ワタシにとっては長い道のりだった
四国八十八ヶ所巡りの歩き遍路
始まりは、なんとなく興味が湧いてどんな風にお参りをすれば良いのかと
格安の日帰りバスツアーでの参拝だった
2009.09.06 に満席の観光バスで参加
きちんと先達さんがお参りの作法や勤行の手ほどきをしてくださって
せわしなく徳島県の一番札所 霊山寺~5番札所 地蔵寺までをお参りした
しかし、月に一度とはいえ毎回こんな忙しいお参りでは意味がないと思い
その後、同じバスツアーでもしっかりと歩いてお参りするコースを選択
歩きのツアーでの最初の参拝寺は既に18番札所 恩山寺から先へと進むので
6番札所から17番札所までは単独で歩いた
2010.10月、そしてとうとう高知県の30番札所 善楽寺からツアーを離脱して単独で歩き始めた
以来、毎月は来ることが出来なくなり時間を見つけては2日~5日間ずつの区切り打ち
途中でお知り合いになった方々と一緒に歩いたり、若い友人と歩いたりした
大雨に会うことはなかったが靴がグチョグチョになる日も雪が舞う日も歩いた
山越えの道で迷って大変な思いをしたことも
厳しい峠越えの麓で温かいお接待を受けてウルウルしたことも
おみかんや金銭のお接待も数えたらきりがないほどの出逢いとおもてなし
感謝、感謝、3年がかりの結願
最後の女体山で出会った東かがわ市の男性には
感謝の言葉を幾つ述べても足りないほどお世話になった
山上でこの先の予定を話すと、今日の宿の手前まで送りますとおっしゃる
足がもう言うことを聞かなくなっていたワタシは藁にもすがる思いでありがたくお願いした
女体山から下山、ようやく辿り着いた88番札所 大窪寺
気の済むまでしっかりとお参りしてきてくださいよ、ここで待ってますから
と境内のベンチでザックを預かって下さる
逸る心で本堂へと走る
本堂でただひたすら
ここまでの無事のお参りに<ありがとうございます>を繰り返すばかり
お大師堂へと進み<南無大師遍照金剛>を繰り返す
ようやく落ち着き少し奥へと足を伸ばす
正確には昨日歩きが途切れてしまったのが心残りだがまた必ず歩き直します
結願証明書を発行してもらいご満悦
すっかり待たせてしまった男性と一緒に潜る仁王門
しっかりと深々とお礼申して背を向けます
仁王門を潜った途端、お腹の虫が騒ぎ始めます、ゲンキンなものです
男性はまだお昼前で食事は家に帰ってからなさるおつもりだったようですが
是非一緒にと無理強いしてしまいした
でも代金はかたくなに割り勘でと
名物の「打ち込みうどん」を食べてみたかったのですが
何しろ暑くてへばりそうでしたので「ざるうどん」にしました
当初の計画では結願したら1時間ほどを大窪寺で過ごして
歩いて徳島県の発願の一番札所 霊山寺へと向かうために
ここから更に23kmほど歩いて引田の民宿に泊まるはずでした
ところが一昨日からの足マメの崩れでどうにも歩くことができません
なんとか意地で女体山は越えて結願は致しましたがこの先へは下り坂とはいえ長丁場
どうしても無理です
弱り果てたところに渉りに舟、歩きに車、
何と御礼申してよいやらの出逢いのお蔭で車で送っていただけました
お名前もおっしゃらず、JR高徳線の引田駅まで送っていただきました
ただ白い納め札だけは「あら、うれしや」と喜んで受け取っていただけたのでホッとしました
まだ時間は正午を過ぎたばかり
1時間ほど駅前のベンチで休憩して民宿に電話を入れてみます
早すぎて申し訳ないですがなんとか受けてくださいました
駅から痛む足でテクテクと15分も歩いて塩の香のする宿に到着
本来なら歩いて下ってくるつもりだった山並みが見えています
本館ではなく古い医院のご自宅を宿として提供してくださって、なんだか実家へ帰ったような気持ち
早速、自分でお湯を張り汗を流して夕食まで横になります
疲れた足はジンジンとしてなかなか火照りが治まらず
夕食の場所の本館へはサンダルをお借りして爪先を上げて歩きました
海辺の民宿なので夕食はちょっと期待しましたが
ちょっぴり残念
どうやら、この民宿は遠く名古屋や近畿圏からの合宿自動車教習所の生徒達の宿泊所のようです
一粒の米にも万人の労苦を思い
一滴の水にも天地の恩徳を感謝し
ありがたく頂きます
今すでに有り難き食を受け、力身に満つ
願わくば身を養い心を修め報恩の道に
いそしみます
南無大師遍照金剛
さぁて、いよいよ明日は大坂峠を県境(香川・徳島)を越えて
満願御礼の一番札所への歩きです