児童文学作家を目指す日々 ver2

もう子供じゃない20代が作家を目指します。ちょっとしたお話しと日記をマイペースに更新する予定です。

たったひとつの確信

2020-12-14 | 物語 (電車で読める程度)
たったひとつの確信。

それは絶対に大丈夫という確信。

世の中に絶対なんてないと思う私だからこそ、絶対に大丈夫だって言い切れる。


誰しも溺れる。
そんなことはわかりきってる。
そう言う自分自身だって
いつ溺れるか知れない。


いつだって命懸け


いつだってあっという間

簡単に暗闇へと引きずり込まれる。


すごくよくわかってる。



だからこそ、大丈夫だっていう。


だからこそ、大丈夫だって唱える。


念仏のように大丈夫だって唱える。
それが沸き上がる恐怖の裏返しだとすれば、この確信はそのすべてだ。


大丈夫。




大丈夫じゃないことなんてない。







ひとまず惨めな自分には
適当に大丈夫と唱えておこう。





ただね。

あなたは大丈夫だっていえる。

絶対に間違いなく、
明日、東の空が明けていくように
あなたは大丈夫だ。




たしかに、きっとこれまで
たくさんの灯が目の前を過ぎ去り、
そして暗闇に飲み込まれていく様を目の当たりにしたかもしれない。
からだの芯から恐怖がまとわりついて
自分も自分の力では到底及ばないような引力に絡めとられるかもしれない。



それでも、あなたは絶対に大丈夫だと言い切れる。


不幸の刃を振り払って、
穏やかな日溜まりへと
たどり着けるって知っているから。






【おわり】