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書記と表記と  日本語表記論3

2013-08-19 | 現代日本語百科
日本語表記論3

書記と表記には区別があったように思う。書き記されたものと書き表されたものの違いである。それがなくなってしまった。どちらも書き記されたものとして扱われる表記論である。なぜそのようになったかは学説が揺れるからだろう。表記はこれから表そうとする言葉にどのような文字をもって書き表すかということである。表記行動にそれを見る。

書記は作品に見る文字づかいである。記されたものを対象として分析する。上代特殊仮名遣いの発見がそれになる。あるいは宛て漢字とされる文字づかいである。これは通時的なみかたによるところが大きい。書記をそのままにするのは文献があり、記録であるからであるが、その批判にも通じる。それを日本語は表記の工夫があったとみるようになった。

正書法というとらえ方も一つの書き方にすると考えるからで、それはそれで、ひとつの表記体系には一つの共通した書き方を正しく定めることになる。日本語は表記体系併用である。それの捉え方はおのずと、表記体系に沿ってそれぞれ正しい書き方がるとみてよい。漢字と仮名なr場、二つの正しい書き方がそれぞれにある、ということである。

それはふたつだけでない、みっつもよっつも、となるので、表記体系の数だけ正しい書き方があるようなことになる。漢字、仮名文字の平仮名と片仮名、アルファベットの表し方、数字の書き方にもアラビア数字と漢数字があって、これで6種類になる。さらには縦書きと横書きとくわえて、いくつもの書き方が可能になってくる。

それをまぜこぜにしているわけではない。表記に合わせて書き方を正しくするように書き表している。学習するには面倒で手間のように思えるかもしれないが、実はそうでない。だからそこに表記論があるわけである。その使い分けは日本語の習得にあるので、表記論で議論されることは重要である。


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