【絞り優先モード】
Nikon D90 +AF-S Micro NIKKOR 60mm f/2.8G ED
長い人生、時には我慢も必要だ。
…書いた本人ですら読むのが面倒な文章である、善良な市井の臣ズには申し訳ないのだが、
あと少しだけ我慢してこの“苦行”にお付き合いただきたい。
因みに『市井の臣』は『しせいのしん』と読む。 無駄に“サ行”が満載だ。
《前回のまとめ》
・“見たままを見た通りに撮る”為には、カメラが要求する適正な量の光を届けさえすれば良い
・要求値(適正値)に対し光量が多すぎると“白っぽくてぼんやり”した画像になり、足りないと“暗くてどんより”する
・光量の調整には、『絞り』、『シャッタースピード』、『ISO感度』という3つの機能/役割が関与している
・ここまで書く/読むだけでもうんざりする
《3時間目の続き:絞り/シャッタースピード/ISO感度の役割》
任意の線(=適正値)を記したコップに水(=光)をためる、という行為で説明した光量のコントロール方法の概略は、
太い蛇口(=絞りを開いた状態)で長時間水を流せば(=シャッタースピードを遅くすれば)水は大量にたまる(=白っぽく写る)し、
細い蛇口(=絞りを絞った状態)で短時間しか流さなければ(=シャッタースピードを速くすれば)水は少量しかたまらない(=暗く写る)。
蛇口の太さ(=絞り値)と流す時間(=シャッタースピード)に関わらず、
任意のライン(=適正な光量の基準=ISO感度)を上下させれば、適正値そのものを変更することができる。
ということだった。で、問題は、
『絞り/シャッタースピード/ISO感度』は、それぞれを補完する関係にある為、何をどうコントロールしても良い筈なのに、
それぞれに特徴的な性質が備わっている為、なんだかやたらとめんどくせー♪、と。
『A:絞り』には『ピントがあっている範囲(被写界深度)を決める働き』があり、
『B:シャッタースピード』には『被写体の動きを止める/ブラす働き』が、
『C:ISO感度』には『画像の鮮明度を左右する働き』などがある。
それらは意図しないまま設定すると、
『A』…“ピント合わせが難しい/なんだかピンボケ気味/心なしかボンヤリ”、
『B』…“シャッター速度を遅くすると手ブレしやすくなる”、
『C』…“基準(ベース感度)から上げ過ぎても下げ過ぎてもノイズが発生しやすくなる”
といったデメリットがあり、
状況に応じて“どの機能をどれだけ上げる/下げる”かが、“記録写真”としての仕上がり具合を左右する。
詳しくは【実践編】で書く為、一例をあげるにとどめるが、例えば“暗い部屋で静物を撮る”という状況では、
それぞれの対処法をとることにより以下のデメリットが生じる:
『A』の対処…『絞りを沢山開ける』→ピントが合う範囲が狭くなり、心なしかぼんやり
『B』の対処…『シャッタースピードを遅くする』→手ブレしやすくなる
『C』の対処…『ISO感度を上げる』→ノイズが多くなる
なので、一番キレイに且つ失敗が少ない方法は、
『A』をF8~F11位まで絞ってピント精度/解像精度を上げ、
『C』はベース感度のまま低ノイズの画質をキープ、
当然足らなくなった“光量に対する要求値”は、『三脚』を使用しカメラが動かない状況をつくった上で『B』のシャッタースピードを下げて対処する、
ということになるのがご理解いただけるだろうか。
こうして『A/B/C』が力をあわせて“良く撮れている画像作り”に尽力している一方、
それでも納得する仕上がりにならない場合がある。なんでかフラメンコ by 堺すすむ。
一つはカメラが判断した“適正値”が人間の感覚とは必ずしも一致しないこと、
もう一つは明るさは適切でも“色味”がズレていることなどが考えられる。
前者のトラブルは『露出補正』が、後者のトラブルは『ホワイトバランス』、お水のトラブルはクラシアンが解決する。
《4時間目:露出補正/ホワイトバランス》
今度は“日中の晴天時、蛍光灯がともる薄暗い室内で、大きな窓を背にして立っている人物”という状況を想定し説明する。
お利口さんなカメラは、“屋内の暗さ”や“窓の外に広がる陽光の眩しさ”などを総合的に捉えて“適切な光量”を要求し、
『A/B/C』を駆使して“カメラ的に正しい画像”を作り出す。
だが『人物の顔』を中心に部屋の雰囲気を捉えていた人には、その画像は“暗過ぎる”かもしれなく、
逆に『窓の外の風景』を中心に部屋の雰囲気を捉えていた人には、その画像では“明る過ぎる”かもしれない。
その両方を同時に満足させることは難しく(※実践編で書くが、カメラの機能を利用して補正させることは可能)、
いかにお利口なカメラだとは言え、人の気持ちを察することまでは出来ないのだ。
そんな時は『露出補正』をおこない、測光した際に導き出す適正値そのものを『明るめ/暗め』に指定しておく。
『絞り/シャッタースピード/ISO感度』に加え『露出補正』をコントロール出来れば、“明暗の調整”は自在になる。
次。色味。
“光りの波長が~”とか“光りの三原色により~”とか言い出すとものすごく大変になる為、一気に上辺だけ。
ようは“白いものを白く見せる”為には、
明るさのもと(=光源)となるものを想定し、“色温度”とよばれるものの基準を決めなくてはならない。
『測光』、『ピント合わせ(オートフォーカス)』とならぶカメラのお利口機能である『色温度の基準決め(オートホワイトバランス)』なのだが、
それでも上記したような状況~蛍光灯と太陽光が混ざっている~は検出が難しく、
思いがけず“青っぽかったり(=蛍光灯色が強い)”、“黄色っぽくなったり(=太陽光色が強い)”する。
そんな時は素直に『WB~ホワイトバランス』を調整する。
調整の方法などは次の【実践編】で。
《帰りの会》
とりあえずまとめた【理論編】なのだが、書き落としていることも多々ありそうだ。
思い出したらちょこちょこ書き足しま寿司:まいどおおきに! 【つづく】