面白き 事も無き世を 面白く
住みなすものは 心なりけり

「ヒストリー・オブ・バイオレンス」

2006年04月29日 | 映画
クローネンバーグ監督らしい、破壊された人体の描写は、抑え気味ながらもリアルで、“バイオレンス感”を静かに際立たせる。

人間とは、更生できるもの。
時間はかかるけど。
それは“自然治癒力”の一つなんじゃないだろうか。
そう考えるのは性善説過ぎる?
いや、そんなことはないはず。

人が「更生する」ための原動力となるのは、やはり家族の愛。
決して、更生施設なんかじゃなく。
無償の深い愛情に触れれば、人間は必ず更生する。
そして、無償の深い愛情を注ぐことができるのが家族。
だからこそ、自分の過去と決別すべくある“処理”を行い、それが更に心に深い傷をつけることになりながら家族の元へと戻ってきた傷心の主人公に、娘は夕食のための皿を持ってきて、息子はパンを用意するのである。

決して、何かの宗教を信じているわけでもなく、また博愛主義者でもないが、愛こそが人を助け、導くことができるのだと思っている。
『All you need is love』は至言である。
だからこそ、ビートルズは“神”となれる(そら言い過ぎか!?)

ヒストリー・オブ・バイオレンス
2005年/アメリカ 監督:デイヴィッド・クローネンバーグ
出演:ヴィゴ・モーテンセン、マリア・ベロ、エド・ハリス、ウィリアム・ハート

なんとなく…。

2006年04月29日 | music
ミスチルの歌は結構好きだ。
自分の歳からすると「ちょっと若作りちゃうん!」と言われかねんけどね。

歌が好きになるときの基準は、まずメロディーが自分の中で響くかどうか。
実は歌詞はあまり重要視しない。
なので、「エエ曲やん♪」と感じて、カラオケで歌ってみよう♪と思って、CD借りて歌詞を読んでガックリくる…ということもある。
その場合、結局カラオケでは歌う気がしない。
歌いたいと思う曲は、やっぱり歌詞が自分の中で響くものになる。
歌詞全体でなくても、ワンフレーズが響けばそれで良い。

ミスチルの場合、もちろんメロディーから入っていくのだが、好きな曲は歌詞がじわじわ自分の中に染み込んでくる。
一番好きな『Tomorrow never knows』のほか、『終わりなき旅』や『口笛』もそう。

そして最近になって気に入ったのは『ランニングハイ』。
映画『フライ、ダディ、フライ』の主題歌で、映画にもマッチしているのだが、この中のフレーズが自分の琴線に触れた。
「なら 息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして」
繰り返し出てくる決め台詞的なフレーズなのだが、なんとなく自分の思いとシンクロする。
そして、
「胸に纏う玉虫色の衣装を見せびらかしていこう」
というフレーズで曲が終わるのだが、歌詞の始めの方(いわゆる1番の歌詞)では、
「胸に纏う玉虫色の衣装をはためかせていこう」
となっている。
「息絶えるまで駆けてみよう 恥をまき散らして 胸に纏う玉虫色の衣装を見せびらかしていこう」
という一連のフレーズになって、曲は終わる。
先に感じるシンクロが更に強調され、最後に自分の覚悟を告げているようなキモチになるのである。
なんとなく、なんとなく…。