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気体の溶解度のポイント

良い質問がありましたので、ご紹介しましょう。



問題

大型注射器の中に水と塩素を入れてよくふると、次のようになりました。

A:20℃の水200gと塩素500cm3を入れてよくふると、全体は232cm3となった。

B:20℃の水100gと塩素100cm3を入れてよくふると、全体は100cm3となった。

C:20℃の水50gと塩素150cm3を入れてよくふると、全体は83cm3となった。

以上の結果から、次の問いに答えなさい。

ただし、水1gは1cm3であり、塩素が水にとけても水の体積変化はないものとします。

(1)A~Cのうち、塩素がとけ残ったものをすべて選び、記号で答えなさい。

(2)20℃の水100gに塩素は何cm3までとけますか。

(3)20℃の水30gに塩素100cm3を入れてよくふると、全体は何cm3になりますか。




この問題は気体の溶解度ですから、体積で考えなければいけません。

固体の溶解度は重さで考える。すなわち100gの水に何gとける、という条件で出てくるわけですが、気体の溶解度は体積です。そして、とけきっている限り、溶液の体積は増えません。

固体を水に溶かせば、当然重さは増えます。だからここで勘違いが起こる。

Bは完全に溶けているので、全体の体積は増えていないのです。

ということはAの場合は232-200=32cm3がとけ残っている。

Cの場合は83-50=33cm3がとけ残っています。

ちなみに、この問題は明らかにその混乱を狙っていると思われますね。水を体積で表示していない。重さにしているから、余計、固体の溶解度と勘違いしやすい。

Bの場合で言えば、なぜ100+100=200にならないんだろう、みたいな混乱が生じるわけです。

もちろん、気体を水に溶かしても重さは増えますが、それを計測するのはなかなか大変。

軽すぎるわけですから。

したがって、気体の溶解度は体積で表示する。体積で表示する以上、とけきっている限り、水の体積は変化がない。ここがポイントです。

したがって答えは

(1)AとC (最初の水の体積より増えていれば溶け残りが生じているのです。

(2)Aの場合で言えば、200cm3の水に対して500-32=468cm3溶けているのだから100cm3(100gの水)に対しては468÷2=234cm3溶けています。

Cの場合で言えば50cm3の水に対して150-33=117cm3溶けていますから、100cm3に直せば、117×2=234cm3 溶けることになります。

(答え)234cm3

(3)100:234=30:xより30cm3の水には234×0.3=70.2cm3の塩素が溶けます。塩素は100cm3入れていますから、100-70.2=29.8cm3の塩素が溶け残ります。したがって全体の体積は30+29.8=59.8cm3ということになるのです。

(答え)59.8cm3

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