百日紅、あるいはサルスベリ。
暑い夏を涼しげに揺れる花はさわやかだ。
花期が長く、百日も咲いていることから命名された。
子どもの頃は猿が滑るほどのつるつるした樹皮が不思議で
いつ猿が来るんだろうかと心配していた。
サルノコシカケとワンセットで、猿は子供心に身近な存在だったのだ。
秋から春までの死んだように花も葉もない姿はまるで木の骸骨だ。
ただ、シルエットだけになった冬のサルスベリもまた美しい。
春になると骸骨たちは奇跡のように葉をたくわえ開花を準備する。
今はあちこちで開花し紅色や白、アイボリーの花をつけている。
花は削り立てのかき氷のようにも見える。
イチゴ味、レモン味、練乳味がするに違いない。
百日も咲く夏の花たちよ、暑い夏を優雅に彩れ。
嗚呼、ボタニカル!