皆様へ ※1
いつも遊んでいただきましてありがとうございます。
ご存知のように、ガイドの山小屋は1996年、
「これからツアー誰がやるの?」的な、
なんとなくそういう流れで、じゃ俺がやるわ、みたいな雰囲気で誕生しました。
以来、時代は変化に次ぐ変化を遂げましたが、
冬ツアーだけは開業時の雰囲気を色濃く残しながら、
昨今の盛況なパウダーツアーとは違うスタンスを守りつつ、
私たちのスタイルを守りつつ、
今日まで続けて来ることができました。
それが可能になったのも、
20年間かわらない参加メンバー構成、
毎年ほとんどかわらない顔ぶれの皆様のおかげです。
みなさまと一緒に年齢を重ねて参りました。
一番苦しかった時代も、
いつもとかわらない顔ぶれのみなさまのおかげで
子供たちのミルク代を稼ぐことができました。
ただただ、感謝しかありません。
さて、
このたびのコロナ禍も私たちにとっては大した問題ではありません。
いま私達が直面している経営難も20年前と比べるとまだマシなくらいです。
そのうち終わるでしょう。
しかしながら、感染リスクは深刻な問題です。
「オレ全然気にしないから。」
そういう方も多いと思いますし、私もそうです。
今年、私たちは1年の半分以上営業できず無収入でしたから、
喉から手が出るくらいお金もほしいので、
なんやかやで営業する方向で考えていました。
でも、よくよく冷静に考えてみました。
みなさまの中には職場で責任のある立場の方も少なくないと思います。
高齢のご家族と同居されている方、
持病がある方もいらっしゃるでしょう。
私自身が感染する可能性もあります。
ふだんから不特定多数の方と接する私が、
無症状のうちにウイルスを背負ってしまっていたら、
知らず知らず皆様に広げることになるでしょう。
万が一にも私たちのツアーのなかに一人でも感染者がいたら、その日の参加メンバーは全滅です。
あなたが感染するかもしれません。
私は両親が医師という特殊な環境で育ちました。
ですからこのたびのコロナ禍もいくらか客観的に冷静に見ることができていると思います。
細かいことには言及いたしませんが、あまり深刻には捉えておりませんが、
目を背けてはならない現実とは向き合わなければなりません。
今年のシーズンはガイドの山小屋誕生以来25年のうちの、
ほんの1年にすぎません。
今年、ガイドの山小屋は経営危機です。
正直申し上げてお金は死ぬほど欲しいです。少しでも売り上げが欲しい。
GoToはバブルのような状況で思いのほか活況だといいます。
ガイドの山小屋はGoTo地域共通クーポンの取り扱いできます。
年末年始の休暇は長くなるとの報道もあります。
これはチャンス到来!
がっぽがっぽ儲かる気がするする!
営業さえすれば間違いなく、大いに儲かるでしょう。
しかし、だからといって
「万全の感染対策です」と適当な宣言して営業してしまうのは無責任と考えます。
そんなことは私にはできません。
細かく申し上げましたら、現状では、ツアープログラムのうち屋外活動以外の
①ツアーミーティング、
②フィールド移動、
③ティータイム
の、ソーシャルディスタンス確保が解決できません。
たとえ定員を減らしても、2m間隔の確保は無理。
しかも厳冬期のため換気も充分には行えません。
「現地集合、現地解散なら実施できる。」
そう考えました。
おそらく他のパウダーガイドさんはその方向性で営業されると思います。
もっとも現実的です。
しかし、それは「ガイドの山小屋」のスタイルではありません。
●みんなと一緒にフィールドに向かうときの高揚感、
●どうでもいいお喋り、
●ツアーのあとのユルユルなお茶の時間。
そういうのが私は好きですし、それがガイドの山小屋のスタイルだと思います。
現地集合現地解散は私のスタイルではありません。他にいくらでもある。
ガイドの山小屋はオンリーワンです。
これから先も。ずっとそうです。
方針を曲げる気は皆無です。
経営難は、必ず乗り越えてみせます。
そしてまた皆さまと共に、
雪のうえで笑い転げる日は必ず戻ってきます。
※2 以下
シーズン2021冬は、全営業を見合わせます。
ちょっと頑固すぎるかもしれませんが、
だから25年続けてこられたんだとも思っています。
今シーズンのツアーはありませんが、今年もちゃんと身体を鍛え直しました。
フル稼働可能。余裕でラッセル。笑顔でラッセル。ガッチガチの太腿。(笑)
いま、冬山山岳ガイドとして、いつでも出動できる状態です。仕事ないけど。
体力とスキル維持に努め、この山に必ず戻ってきます。
また笑って皆さまに会う日のために。
みなさま、どうかよろしくお願いいたします。
※1 記事本文:2020年10月24日
※2 記事編集:2020年12月21日