ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

バックカントリー仕事準備。

2016年12月28日 | バックカントリーとパウダースノー
さて。
明日から業としてのバックカントリー仕事始め。
どういうわけか昔から、年末年始の冬山は荒れるもの。
雪崩レスキューの装備は特に入念に、チェック、チェック。

今朝は氷点下23度だった。
明日の十勝岳連峰の天気は、
風雪やや強くて、
少し荒れ模様みたいだ。

でも大丈夫。
僕がいるから大丈夫。
寒気はきっと、歓喜にかわる。

さあシーズンインだね!

Leave it to me!
 (俺に任せとけ) 


Lol



ホワイトX’mas イブイブ!

2016年12月23日 | 北海道の暮らし・生活
イブイブの12月23日は、
雪で始まった。

昨夜、吹雪のなか帰投したリトル山小屋は、

半ば埋もれていた。

ほぼ座礁した貨物船状態。

まだマシなほう。1月になればもっと降る。

お父さん出動!

いやあ!今朝の雪は手強いねえ!

湿雪なので重たいし、排雪口が詰まりやすい。

リトル山小屋も救出。

「ねえ神様!僕に重機を買ってよ!」
お父さんは思うのだ。

家の中では末の娘が窓拭きをはじめた。
真面目で、よく働く娘だ。


こうして今年もクリスマスがやってきた。





リトル山小屋でGOGO!

2016年12月20日 | 北海道の暮らし・生活
リトル山小屋で出かけた!

リトル山小屋とは僕の軽商用バン「ダイハツ ハイゼット」の愛称で、ガイドの山小屋の雑務に従事する重要な一台である。

雑務用の車で余剰車のようだけど、
お客さんが1人だったりしたときはコレが出動することも多い。
なにしろ小さな車なのでお客さんとの距離が近い。だから親しくなるのに時間はかからない。

実は、僕のお気に入りだ。

美瑛から旭川へ、
久しぶりに町に行こう。

しばらく雪が降っていないので、
すっかりアスファルトが現れていた。

雪、減ってきたね。

カーナビの「よし子さん」は、右だの左だの戻れだのと相変わらず口うるさいけど、久しぶりに会ったせいか、きょうは優しかった。(ような気がする)

さて。
僕は、1か月くらい前からあまり匂いを感じなくなっている。
最初は花粉症だと思って気にしていなかった。
ちょうどニュージーランドは初夏で牧草花粉の大博覧会お祭り大騒ぎだったから。

「匂いがわからない。」

何が辛いって、料理を作るのが好きな僕にとって味覚がわかりにくいのは苦しみ以外の何者でもない。

ニュージーランドでの最後の1週間の大半を過ごしたグレイマウスのバックパッカーでは毎日キッチンに立った。
まったくのお人好し状態だが、何しろ料理が大好きだし、なによりも楽しいものだから姪をはじめ日本人ワーホリメーカー2〜9人分の食事を毎日せっせと作った。
やや押し付けだ。(笑)

僕は母子家庭だったから毎日帰りの遅い母を待てずに子供の頃から台所に立っていたし、学生の頃は好んでホテルの厨房やレストラン、寿司屋、宿で働いた。
そこには必ずうまい賄い飯があったし、何よりも、今思えば、しっかりと下っ端修業ができたと思う。
自分の包丁が握れて、味付け、盛り付けができる。
下っ端には決して認められない自由を手にしたいま、天下を取ったような気分だ。(笑)

ニュージーランドの小さな町の町外れで、限られた道具と材料で日本の家庭料理を作るのは、むしろすごく楽しかったけれど、唯一、困ったのは、自分の鼻が満足に匂いを感じなかったことだった。

姪や、よく手伝ってくれる京都のユキちゃんに味見を頼んだ。彼女たちのおかげで何とかなったけど、シナモンや香辛料、ダシの香りを最後に自分の鼻と味覚で確かめられないことが悔やまれた。

ちゃんと味はまとまっていただろうか?
みんな、美味しかったかい?

さあ、耳鼻科に着いたよリトル山小屋!

これで匂いを取り戻せる。

もうすぐクリスマス。
今年も、とっておきのロースト・チキンを焼くのだ。
ロースト・チキンはブーケガルニはじめ香辛料を使うので、嗅覚が、モノを言う。

僕のロースト・チキンはうまいよ。

取り戻した嗅覚で今年も、とっておきのロースト・チキンを焼こう。
パリパリの焼き具合、焼き色、
そして、香りが、決め手だ。

もう、勝ったも同然のような気がしている。





夢を追う旅。 自転車で旅するニュージーランド

2016年12月15日 | 自転車の旅 海外

25歳から48歳まで続けてきた僕の最後のニュージーランド自転車旅が終わった。
本当に終わってしまった。
僕の実家が、離れていく。

娘と強めのハグをして別れた。

彼女は中学3年生。
僕はもう来ないということを何となく察したようだ。

ここは、ニュージーランド南島のクライストチャーチの閑静な住宅地にある。
兄弟と呼び合い認め合う、親友の家だ。

自分の家も同然に使わせてもらってきた。
真に僕は家族の一員だった。

兄弟の家族は僕の家族も同然だ。
本当の家族だと思ってきた。

ここは長く、僕の魂の置き場だった。
いや、
これからもだ。

今回がニュージーランド最後の旅と決めた。
しかし、
正直言って、決心は揺れ動く。

初めて年齢を実感した旅だった。
ニュージーランドはユルいはずなのだが、
キツく感じることがあった。

いや、
修羅場やキツい旅でも肝がすわっていたはずの自分のメンタルが、いつの間にか意外と脆くなっていることを思い知った。
これは、まずい傾向だ。

これまでのように自転車で激しい旅をするには、残された時間はそう長くはないだろうと感じた。

ヨーロッパならば60を過ぎても平気だろう。しかし、辺境の旅はどうだろう。

ニュージーランドは、いつもゆったりとしている。
新鮮で豊富な真水があり、気候も人々も優しく穏やかで、極めて安全だった。
快適過ぎて、少し甘えていたかもしれない。

でも俺の旅は、まだここでは終われない。
弛緩してはいけないんだ。
次に進まなければならない。

もう時は、いくらも待ってはくれないだろう。

でも心から好きなのだ、ニュージーランドが。
適度に辺境、適度に優しい。
大地、空、水、雲、森…そして西風。打ち付ける波飛沫。森羅万象の祝福。

去りたくない。

本当は、毎回ずっと、これからも、
ニュージーランドでいいと思っていたのだ、少し前までは。

友よ、友よ、親愛なる友たちよ。また会おう。
必ずだ。

ブログの読者の皆さんすまない。
今日の山小屋は、ちょっと…だ。

そんな僕の事情など関係なく、飛行機はあっという間にクライストチャーチを飛び立った。


翼に月が写り、輝く。

ニュージーランドの今夜は、
スーパームーンだという。

それはやけに、眩しい。


アーサーズパスを越えてタスマン海へ 自転車で旅するニュージーランド

2016年12月09日 | 自転車の旅 海外

アーサーズパス村を出たらいきなり急坂の登りが始まるが、1×1で十分に登れる坂だ。

標高900mを越えたら森林限界を越える。
南極ブナの森は終わり、高層湿原が広がっていた。

日本の高山植物に似ていた。










山頂付近。
難ルートを開削したアーサー・ドブソンの碑がある。


山頂。最果て感があるね!

お見苦しくてすみません。


これから、長い長い下りが始まる。


人里まで降りたら「引越し」に遭遇。

二棟の建物が移動中だった。

橋で立往生していたが、このあと無事に通過。

タスマン海が近い。


東海岸から西海岸へ、
Coast to Coast を達成した。

旅が終わった。