ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

北海道民ドライバーはすごいぞ!

2018年12月19日 | 北海道の暮らし・生活
冬の間、北海道に暮らす人々はどんな生活をしているの?

鉄道は?
道路は?
学校は?

お客さんによく聞かれる。

まさか、旧石器時代みたいな生活を強いられているとは考えていないだろうが、そういう答えを期待されているような印象はたしかにある。

正解は、
冬も、夏と変わらない日常の生活がある。

じゃあ吹雪は?
ずっと吹雪じゃないのか?
と食い下がろうとしているソコの君。

まあ落ち着け。

ここはアラスカじゃないし、
俺たちエスキモーじゃないし。

吹雪はある。
ひと冬に2、3回は猛吹雪がある。

猛吹雪。
それは、本州とっての「台風」みたいなものだ。
台風が冬に来るような感じと言えば分かりやすいかもしれない。

猛吹雪ほどではないけど、
吹雪。
それはよくある。

本州にたびたび強い雨が降るように、
たびたび吹雪がある。

クルマの運転に若干の支障あり!
きょうはまさに、そんな日だった。

警報は出ないけど、
よく降り、風も強かった。
本州の人がイメージする冬の北海道だろうな。

「前が見えねー!」
ちなみに、前にはトラックがいる。

しかし、国道の流れは順調。

時速60kmくらいで流れている。

北海道民ドライバーは平気へっちゃら。

チェーンなど巻いているクルマはまずいない。
ほとんどのドライバーはブリジストンのスタッドレスタイヤでびゅんびゅん走っている。


僕も北海道に20年以上暮らしているからベテランと言っていいはずなのに、いまだに必死。
道路上の「矢印」を凝視してハンドルを握っている。
矢印は路側を指しているので、クルマの側面を矢印に沿うようにするのだ。路面がよく見えないから矢印が頼りになる。

南国四国出身のオレ、涙目。
もう必死。

それなのに、

国道の流れは至って順調なので、
所要時間は夏場と変わらないか、むしろ早くに

目的地に着いた。

きょうは勉強をするために講習会場にやってきた。

しかし、会場を間違えていて大慌て。

会場は隣だった。

早く着いていたのに、
結局、1分遅刻。

まったく、

やれやれだな。




DAY43 九州 / 宮崎空港と鹿児島空港、チャリダーの利便性が良いのはどっちだ⁈『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月18日 | 自転車の旅 国内

12月14日(金)撤退を決めた朝。
きょうもいい波、いい天気。

翌日には鹿児島市にゴールのはずだったが…
仕方ない。

朝日を浴びながら宿をあとにして、

日南市の中心・油津駅で、チャリ仕舞いする。
いわゆる「輪行」(りんこう)だ。


車輪やペダルを外して、
フロントフォークを内側に向け、変速機を内側に折って固定し、フレームを車輪で挟んで固定する。

ものの10分で、

こうなってしまう。
運搬用のバッグに収めたら、
「輪行自転車」、という状態になる。

パニアバッグも、パタゴニア・ブラックホールバッグにドカドカと放り込んでしまうとスッキリする。

僕のパタゴニア・ブラックホールバッグは2002年前後のモデルで、ゴムボートの素材で出来ている。水たまりに落ちても浮くし、投げても引きずっても平気だ。もちろん担ぐことも出来るから移動がラクでいい。現行のブラックホールバッグも機能的で悪くないが、愛用の旧ブラックホールバッグも頑丈で痛まないから捨てる理由はない。ずっと使い続けている。

駅、ホーム。

朝8時だというのに僕一人だった。

旅は終わりなのだ。

南宮崎行きの普通列車がやってきた。
約一時間ほど普通列車に揺られたあとは、

宮崎空港線に乗り換える。
宮崎市の郊外「田吉駅」で乗り換えて、もうひと駅で宮崎空港だ。

ところで、
●宮崎空港
●鹿児島空港

どちらがチャリダーのアクセスがいいか?

どっち?

ズバリ、宮崎空港だ。

●宮崎空港、JR乗り入れあり。
●鹿児島空港、バスのみ。

ご存知の通り、ほとんどの空港リムジンバスは輪行自転車を預かってもらえない。鹿児島も同じ。(確認済)
キレて抗議して無理矢理押し込んだりする方もいるみたいだが、そういうみっともないことはやめておこう。

だから、JR乗り入れが、有り難い。

では、自力アクセス(自走)はどうか?

●宮崎空港、平野の海沿い
●鹿児島空港、山の上。標高270m以上、鹿児島市中心からの距離40kmあまり

このように、鹿児島空港への最後のアクセスはちょっとしたチャレンジだ。
空港に着いたら汗だくなのでシャワー必至。
シャワーはラウンジで1000円(税別)で借りられる。

だから、
●最後はスマート派は、宮崎空港。
●最後まで体脂肪燃焼派は、鹿児島空港が良いと思う。

さて。
僕は宮崎空港から、
羽田空港で乗り換えて、
北海道北部の旭川空港へ帰る。

乗り継ぎ待ち時間を含めて、
だいたい5時間くらい。
日本列島を縦断するのだ。

羽田空港で、

いつもの店で、

いつものメシを食う。

家に帰ったら、

真冬だった。
今年は雪が少なめだ。

自転車は、

物置に直行。たぶんこのまま春まで冬眠する。

予定よりも3日早く帰ってきた。
日曜日の夜は鹿児島で
大河ドラマ「西郷どん」最終回を見るはずだったのに、果たせなかった。

全鹿児島がひとつになり、
全鹿児島が泣くだろう。
その中で、一緒に号泣したかった。

その時間を鹿児島で、
薩摩で共有したかった。

それが出来なかったことが、
残念だ。

今年の旅は終わった。

北海道北部から南九州へ、
日本列島をスパッと縦断した。

でも体重は、
せいぜい5キロくらいしか減ってないぞ?

しかも、古傷を痛めてしまい、

いま病院の待合。

やれやれだな。




DAY42 九州 / 宮崎ー日南 広島東洋カープとチャリダー in 日南 『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月13日 | 自転車の旅 国内

旅をあきらめるのはまだ早い。
もう少し粘ることにして、予定ルートを変更するのだ。

●宮崎ー日南経由で志布志ー佐多岬(Uターン)桜島〜鹿児島
70〜90km/1日
⬇︎
●宮崎ー日南ー鹿屋ー桜島〜鹿児島
50〜60km/1日

これでどうだ!

どうあっても日曜日の夜に鹿児島で「西郷どん」の最終回を見るつもり。笑

どこまでも、往生際の悪い俺なのだ。

古傷の痛みに気づかないフリして宮崎を出発する。

きょうは日南市までの50km、

徐行運転で行こう。

大淀川はきょうも川面いっぱいに朝日を受け止める。

なんだかトロピカルな、

青島(宮崎市の南)への道。

車道を走ったり、側道を走ったり、
なかなか忙しい。

強すぎるメッセージ。

バイパス道路を走っていたけど、

バイパスに沿った、

良い側道があった。

宮崎から青島の近くまでは、ややこしい場所がいくつかある。
チャリダーばたばたするだろう。
わからないときはiPhoneではなく地元の人に聞こう。
iPhoneでは、余計にわからなくなる。

これは、わけわからん。

ココは無理に本線に戻らないで、降りて旧道を行くと青島のビーチサイドに至る。

青島は通過した。
観光地だから。

国道220号に戻ってきた、

国道は、
「堀切峠」+道の駅まわりと、
トンネルまわりがある。


Horikiri Pass

なんかさ、NZ北島にありそうじゃない?

ホリキリ・パス!
マオリ語みたいやん。

いつもなら、

「ほりきって行きましょう!」
ほりきり峠!


となるところだけど、

古傷を騙し騙してきたので、パスした。
堀切、パスだな。
ちょっぴり「負け組」感に苛まれる。

トンネルの中は、あたたかかったよ。

この先からは、

ずっとこんな感じに海沿いが続く。

鬼の洗濯板って、言うらしい。

一応、ぴっくりした表情してみた自撮り。

まもなく日南市に

インした。

村上春樹にかぶれた誰かが名付けたと思うぞ。

いるか岬!
いるかはいるか?
いるのか?

それより、素人目にも、

いい波きてるね。

なんだか、魅力的な道を発見!

行く!

行きたい!

行くど!

その先にはビーチがあった。

でも行き止まりだったから戻ったよ。

新しい国道トンネルの工事。

こうしてまたひとつ旧道が忘れ去られて、
そこはチャリダー天国になるのだね。

圧迫感はんぱないけど、

田舎じゃよくあることさ。

キラキラで

目のやり場に困る。

しかし世間は師走なの。

白バイも忙しそうだ。

なぜ?そうなったのか?

じっくり考えなさい。

いい波くるよ!

飽きたらクサ(煙草)吸って昼寝して。

また波をつかまえて。

みんな楽しそうだなあ。

日南市はもうすぐだ。

海はやっぱり、いいよね。

日南市の中心駅の

油津駅!

めっちゃカープ推し!

駅の中も

めっちゃカープ推し!

俺も、

にわかカープおっさん!

町のなか探検。

歩道に、これがあちこちに。

溝の蓋。

なんかオシャレじゃないですか?

チャリダーいま、宿探し中。

見つけたから、そろそろ行くわ。

宿はこのあたりのはず。

それにしても気になる鳥居。

岩屋だな。

ちょっと怖。

勇気を出して、

なんか、いるかも。絶対。

やばくないか。





涙目。

さあ行こう、

未知の世界へ

ちょっとハリーポッターの気分。

出口を探さないと。

外の光だ!

岩の裂け目から生還。

夕方が近い。

さあ、

帰るか!

決断しなきゃ。

本日の走行距離、55km。

ホットチョコレートで

あったまるよ。

ゴールは目の前だけど(あと、たった2日!)
撤退を決めた。
きょうも古傷の悪化は予想以上に進んだ。

足は山岳ガイドの商売道具。
取り返しがつかなくなる前に決めなくてはならない。

でも、あと、たった2日だぞ!?

……

引き返す勇気は、
登山に通じる。

また来たらいい。

今のうちならば、ちゃんと荷物担いでチャリも担いで
空港わしわし歩き回って、
家に帰れそうだ。

先生が言っていたではないか。

家に帰るまでが、遠足ですよ!

さあ家に帰るぞ。














DAY41 九州 / 延岡ー宮崎 ハードな使用にUNIQLOは使えない! 『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月12日 | 自転車の旅 国内

昨夜まで降り続いた雨が上がったのだ。
朝日が眩しいじゃないか。

旅の健康をサポートしてくれたコンビタのマヌカハニーが

今朝、とうとう無くなってしまったぞ。
旅は終盤だ。

五ヶ瀬川は近年の大雨で少し傷ついているように見えたけど、

相変わらず美しい。

ただ、昨年までは見られた川舟は陸揚げされたのだろうか。

どこにも見えなかった。
写真は昨年の今頃だ。

五ヶ瀬川は、例えるならば、
森高千里のヒット曲「渡良瀬橋」がぴったりくる。
渡良瀬橋は栃木県足利市にある。ここは宮崎県北部なので全く関連はないけれど、五ヶ瀬川のそばにいると、自然とあの歌が聞こえてくるような気がする。

さて。
きょうのラウンド
「延岡ー宮崎」90km区間はこれまでにさんざん走ってきた。
昨年も走っているので、区間レポートは
昨年の記事を見てくれ。


チャリ旅の装備だけど、
誰にもそれぞれ一家言あると思う。
僕は本業が冬山山岳ガイドなので、山岳ガイドの服装や持ち物を基本としている。

「パタゴニア」のサポートをいただいているので、パタゴニアのロゴが入ったものがほとんど。

使える。
めっちゃいいよ、パタゴニア。

何がいいって、
パーカーでもレインウェアでもダウンでも、
コインランドリーの洗濯機でガシガシ洗えて、
コインランドリーの乾燥機でゴンゴン回せる。
専用の洗剤はいらないし、
専用のメンテナンス不要。
そんなことでゴアテックスが痛んだりしない。
雨水が染みてきた、汚れたハードシェルは、
洗って乾燥機にかけたら、新品の性能を取り戻すのだ。
ここが、他メーカーと大きく違う。
全然違う。

もちろん、お洒落も見逃せない要素だ。
パタゴニアを着て街を歩いても、三つ星ホテルにチェックインしても、NO問題。
だから町歩き用の服を持っていく必要がない。

だから、

ハードで長期の旅には、
パタゴニア以外は考えられないのだ。

僕は職業柄、アンダーウェアにこだわる。
いつも驚かれるのだけど、僕は冬山山岳ガイドの仕事の際、大抵は3枚着ている。
1.アンダーウェア(下着)
2.中間着(ダウンセーターやフリースなど)
3.ハードシェル(防風防水パーカー)
これで基本的にはプラス10度からマイナス20度まで対応できる。

一応、言っておくぞ。
北海道北部の厳冬期の冬山が仕事場だ。
着膨れる必要なんかない。
アンダーウェアはじめ、うまく選択すれば、
3枚でいいのだ。

この中で、もっとも重要なのが、
直接肌に接するアンダーウェア。
アンダーウェアで調整することが一番大事だと思っている。

これは、チャリ旅でも同じはずなのに、
今回は勝手知ったる「日本列島縦断」なので、
正直、油断した。

よせばいいのに、

UNIQLO

持ってきた。

わー。
やっちまった。

長袖、クールテック?
これは使えた。
汗をかいても、湿り気を速やかに発散させて、身体が冷えなかった。
運動中もサラサラ感で、快適だった。
多少テカテカした素材だけど、着てみたら案外と気にならない。

クールテック。これは合格。
使える。

しかし、問題は、
長袖、ヒートテック!

結論から言うと、使っちゃダメだ。
(使ってるやん!)

山なら最悪の場合、命落とす。
身体を冷やすトンデモ素材だ。

ドライ時の着心地はいい。
でも、
いったん運動し始めたら最後、暑い。
熱がこもり、発散されず、
さらにこの生地は汗を存分に吸う。

汗は生地に保持されたまま、風で冷やされる。
身体は冷えていく。
暑いのに、寒い。
身体はどんどん冷えていくのだ。

これはダメだ。
山なら死ねる。

このヒートテックはたぶん、
タウンユーズを想定している。
肌寒いオフィス、通勤の電車と、外歩きと、オフィスの往復の日常を快適にサポートするものだと思う。

使い方を間違った。

一枚だけ、いつも使っているものを持ってきた。
パタゴニアの、メリノウールのアンダーウェア。
ウールだから天然素材だ。

サラサラで、暑くなってもサラサラ感を失わない。
汗を発散し、速乾。
風で冷やされにくい。
風をブロックしたら、汗に濡れた状態でも保温を失わない。

素晴らしい。
チャリダーのための下着じゃないか。

メリノウールのアンダーウェアは、
パタゴニアにこだわる必要はないと思う。
ハウスメーカーでいいし、
ニュージーランドでは、羊毛家が農場の売店で売っていることもある。それは恐ろしく高品質なうえ、案外と経済的な値札がかかっている。

チャリダーにはメリノウールを強く薦めるぞ。
寒い季節にはぴったりだ。

UNIQLOは、いかん。
いかん、いかん。

きょうも穏やかな国道10号だ。

ストレスは少ない。

日向市の海岸が見える。

冗談だろ?って風景。

日向市の道の駅で、

チャリダーの昼メシ!

軽く柑橘系が、スーッとしみる。

「サザンカ、サザンカ、咲いた道〜
焚き火だ焚き火だ落ち葉焚き〜」♬
そんな童謡あるけど、まさにその季節だな。

山茶花。

ほんまにサザンカ咲いとるやん!
マジだな宮崎県。

道の駅「つの」で、

打ち出の小槌でドツかれてみた。
ここが、延岡ー宮崎区間の中間地点。

宮崎市の手前20kmくらい。

佐土原(市町村合併で現在は宮崎市に統合)の郊外でバイパス化する国道10号は避けて、

左の旧道を行こう。

めっちゃ快適だ。

本日の走行距離、

86km。

しかし、重大なトラブル発生。

15年前の冬山事故の古傷が酷く痛む。
膝はコキコキ軋む音がする。痛みは徐々に増大している。
この古傷との付き合いは長い。
このままでは経験上、次はこうなる。

このまま漕ぎ続けたら膝に「水」が溜まって、また松葉杖だ。水は病院で抜いてもらわなければならない。

んー。

明日は県境を越えて鹿児島県。
険しい峠など、
難所と呼べる場所はもうない。
あるのはコバルトブルーの海とバナナの木と寒椿の赤い花。
北風の援護もあるから楽勝だ。
日南、佐多岬、Uターンして桜島でゴール。

日曜日の夜には鹿児島で大河ドラマ「西郷どん」の最終回を見て号泣する。

月曜日には、その余韻に浸りながら鹿児島空港から北海道に帰る。

錦江湾上空から、西郷先生と桜島に別れを告げる。

そんな、
たまらん計画は、
ここまでは至って順調に来た。

それなのに、

最後の最後に、
困ったことになったぞ。

どうする俺!





DAY40 九州 /宮崎県延岡市 人力で旅がしたい。遠くへ行きたい。『日本列島縦断 自転車の旅 2018』

2018年12月11日 | 自転車の旅 国内

宮崎県延岡市は冷たい雨なのだ。

こんな日は、チャリダーは身体を休める。

ボクは、しょっちゅう旅をしているように見えるけど、
実際には、
旅は1年に1回だけだ。

11月前後の7〜8週間くらい、
長めの旅をする。自転車旅だ。

自分の足で旅する、というところがたまらなくいい。
足跡を地球儀で確認できる(めちゃ小さいが)のもいい。

海外へ行くことが多い。

北半球は冬になってしまうから、
南半球に行く。
英語が通じて、治安もそこそこ。
物価も、そこそこ。

こうなれば、
ニュージーランドかオーストラリアになるのが必然だ。

ボクはちゃんと英語を勉強していないから、
自然と「旅」が学校になった。
パブ(田舎では食事はパブでする。パブは安い食堂であり酒場であり売店なのだ)やキャンプ場のキッチンなどで英語を学んだから、
ボクの英語には強いオセアニア訛りがあるけど仕方ない。
自分では割と気に入っている。

関西訛りのガイジン、
みたいなものだ。
悪くないだろ?

自転車で訪れた町は、
自転車目線ですべてが見えてくる。

町の空気感が、
息遣いのように、
スッと入ってくる。

いいこともあるし、
ヤな感じも、まぁ、ある。

また、
場所によっては、

ボクの今のビジネスの、
商売のヒントもたくさん転がっている。

これはいいな!

と思うものを記録して持ち帰り、
自分のビジネスに反映させると
数年後に当たる!
ということを繰り返してきた。

金の鉱脈を見つけるようなものだ。

ボクの奥さんも同じようなことをしている。
夫婦は似るのだ。

さすがに自転車じゃないけど、ふたりでシンガポールへ行ったとき
(NHK英会話の舞台がシンガポールだったらしく、彼女がしきりに行きたがっていたのだ)

これは!
と言う「言い回し」に出会って、
それを持ち帰って接客に活用している。
これが、めっちゃ当たって、サクサクこなしている。

さすが。

同業者たちがみんなチャリ旅でオーストラリアを走り出したら、ボクの「企業秘密」はダダ漏れになり、
考えがバレ、
次の手がお見通しになり、
ボクはきっと窮地に立たされるだろう。

まあ、たぶんそんなことはない。

業態をそっくり真似されてる間は、安全だ。
気がつけば、地域の同業者はみんなボクと同じ料金設定になり、
ボクと同じ車種を取り揃えて、
すごいところになると、車種の呼び名まで同じだ。
まあ、本物と紛らわらしくするのは昔からある商売の常套なので、むしろ「認められた」ことに感謝したい。

こそばゆいではないか。

しかし、
努力なくして、果実は得られない。
真似は所詮、真似にすぎない。

つまり、チャリ旅はボクにとって、
娯楽に見えて、実際は「仕事」そのものだ。

だから投資は惜しまず。

見たいもの
得たいもの
それから直感。

そういうものには投資は惜しまない。
そうやって旅を続けてきた。

投資の分だけ、
得るものは大きい。

また、
日本列島を、旅することも多い。

列島はいま、隅々までインバウンドが迫っている。

旧態依然の業態の店や宿が窮地になり、廃業も後を絶たない。

昔は良かったのにねー、
の声は少なくない。

景気が悪いのよ
とも言うが、周囲はむしろ繁盛している。
ただ、
享受できるか、できないか。
その差が大きいのだ。

昨年あったものが、今年ない。
そんな現実を毎日のように目の当たりにする。

いろいろあるけれど、
インバウンドに合わせた努力をしているところは、
努力が報われていると強く感じる。

いろんな迷いがあったはずだ。

あの人はうまくやった。
なんて陰口も叩かれるだろう。
お金もかかる。

でも、
努力は決して裏切らない。



日本はもう、昔には戻らない。
古き良き時代は、記憶の中にだけ存在している。
僕たちは未来へ進むしかないと思う。

ここまで書くと、いかにもインバウンド推進!という印象になるけれど、ボクの考えは少し違う。
ただ、日本人は、
「鎖国は終わったよ」
「日本も他の外国みたいになるんだよ」
ということは肝に銘じなければならないと思う。

日本人はハワイが好き。
でも、どうだ?
日本人だらけだろ?

ベネツィアはどうだ?
バルセロナはどうだ?
パリはどうだ?

日本だけが、日本人だらけなんて時代は終わった。
北朝鮮ですら、外国人が歩いているって知ってるか?

黒船はきた。
港は、世界に向けて開かれたのだ。
日本は、
新しい時代に向かっている。

「日本人観光客を呼び戻そう!」
いまだにそう言う人もいるが、
まずは自分の足で、
その五感を駆使して、現実を見に行くべきだ。
地元に座っていないで、さあ!
PCの画面を眺めて世界を知った気になってはいけない。

英語だ。
英語をもっと勉強しなければ!

先週のことだ。
関門海峡トンネルの人道エレベーターは、
ちょっとした観光地だった。

九州側で、白人の夫婦と乗り合わせた。
「バイクかい!いいねえ!」
「このトンネルはダダなの?幾らなの?」
「小さなコイン2枚。20セントですよ」(20円のこと)
「安いね。」
「寄付ですね」
「私たちもバイクに乗るのよ」
「川沿いを走るの。美しい人生だわ。」
「自転車のない人生は、つまらないですよね」

「きょうはクルマなんだよワッハッハ!」
2人はトンネル出入り口の車寄せで待っていた黒い大きなハイヤーに乗り込んでいった。
「よい一日を!」

わずか30秒程度の会話だけど、
乗り合わせた人たちの尊敬の眼差しを一身に浴びて、正直、決して悪い気はしなかったし、

英語が話せなければ、
こんな何気ない出会いでさえも、決して得ることはない。

英語だ。
もっと勉強しなければ!

もっともっと話せれば、
ボクのビジネスの機会はさらに広がるだろう。
面白い出会いが待っている。
確信を持って、そう言い切れる。

来年はまた、オーストラリアを走ろうか。

大陸縦断、
大陸横断、

これは終わらせた。しかし、
あの国は広い。

正直、嫌な目にたくさん逢う。
観光地や都市や、ワーホリの若者たちが集まる場所を離れると、
リアルなオーストラリアが待っている。
見逃せない、根深い有色差別がある。
それは西へ行けば行くほどさらに酷くなる。

あの国は広い。
まだまだ知らないことがたくさんある。

ネガティブも、ポジティブも、
全部まとめて引き受けよう。

来年かな。
再来年かな。

やっぱりニュージーランドにしようかな。

そんなことを考えながら、
五ヶ瀬川を眺めているのだ。

雨はまだまだ降りやまない。