ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

食ってはいけない やってはいけない

2022年10月21日 | その他未分類
オーブントースターで、
オレはアレを焼いてみた。

強火、両面焼きで10分焼く。
けっこう煙でて、こんがり焼けた。
 

ディスクブレーキの、
 
ブレーキパッドを焼いた。
 
いい感じに焼けても、
食ってはいけない。
 
いや。
 
それ以前に、
本当はブレーキをオーブントースターで焼いてはいけない。
 
じゃ、なぜ焼くの?
 
焼きたかったからだよ。
反逆児だもの。
おれ、いい人キャラじゃないし、正義の味方じゃないし。
バカだし暇だし。
 
知床ウトロでレンタサイクル店を営む友人(←MTBの変態)の真似をしてみたのだ。
「原因不明で死亡したブレーキパッドの蘇生の試み」
 
そう。
つまり、これは「実験」なのだ。
 
結果、
 
うおー、すごい!
 
洗剤で洗っても、
ワコーズのケミカルで脱脂しても、
アセトンに漬け込んでも、
何をやってもダメだった、脂を吸ったメタルパッド。
たぶん556のような潤滑系スプレーの噴射を受けた(悪質な嫌がらせ)と思われる、哀れなメタルパッド。
 
染みこんじゃった油分が燃え切って制動力が回復したよ!
 
やってはいけないことを、
やっちまった背徳感も、ハンパない。ハァハァ…
 
さすがだよMTBの革命家ニッシー。
ありがとう。
 
 
【ご注意】
「焼くのは厳禁です」などアドバイスも多数あるように、基本的にNGとお考えください。
モノによっては剥離したり、灰になったり
歪みが出たり、
強度が落ちたりするかもしれません。
新品に交換しても大した出費ではないです。
ワタシはバカで暇人なので、試しにやってみました。もちろん自己責任です。
 

レンタル導入する?悩んじゃうなあ・・・

2022年10月03日 | その他未分類

ホンダクロスカブ50

ホンダ クロスカブ50

原付バイクです。

 

普通免許でのれるやつです。

 

燃費めっちゃいいですよ。

レギュラーガソリン1リットルあたり

公称90km、ってことは、60kmくらいってっことで!

 

クロスカブ、いいなあ!

 

でも、ウチの女子たちはね、

あまりいいことを言わないです。

「原付」=なんかダッサ。

「原付」=おじさんですか?

と、なかなか厳しい。

 

それに、このクロスカブ

4段変速クラッチなんです。ガシャガシャやるやつ。アクセルだけじゃないやつ。

そこも、女子たちは厳しく言う。

 

確かにね、

原付のってる姿って、あまりカッコいいものじゃない。

昭和っぽいし、猫背だし、

ダッサっていう意見も、否定はできない。

4段変速クラッチも、確かにちょっとアレだ。

 

でもさ、これスクーターじゃないよ!

そんなにダッサくなくないですか?

むしろ、イケてません?

 

うーん、

実はね、別のことでも悩んでます。

いま電動自転車の新車めっちゃ高いんですよ。

しかも、3年毎に新品のバッテリーに交換するでしょ?別売のでかいやつ。

1個6万円なんですよ。でかいバッテリーは。

それに、うちのバッテリーは、でかいから受注生産だから納期もかかる。

ふつうのバッテリーはもう少し安いんですけどね、あまり走らない。

50kmって言っておきながら、実際は30kmだから。

そういうものだから。

カタログスペックなんか信じないから。自分で乗って判断するから。

普通のバッテリーは信用してないから!

別売の、でっかいバッテリーしか信じないからオレは!

 

その点、この

ホンダ クロスカブ50!

抜群の安定性。

世界一な高燃費!

世界のホンダ!

 

エコだ!

 

うーん、悩む!

 

いえね、自分はオートバイ乗りでもあるんです。

大学生のときから乗ってる、でかくて古いカワサキZ2系と、

70年代のバーチカルツイン2台と、

ホンダのオフロード250cc1台、もってます。

だから、オートバイをバラバラにしても直せます。

廃車だって復活させます。

 

ホンダのカブって、すごく信頼性高いんですよ。

頑丈なエンジン、世界中の下町や農村を走り尽くしてる足回り。

基本整備さえしっかりやれば、いい仕事します。

 

基本整備、それ!オレがやります!

 

おれ、メンテナンス完璧にできるし!

オレの自慢の整備ガレージあるし!

電動自転車でもオートバイでも、がしがし直せるし!

むしろオートバイ得意だし!

 

レンタル料も、DAY6000円ガソリン込み込みで、十分に採算ラインだし!

 

うーん、悩む!


私の好きな道 日本にもある廃線跡を利用したRailトレイル

2022年08月14日 | その他未分類
きょうは美瑛のサイクリングの話ではなく、
集客に必死な好感度UPキラキラブログでもなく…
 
こちらは、2018年の日本列島縦断チャリ旅の福井県の日記。
日本列島縦断・日本海ルートでは必ず立ち寄る、私の大好きな道です。
 

DAY24 北陸/ 福井ー敦賀 福井凄いぞ!北陸レイル・トレイル『日本列島縦断 自転車の旅 2018』 - ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

福井には、凄いものがあるらしい。それを確かめに行く。日曜日の朝、福井の中心部は閑散としていた。町外れの橋を渡る。天気予報とは裏腹に、どんより曇り空。初冬の北陸の...

goo blog

 

 

こちらは、2020年の日本列島縦断チャリ旅の福井県の日記。

 

DAY20-22 北陸本線はえらいぞ 富山-金沢-福井-敦賀 『日本列島縦断チャリの旅2020』 - ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

日本海に沿って走り続けている。北風の日は寒く、南風が吹くと向かい風になってしんどい。基本的には風は海からやってきて、右頬を撫でていく感じだ。主要国道は高規格道路...

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私の動画「旧北陸本線跡を自転車で」 

(C)YAMAGOYA GUIDES

 
 
【福井新聞の動画から】被災した大桐から今庄(南越前町)のあたりの様子
県道杉津今津線(旧北陸本線跡の道)
 
 

 

福井県南越前町が災害ボランティア募集 参加方法や作業時間、注意点まとめ 現地直行バスの運行情報も 大雨で被害 | 社会 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE

福井県南越前町が災害ボランティア募集 参加方法や作業時間、注意点まとめ 現地直行バスの運行情報も 大雨で被害 | 社会 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE

大雨で甚大な被害が発生した福井県南越前町で、住宅復旧のボランティアを募集している。8月13日現在、対象は福井県内在住者。受付は、今庄・河野の災害ボランティアセン...

福井新聞ONLINE

 

 

ここ南越前町の県道(杉津今庄線)は、

旧北陸本線の線路跡を利用した山里の生活道路が素晴らしく、まさにRailトレイル。しかも観光用ではなく地域の生活道路というところがまた素朴で感動的で、日本にもこんなに壮大ですばらしいRailトレイルがあったのかと、「発見」したときは大いに感動したのです。

近い将来、JR富良野線(旭川ー美瑛ー富良野)は廃止されるでしょう。早いか遅いかの問題であって大きな時代のうねりは避けられないことはわかっています。しかし、そのときその後、線路跡がどのように利用されるのか、に思いを重ねてみたり。富良野線のRailトレイルも旧北陸本線に負けないくらいきっと素晴らしいはずだから。

今庄、大桐地区は、どうか再生してほしい。

微力ながら私(ガイドの山小屋)も、せめて募金でお役に立ちたいと思っています。

 


南越前町大桐地区 2020年11月

旧北陸本線大桐駅(同じ場所)

 

 

 
 

次々と姿を消していく不思議なボールペンはコレだ!

2019年10月27日 | その他未分類
本日で今シーズンの営業終了のガイドの山小屋。

最終日は何かと忙しいが、
スタッフ一丸となって日が暮れる前になんとか片付けは一段落ついたのだ。

受付セットも片付けた。

このボールペン。不思議なボールペン?

いちばん下のものは、週に2〜3本は確実に姿を消してしまう。そして二度と戻ってこない。

不思議だろ?

そこで、
野良仕事などで使われるポリエステルの目印テープを
受付ボールペンにつけてみた。
上の「下品」な3本だ。

かなりドぎつい原色のピンクで、
素材はポリエステル。
下品だがよく目立つ。

野良仕事や除雪作業などで目印として使うのだが、
2〜3年もしたら劣化してボロボロになり、
飛散してゴミ化して散らばるから注意が必要だ。

これを、事もあろうに北海道の国立公園内の美しいトレッキング路などに我武者羅にペタペタぶら下げてくるやつがいる。

やめろ。
やめんか。

下品や。
下品すぎる。

折角の北海道の野山が、下品な原色のピンクで視覚的に汚染されるばかりか、
前述のように2〜3年で劣化しボロボロになったあとゴミとなって落下して環境まで汚染する。

それも大量に。

俺は、
冬山の仕事では、こいつを見つけ次第、
断固として回収している。
無慈悲に徹底的に。

それは、時には45リットルゴミ袋いっぱいになることもある。

この大量のポリエステルが国立公園内の環境に無法にばら撒かれているのだ。
俺が通るトラックですらこの有様なのだから、
山全体では一体どれだけのポリエステルゴミが散乱しているのだろう。
しかも残置した本人は断固とした正義と善意の名のもとに行っているわけだから、
なかなか始末に負えない。
「俺様の足跡に続く誰か」が道に迷わないようにという正義感は、少し理解できないわけじゃない。

でも、せめて公式の登山ルート上、
そして、「ビニール」ではなく「木綿」にしてもらえないだろうかと切に願う。

理解は出来るから、
俺は声をあげられない。
相手様は正義の味方なのだ。
喧嘩してはいけない。
俺は、
ただ無言でピンクテープを回収し続けるだけでいい。

悪者になっても良い。
悪口言われても良い。
しかし、駄目なものは駄目だと思ってる。

さて。
そんな困ったピンクテープなのだが、
試しにボールペンにくくりつけてみた結果、

不思議!

それ以来、ボールペンが消えなくなってしまった。
ただの一本も。

魔除けの効果か?
遭難防止の御守か?

まことに
不思議なボールペンと、
不思議なピンクテープなのだ。



レンタサイクル屋、土佐の高知のはりまや橋で。

2019年05月30日 | その他未分類
1、レンタサイクル屋は副業する

今朝のレンタサイクル屋は、ジャケットを着る。

本来は作業着なのだが、
きょうは例外。

レンタサイクル屋。
まあ、普通に考えたら
「食っていけない仕事」だ。
まして北海道の美瑛だから
実際に稼げる期間は一年のうち3〜4ヶ月しかない。
当たり前だが、
これでは家族を養うなど、到底無理なのだ。

ボク以外の美瑛の他のレンタサイクル屋さんには「本業」がある。
貸自転車は、ほんの副業。
ブレーキが効かないなど、ひどい評判が散見されるが、そういう背景がある。整備しようにも機械いじりとは無縁なのだから無理もない。

一方で、僕の「ガイドの山小屋」は、ほぼ専業だ。本業は「山岳ガイド」だったが、いまは違う。
山岳ガイドもレンタサイクルも、それだけでは食えない仕事だ。
だから、ガムシャラにいろんなことをして足りない分は稼がなくてはならない。
食っていく、ということは、
大変なことなのだ。

だから、
北海道に「移住」を考えている人は、
その辺のこと、よくよく考えなければならないだろう。

食えなくては、移住はどうにもならない。

さて。
レンタサイクル屋はいま、四国高知にいる。
レンタサイクル以外の仕事で来ている。副業といっていい。

今朝は大切な契約があるのに、
服がなくて、レンタサイクル屋は戸惑っている。

適当に持ってきた服は、
ラガーシャツ、
ラガーシャツみたいなポロシャツ、
ラガーシャツみたいな入れ墨シャツ、

どれもこれも!
ジャケットに合わない!
ちんちくりんじゃないか!

駄目駄目やん!

ワイシャツを忘れたのだ。

朝っぱらから涙目でいたら、
意外にも、
高知は暑いかもと思い、念のため持ってきた速乾素材のポロシャツがしっくりきた。
ジャケットを着たら胸のデザインは隠れるから、これでいいだろうということにした。

やれやれ。
慌てたじゃないか。


2、土佐でうがいする

仕事は午前中に終わり、
午後からは暇になった。

まずは、うがい。

土佐ではこれを「うがい」という。
外から帰ったらまず、うがいなのだ。

郷に居れば郷に従え

うむ。
従わなければならない。

土地のものを食う。

やっぱり土佐はコレぜよ!

お腹も落ち着いたので、散歩する。
美瑛にいるときは、「旭川って都会〜」ってなるけど、さすがに高知市は県庁所在地だけあって
旭川とは比較にならない都市だ。

土佐の高知の、はりまや橋。
昔は小さな橋だったらしいが、
今は複線の路面電車+6車線道路になっている。

観光用の復元橋もある。

しかし、趣はイマイチ。
橋なのに、川はない。

川?ではなく、遊水池遊歩道になっている。
しかし、パッとしない。
ものの3分も歩かないうちに終わる。

はっきりとしたことは言えないけれど、
僕が幼い頃、ここはドブ川だった。

まもなく埋め立てられて、ただの路地になり、長らく、はりまや橋の下も通路だったように思う。
高知に住んでいたわけではないから、何ともはっきりしないが、パッとしない場所だった。

あらためて今、この場所を見たら、
ここはお城の「お堀」の一部じゃないだろうか?
という気がしてきた。

地形と立地が、ここが「堀」であることを指している。
高知城の、外堀の役目を担うものではないだろうか。

「うがい」の効果も手伝って、
僕は、歩いてみることにした。


3、城下町の痕跡

はりまや橋からの遊水池遊歩道が途絶えた先は、公園になっていた。

そのまま公園内を歩いていく。

また、別の遊水がある。

ときどき後ろを振り向いて、はりまや橋からの方向、角度を確認しながらすすむ。

それらしい地形はその先で90度曲がり、さらに続く。

まだ見えないが、左側には高知城がある。
お堀の痕跡を示すものはどこにも見当たらない。

うーむ、車道と車道の間、
この、中央分離帯にしては不自然な広さの緑地、
まさにこの区切りが「堀」ではないのか?

城下町に因む案内板があるが、ここが堀だとはどこにも書いていない。

勘違いか?

そのうち、行き止まりになった。

しかし、何かある。行ってみる。

川??

お世辞にも綺麗とは言えないが、川に接続していた。

やはり!

しかし、証拠はないぞ。

少し戻って、

お城の方向を目指す。

武家屋敷だったこのあたりは空襲で焼け野原になったので、名残はない。
しかし、

この、間口の狭さが、かつて武家屋敷だったことを物語る。
与力というから、さほど高い身分ではないから、家老屋敷のようなわけにはいかない。
町屋によくある区割りがそのまま世襲されている。

途中から「追手筋」を歩く。

このまま進めば追手門。お城の正面玄関に当たる。
途中にあった高校は立派な建物だった。
きっと伝統校だろう。

だいたい県庁所在地のこの立地にある高校は偏差値が高い。
調べてみたら65だった。まずまずだ。

お城が見えてきた。

本丸は標高44mの大高坂山に築かれている。
天守は、静岡の掛川城に瓜二つだ。

それもそのはず。
高知城も掛川城も山内一豊によって築城されたのだ。
山内一豊はよほど掛川に思いを残しての「転勤」だったに違いない。
だから、新しい赴任地の高知に新たな「掛川城」を築いたのではないだろうか。(憶測)

あ!この案内看板は!

古地図!
かつての城下町の地図!
僕が歩いた経路は堀になっていて、その堀が武家屋敷と町人町の境界線になっている。

白の矢印がボクが歩いた経路。
ここはやはり間違いなく「堀」だったのだ。
「掛川町」なんてのもあったんだなあ。

うれしいなあ。


4、兵隊さんと高知城

やっぱりここは、堀のままのほうがいいんじゃないかと妄想する。
堀端には桜が咲いて、
屋形船が往来して、
お酒もすすんで、はりまや橋。

そりゃあ、
土佐の酒呑みには、たまらんぜよ!

終戦後の逸話。

僕の母(高知出身)は
終戦時、小学生だった。
歳のせいか、最近は小中学生だった頃の話をよくする。

B29の音の話。絶対に忘れない不気味な音なのだという。

それから、
祖父の仲良しで、東京から疎開してきたシュモンさんという大好きな叔父さんのこと、通っていた女子校と同級生のこと、
それから、
母が高知のお城のことを話すとき何度も何度もこの話をするので僕はタコ耳なのだが。

以下。

土佐は明治維新のとき官軍側だったおかげでお城の破却を免れ、昭和に至ってなお健在だった。
太平洋戦争では高知の町は空襲にあい、焼け野原だったが、
大高坂山の山頂付近、高知城の本丸は空襲の被害を免れた。

高知城は落ちなかった。

だから高知城本丸は天守を含めてほぼ完全な形のまま維新前の姿を今に残している。

戦地から帰ってきた兵隊さんたちは、高知が空襲でやられたことは知っていた。

復員列車から降り立ったとき、
まず、
予想通りの焼け野原。

見慣れた高知の町は、もうそこにはなかった。

しかし、その先、
大高坂山に凛と立つ、
高知城を見たという。


兵隊さんたちはみな、
泣いたという。

それが、
高知城なのだ。