自転車の空気入れ(バルブ)には、
①米式
②英式
③仏式
3種類あり、日本では一般的には、
②英式が多く使われています。
①米式のバルブ クルマやオートバイと同じ
②英式のバルブ 日本の自転車で、もっとも普及しているタイプ
③仏式バルブ ヨーロッパからの輸入車を中心に普及している
市販のママチャリは、ほぼ100%が②英式です。
みなさんの自転車も、空気入れのバルブは、
おそらく英式だと思われます。
家庭用自転車ではおなじみの英式バルブ
一方で、クルマやオートバイのバルブの世界標準は、
①米式です。
みなさんのクルマやオートバイもコレですよね。
また、理由はよく分かりませんが、
ロードバイク(自転車ガチの人が乗ってる、かっちょ良くて、めちゃ高そうな自転車)は、
③仏式のバルブが多く使われています。
ガイドの山小屋では、全車が
②英式を採用。
バルブを統一することで日常の整備効率は格段に上がります。
何しろ100台以上の電動自転車があるので、効率は安全に直結するんです。
しかし、ワタシの個人的な旅用の自転車は、
クルマやオートバイと同じ
①米式のバルブです。
なぜ?
って感じですが、
ワタシの自転車旅は「辺境」と呼ばれる地域に吸い寄せられてしまうことが多いので、
①の米式が都合が良いのです。
まず第一に、
クルマと同じ規格なので頑丈なことがあげられます。
第二に、
辺境であってもメンテナンスが可能。自転車店が見つからなくてもいいんです。
米式バルブならば、クルマの修理を行う施設でメンテナンスが可能です。
同じ理由で、自転車の素材も鉄で統一しています。(鉄=クロモリといいます)
自転車本体も鉄。
キャリア(荷台)も鉄。
世界の果てのような辺境地のガソリンスタンドでも、
ガレージの片隅に置いてある旧式の溶接機があれば応急処置が出来るんです。
たくさん荷物を積むので荷台は度々ダメージを受けます。
壊れそうになったら、溶接してもらうんです。
奥地に暮らすヒゲおやじが嬉しそうに
バチバチバチッ!って火花散らせながら溶接してくれますよ。
たとえば、オーストラリア大陸の場合、
内陸部の旅ならば、次の自転車店まで800kmとか1000kmなんてことはザラ。
しかしガソリンスタンドならば100km毎にほぼ必ずあるので、
(註:300km以上補給なし区間もありました。グレートビクトリア砂漠など)
クルマと同じ米式バルブのタイヤ、鉄で構成された自転車ならば、
それら併設のガレージで何とかなるんです。
半年前、前回の旅では、
タイヤのトラブルに悩まされました。
パンクの頻発、修理また修理、予備のチューブも使って、
今度は新品のチューブの空気バルブから空気漏れが。
バルブの修理をすべくクルマ修理屋さん、ガソリンスタンドを探してまわり、なんとかなったんですが、
実は、バルブの空気漏れは簡単な工具1個で解決するんです。
バルブコアまわし、って言います。
これ、日本では
「虫回し」って言います。
バッタをぐるぐる回すわけじゃないですよ。
猿も、まわしません。
お皿も回しません。
バルブの中心にある空気弁の役割をするゴム部品を
「虫ゴム」と呼ぶので、
虫ゴムをまわす、そういう由来だと思われます。
バルブの中心(コア)を絞めたり緩めたりして空気弁の強弱を調整するものです。
「常備しなければ。」
って思いました。また荷物がひとつ増えますが、致し方ありません。
旅の途中にワタシ、これを探しました。
荒々しいタスマン海に面してグレイマウスという小さな港町があるのですが、
町の隅から隅まで彷徨い、
工具店、自転車店、カー用品店などなど1軒1軒訪ねてまわり。
しかし!問題が。
ワタシの英語では
「タイヤの空気バルブのコアを回すドライバー」
をうまく説明できないんですよ。
いやいや、久しぶりに英語大苦戦。
スコットランド訛りの若い店員さん、インド訛りのおじさん、いろんな人が親切に相談に乗ってくれたけど、
伝わらなかったり、モノが無かったり。
結局入手できず、半年後のきょう、
Amazonで買いました。
ああ、やれやれ。
といったところです。
遠い道のりでした。