和田山とは古い呼称で、いまは朝来(あさご)市という。
隣の八鹿(ようか)町も、いまは養父(やぶ)市という市になった。
両市は隣接しており、どこが境界なのかも市外からきた者にはわからない。合併しても良さそうなものだが、だいたい同じ規模なので、かえってまとまらなかったのかもしれないと思った。
僕たちが学生の頃は、和田山であり八鹿だったので、古い呼称に馴染みがある。だから古い呼称を使うことをご容赦いただきたい。
和田山の町を覆う朝霧が晴れた。
背中に朝陽を受けて、道路にチャリダーの影法師。
町なかといっていい場所にもトンネル。
この次のトンネルは1.2kmもあった。
疲れた。待避所で休憩。
トンネル内は暖かい。
トンネルの中は衛星の電波が捕捉出来ずGPSは途切れる。
長いトンネルを抜けると天気が芳しくなかった。
八鹿(ようか)に入る。
和田山とほぼ同じく標高70m前後。
八鹿の市街地から続く川沿いに
いくつもの集落をつないで走る。
しばらく走ると、それは突然訪れた。
いきなり急登で但馬越えの始まり。
2×2くらいのギアで淡々とのぼること15分くらいで、
いったん落ち着く。
登坂車線があるのでクルマに迷惑にならない。
広い道は気が楽だ。
なんだってぇーー⁈⁈
ループ橋が立ちはだかる。
くるくる
くるくる
一回転半するらしい。
めっちゃ、くるってる!
くるった国道9号線を
くるくる登る。
くるくるしている間に勾配を吸収しており、
案外と楽に登れる。
あのへんは、さっき写真撮った場所だね。
峠を登りきると、トンネル。
標高400mを超えた。
トラックの上を
飛び越えていく迷惑行為な、
しかもレトロなスキーヤー。
トンネルに、
ストックかよ!笑
チャリダー向けの注意書き。
ああこれかな。
せっかくだから歩道を行く。
ちょっとスリルだけど有難い。
福井県では考えられない配慮だ。
中央付近から降り勾配になっていた。
出口も、
もちろんストックだし。
この1kmを超える但馬トンネルが、
鳥取ー京都間の国道9号線、最高標高地点だった。
標高420m。
降り勾配始まる。
山里に入っていく。
鳥取はまだまだ先だ。
山里の峠。
GPS表示との誤差を確認。
やっぱりGPSは優秀だ。
いいタイミングで現れるコンビニ。
本当に有難い存在だ。
旧道キター!
行く!
いい感じだ。
但馬越えには無数の峠とトンネルがある。
1kmを超えるトンネルも多い。
何気ないトンネル
歩道はないけど、充分な広さがある。
右へ行くと香住。
香住といえば、カニだな。
分岐には誘惑が詰まっている。
あれは、半端ない悪氣を発している。
包み込むオーラが黒に近い紫色だ。
どれだけの善意の人々から搾ったのだろう。
鳥取まで50kmを切った。
待ってろスナバ!
峠が始まる。
鳥取/兵庫の県境が近い。
正午近くになり、バテてきた。
エナジーチャージだ!
兵庫県側最後の峠、春来峠にある春来トンネル(1.6km)は、
片側工事中だった。
工事エリアを走らせてくれた。
右車線なので妙な気分。
湯村温泉。
いまは新温泉町という。
湯村温泉でいいだろ。
「千と千尋の神隠し」みたいだ!
超絶・楽しそうじゃないか。
主要な道と道が交わるから、
出合という地名なのだな。とチャリダーは勝手に解釈する。
嫌な空模様
やな予感。
雨やどり。県境の峠は近いのだが。
ご近所さんの視線、見てないようで、めっちゃ監視されているぞ俺!笑
いたたまれなくなり、
雨あがってないけど走りだす。
日が差してきた。
間もなく雨あがる。
歩道がなくなり、段差を降りる。
よいしょ、っと。車道に降りること無数。
で、ここはどうすれば?
やっぱりここも、
よいしょ、っと。
今度は歩道に登る。笑
このトンネルが県境だったようだ。
鳥取キター!
北海道から中国地方まで1カ月以内にきた。
国道9号線はこのまま高速道路になるらしい。
指示どおり迂回する。
途中の峠。駆馳山峠かな?
凍結注意?
北海道民の僕から見たら、わざわざ氷地獄を形成させているように見えて仕方がない。
おーい!
ここを通れと?
嘘だろ?
チャリダーはこのまま、土砂降りなか2〜3km走る羽目になる。
もちろん下半身ずぶ濡れになる。
きょうは水難の相だな。
濡れたまま、鳥取市。
ちなみに雨じゃない。
鳥取の消雪パイプ、
噴出水量半端ない。
再び国道に合流だ。
高速道路感、半端ないね。笑
で?
私はどうしたらいいのかな?
自転車を持ち上げて柵を越えろというのか!
はい。
自転車を持ち上げてフェンスを越えて、
めでたく歩道入り。笑
鳥取らしくなってきた。
やっぱり。
国道9号線。
車輪が砂に取られる。
鳥取市街地が見えてきた。
違う!
違う!
違う!
鳥取は、そうじゃないから!
市街地にラウンド・アバウト発見。
ちゃんとラウンドアバウトだ!
ニュージーランドやん!
鳥取市内、聖地を求めて彷徨う。
鳥取、ずいぶん遠くまできた。
本日の走行距離、
96km。