ガイド日誌 - 北海道美瑛町「ガイドの山小屋」

北海道美瑛町美馬牛から、美瑛の四季、自転車、北国の生活
私自身の長距離自転車旅
冬は山岳ガイドの現場をお伝えします。

[2]東北 青森ー盛岡ー福島ー白河 ●日本縦断自転車の旅2021

2021年11月26日 | 自転車の旅 国内
11月11日〜11月22日
国道4号
青森ー盛岡ー仙台ー福島ー安達太良ー白河

津軽海峡を渡り、青森に着いたら雨だった。
雨はそれから3日間続いた。
じたばたしても始まらないので、
港に近いビジネスホテルの一室で静かに過ごした。

確実に冬が近づいていた。空は鉛色で北風強く、束の間の晴れ間からサーッと暗くなり雨がくる。その繰り返しだから合羽を着たまま走った。
青森から盛岡までは山地越えで、国道4号は狭く路側はほとんどない。平坦な区間は少ない。標高450mほどの峠(十三本木峠・国道4号の最高地点だそうだ)もある。
やがて国道4号は八幡平の山麓をゆく。盛岡に至ると空が広く明るく感じた。

北上川に沿って南へ走る。広大な田園風景が続く。毎日何本もの東北本線の貨物列車を見送る。平野と穏やかな丘陵が続き、やがて田んぼの向こうに仙台の町が見えてきた。

仙台から福島へ。
黄金色の秋に包まれながら走る。
阿武隈川、大きなイチョウの木がある寺や村落のお堂。のどかでホッとする風景。
国道4号を行き交うクルマからの嫌がらせも圧力も一切ない。人は穏やかで優しい。

11月20日
安達太良山の麓にある友人宅に立ち寄る。
天然ナメコや天然舞茸、釣ってきたイワナをたらふくご馳走になり、俺史上最高に美味な新蕎麦をご馳走になり、温泉に連れて行っていただき、筆舌に尽くせない歓待を受ける。そのまま一晩泊めていただく。
旅の疲れがほどけていくようだ。

目指すは鹿児島。
白河の関を目指して南へ。
標高が200、300とじわじわ上がる。
国道4号は須賀川を過ぎたあたりから再び細く荒れ気味になってくる。やがて白河に至る。
これで広い広い東北地方が終わった。この先、道は那須を経て関東の平野へと下っていく。

芭蕉さんの像のそばで、この先の旅路を考える。
右(日本海側)へ向かうか、
左(太平洋側)へ行くか。

東北地方をゆっくり走った。心が浄化されていくようだった。
ありがとう東北地方。

次は日本海側に行くことにした。


青森に着いた。


やまない雨はない。静かに過ごす。


盛岡は空が明るく、綺麗な街だ。


雨あがり 北上川に 架かる橋


やっぱ安宿は快適!


安宿必需品。マイ延長コード


黄金色の季節だ。


最近流行りの駐輪場だけど、
無理。


俺史上最高の新蕎麦との出会い!


白河の関に至る。東北地方が終わった。


次の旅は日本海側へ。しかし…

[1]北海道 美瑛ー札幌ー函館 ●日本縦断自転車の旅2021

2021年11月10日 | 自転車の旅 国内

10月27日〜11月10日

美瑛ー札幌ー苫小牧ー函館
 
不肖、ガイドの山小屋、
職業、レンタサイクル屋。
また、現役の旅チャリダーである。
今年もまたコロナで国境は閉ざされているので、
5回目か6回目の日本列島縦断チャリ旅に出かけることにした。
 
自分探し旅でもない、でっかいことしてやろう旅でもない。
宣伝もしない、クラウドファンディングで旅の資金を募ったりしない。
まして背中にデカデカと「日本縦断中」なんて書かない。
いい大人がみっともないだろ。
 
ただ旅が好きなのだ。
特に人力の旅は最高だ。
 
10月27日
美瑛町ガイドの山小屋を出発、
目指すは鹿児島!のはずが、
アクシデント発生でいったん引き返した。
出発をやり直すというハプニングもあったが
その後は順調に函館を目指した。
 
低気圧と北風の機嫌をみながらペダルを漕ぐ。
あまり深くは考えずないで、ユルく旅をする。
チャリ漕いで南へ南へ。
 
成り行きに身をまかせ気がつくと函館まできていた。
 
津軽海峡が立ち塞がる。
 
メシはうまいし、人はいいし、
やっぱり北海道は最高だった。
 
ありがとう北海道。

雨あがりを待って、
自転車と一緒に津軽海峡をわたる。
冬が近い。
 
Photo 10月27日〜11月10日

私たちの暮らす北海道北部の小さな町、美瑛にも冬が近づいてきた。


空知川に沿って南へ 紅葉が眩しい


芦別にきたら、ガタタンだ。


歌志内から砂川へ、炭鉱鉄道の跡を走る


石狩平野はでかい


苫小牧を過ぎて、しばらくして雨雲に追いつかれた。自転車を分解して鉄道に乗る。


函館で雨上がりをまつ


北海道は安くてうまいものだらけ。最高だ。


津軽海峡を渡る。
 

もちろん相棒も一緒だ。
 
 
 

DAY47 【終】自転車で桜島を一周してみた⭐︎『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月20日 | 自転車の旅 国内


日本列島縦断チャリの旅2020』のフィニッシュが、
こんな写真では、なんだかなあ。

天気はいいし、帰国は明日。
ゴロゴロしていても仕方がないので、
自転車で桜島に行ってみる。


朝の桜島フェリー乗り場。
通勤みたいな雰囲気だ。

鹿児島港では自転車に乗ったままで直接、乗船口にいく。乗船手続きや支払いはまだない。

●料金は、桜島港の料金所で支払う。

大人一名+自転車で330円だった。


ポンと乗る感じ。


あっという間に桜島。
うどん食うなら急いで飲み込め!


桜島港に到着。
料金所がある。


島を時計回りで一周することにした。
時計回りなら海側の車線を走れる。




島の北側を走るのは30年ぶり。
30年前は桜島の降灰に苦しんだけど今日は穏やか。


しばらく走ると結構な峠道があった。


標高200m近い。


峠の上からは海が綺麗。


交通量は少なく、
南の島感がある。


神崎造船。


黒神地区から山を見る。


鹿児島側と違い、
怖い印象だ。


盛大に埋没している有名な鳥居。
桜島一周の中間地点だ。
所要時間は、桜島港から1時間くらい。


桜島と大隅半島の接続地点あたり。


桜島口

●ここまで島の北側(中盤以降アップダウン繰り返し、交通量少な目)、
●ここから島の南側(交通量多め、明るい道)を走る。

島の南側もまた平坦な道ではないし交通量が増えるが、比較的走りやすい。


大隅半島方面を見る。


冷え固まった溶岩の上に建設した道路なのだそうだ。


なんとなく、十勝岳の白金上富良野線に似ていると思った。


灰で見えない!


道の脇は桜島が吐き出した火山灰だらけ。
除雪ならぬ除灰が堆積している。

我ら北海道民の「雪かき仲間」じゃないか。


南側。山の表情は明るい。
昨日、うどん食いながら眺めた山だ。


島にはこういうシェルターが至るところにある。

大学生の頃、旅で出会った野郎と3人でこのシェルターのひとつに泊まったことがある。
この中に本体だけのテントを張り、スーパーマーケットで買った鶏肉を丸ごとラジウス(灯油を燃料としたキャンピングコンロ)で焼いて、灯油臭い焦げ臭い肉をワイワイ食っては、お互いの面白旅エピソードに笑い転げた。
19歳か20歳だったと思う。


このホテルにお風呂を借りにきた。

フロントのお兄さんは、
「内緒だぜ?」という感じで俺たち3人からお金を受け取らなかった。

そんなことを思い出した。
30年以上の歳月を経て、
ホテルはずいぶんと寂れた感じだった。

俺は少しショックを受けたし、自分自身を恥じた。

ああ、なんだって俺はそんな恩を忘れて、鹿児島市内に2泊もホテル予約しちゃったんだろう。

次に来る時は、絶対ここに泊まろうと思ったのだ。

それにしても、あの2人。
名前も顔も全く覚えてない2人。
2人連れではなく、それぞれ一人旅だったはずだ。
あいつらも桜島に来ることがあったかもしれない。

俺みたいに、あの馬鹿馬鹿しい夜のことを思い出しただろうか。
焦げた肉の味。
硫黄の匂いがきつい、熱い温泉。

あいつら、どうしているかなぁ。
いまどんな生活をしているだろうか。
おーい、お前らどうしてる?

名前も覚えていないが、今でも魂の深いところでは繋がっている気がする。

思えば、若い頃はそんなこんなアホアホな面白い出会いが沢山あった。
どの旅も、そんな「面白エネルギー」に満ちた濃厚な日々だった。
あの日々が今の自分の土台になっていると強く思う。

桜島が思い出させてくれた。


砂防。


桜島港は近い。


対岸の鹿児島が見えてきた。


桜島港から帰りのフェリーに乗船。

●桜島一周は36〜37km。

●僕の所用時間は2時間少々。(荷物を下ろした状態の旅自転車、ランドナー)
●ロードバイクなら2時間弱
●マウンテンバイクタイプで2時間半

●ゆっくり写真を撮りながら、
旅荷物を積んだ状態などの場合、
だいたい3時間くらいのサイクリングだ。

ママチャリ型の自転車では、
電動自転車であっても一周サイクリングは厳しそう。
平坦な道は少ないのだ。

マウンテンバイク、クロスバイクが最適と思う。

●コンビニは、桜島港に2軒のみ。(ローソンとファミマ)


あっという間に鹿児島港に着岸した。


昨日と同じ場所で。
ようやく旅の終わりを体感した。


鹿児島に来たらコレだ。
名物しろくま。

にしてもデカすぎる。


三分の一食った。
まだまだ先は長い。
お前はエースコックのスーパーカップか!

750g、1079キロカロリー
桜島一周の消費が台無し笑。


翌朝、鹿児島空港へ。

鹿児島ー羽田空港
乗り換え
羽田ー旭川

オーバーチャージは2000円×2区間。


つい先日、
都城から見た霧島連山が離れていく


人がまばらな羽田空港


羽田空港のラウンジで、すごい夕陽に遭遇。
しかし、誰も無関心。
都会人って病んでないか?って思った。


北海道美瑛町美馬牛
『ガイドの山小屋』
面白エネルギー研究所。

家に帰り着いたら、大雪だった。
日本って、なかなか広いな。

『日本列島縦断チャリの旅2020』
おわり







DAY45-46 桜島が見えてきた 都城-鹿屋-鹿児島 『日本列島縦断チャリの旅2020』

2020年12月20日 | 自転車の旅 国内


都城の朝。
真っ直ぐ鹿児島市を目指さずに、いったん鹿屋に向かうことにした。


国道10号を走り始めて、しばらく行けば、

鹿屋方面に分岐するはず。
道路標識あるはず。
と思いながら走っていたけど、


30分もしないうちに、


県境を越えて鹿児島県に入る。
このあたりで違和感を覚えて地図を確認したら、
鹿屋方面ではなく真っ直ぐ鹿児島を目指して爆走していることに気づいた。


地図で方向を確認して
適当なところで南に向かう農道に入ってみた。
鹿屋方面に向かう国道269号に出るはず。


うん。


完全に道に迷ってるね。俺。


薩摩のどこかにいるのは確かなんだ。

うろうろ。


そのうち、南に向かう鉄道線路みたいな道を見つけたので、乗っかってみる。


踏切跡??


信号??


踏切??


駅??

このあたりで、ようやく無事に国道に合流。


しかしながらリサーチ不足が襲いかかる。
登って下る。また登って…
繰り返されるエンドレス。
なかなかしんどい国道269号。

なんでも曽於市(このあたり)は乃木坂46というアイドルグループの、
大桃美代子?的な名前の子の出身らしく、
地元は誇らしげに盛り上がっているのだが、
チャリダーは、それどころじゃない。
山道、峠道、崖崩れ、猪出没。
険しすぎる道路条件に汗だく。
嶮路とアイドルが結びつかない。過酷だ。

鹿屋は遠かったのだ。


翌朝、
「鹿屋航空基地資料館」を訪問する。
ここは知覧と並ぶ、特攻隊の地。
いつか訪問したいと思っていた。


海底から引き揚げられて復元された零戦。


操縦席。


屋外にも大戦から今日までの航空機が展示されていた。

知覧と同じく、
胸が痛む場所だった。


内陸の鹿屋から、
海に向かった。
国道220号で姶良火山の外輪山を下る。


海沿いに出てきた。


やがて桜島が見えてきた。
旅のゴールが近い。


垂水港から対岸に向かうフェリーに乗船する。


フェリーでは、
乗客が一斉に「うどん売店」に並ぶので、
もちろん!
俺も参戦。


フェリーの乗客はみな、
航海中にうどんを食べる習わしである。

俺も郷に従う。
致し方ない。


12月12日夕方、
そうこうしているうちに、
対岸の鹿児島に着いてしまった。

あ。
これって日本列島縦断チャリ旅のゴールじゃないか。

うどん食って下船。

全然、
ドラマチックなゴールじゃないぞ。

現在地
北海道美瑛町美馬牛『ガイドの山小屋』から
約2500km