角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

ALWAYS 三丁目の夕日'64

2012-01-22 23:09:35 | 映画
ミーハーですがさっそく公開初日に観てきました。
さすがの人気シリーズも息切れして2番煎じになるだろうと思いきや、いやはや脚本の巧みさに一気に2時間22分魅せてくれます。

3Dである必要があるかどうか疑問に思うのは、むしろ脚本が上手いからでしょう。
それだけ、フツ―に面白いってことです。

この映画は第1作目 と2作目でほぼ完ぺきなストーリーで完結していただけに、この5年後を描いた3作目はどうなるのかと思っていましたが、物語り的には、今回は第1作目に対をなしているといえます

多少、強引な付け足し感があるもののそんなに気になりません。

物語の重要なポイントは二つ。

1・ろくちゃん(六子)の恋の行方


2.主役の売れない作家、茶川龍之介と義理の息子、淳之介との顛末



1.の六ちゃんエピソードはおなじみ堤真一演じる「鈴木オート」の社長さん
一家を中心に笑いあり、お涙ありのほのぼのとしたストーリーがドラマを盛り上げます。

そして、ドラマの背骨たる主軸の2.の茶川、淳之介の小説好き両親子のストーリーは茶川の実父の死のエピソードを交え感動のクライマックスへと向かいます。

思えばこの物語は出産、結婚、葬式等、の人間の節目を描いた群像劇と言ます。

そして、この作品の最も魅力的ななのは戦後間もない昭和という」その時代背景。

これほど、美術昭和の生活感再現した美術が重要視される映画も珍しいと言えるでしょう。



小生が前作で特に印象に残ったのは・・・

1作目では三浦友和演じる宅間医師の米軍の空襲で亡くした妻と娘との再会のエピソード。もちろん夢。

2作目では堤真一演じる鈴木社長と亡くなった戦友と家での酒席のエピソード。これも夢。
そして、その奥さん(薬師丸ひろ子)が、戦争で離ればなれになった婚約者と日本橋で再開するエピソード


いずれも、深い深い、本当に深い戦後間もない復興に奮闘した先人たちの「心の傷」を描いたエピソードです。

この第3作ではこの「戦争」のエピソードは全く無く、「東京オリンピック」を中心としたイケイケドンドンの、ただただ平和の中の出世とか、安定した生活の話が中心となっていくのは(現代とほとんど同じ)やむをえないと言えましょう。

しかしながら、茶川の実父(明治人)の死して残した息子への批評の言葉などは、そのまま淳之介へと受け継がれ希望の灯をともしている物語の主軸はやはり、生ぬるい現代人とは明らかに違います。

この点も踏まえ、まず第1作目をご覧になって劇場に向かわれるとより一層深い感動を味わえること請け合いです。

ちなみに小生は思春期の長男を含む5人家族で鑑賞しましたが、ぜひ、大勢の家族で楽しむのを推奨するものです。

それと・・・誰か3Dで鑑賞した人の感想が聞きたいですねぇ。情報があったら教えてください。