角岸's blog (Kadogishi s' blog)

酒、酒&映画・・時事問題?

橋下さん「公務員は10万円受け取ってはいけない」ルールってやっぱり、おかしいですよ。

2020-04-26 17:32:13 | 時事問題

1月の後半、小生は出張で名古屋へ行く案件がありました。
 三沢空港→羽田空港→センとレア空港という経由でしたが、途中わけあって、成田第2ターミナルによりました。
 ここは、中国本土から4社乗り入れしている国際空港で、その時の黒いマスクの大集団にちょっと怖さを感じたものです。数千人はいるであろう、マスク集団はもう異様そのものだったと記憶しています。

 さて、名古屋で宿泊しているホテルでテレビをつけると、当時、武漢で発生していた、新型コロナウィルスに「緊急に日本政府は対応すべきだ」といち早く論陣を張っていたのが、橋下徹さんその人でした。
 「この際、人権問題は後回しでいいから、ウィルス対策の法律を作り、人の流れを規制すべきだ」とね。

 その頃、国会ではあいも変わらず「桜を見る会」またぞろ「モリカケ問題」などのしょーも無い低レベルな質疑で終始してたので、橋下さんの「対コロナ緊急対策提言」は関心したものです。
 平時は安倍さんでもいいけど、乱世はこういう人じゃないと、(宰相は)務まらないのかなぁと思いました。マジで。

 それだけに、それだけに・・・今回、彼の「公務員や給料がビタ一文減らない人には、10万円を受け取らせず、生活に困っている人に、そのお金を回すルールを作るべきだ」とう提言は実に残念です。しかも、彼らから取上げたお金を生活に困ってる人に2度、3度配れとおっしゃる。
 一見庶民の味方の意見に聞こえますが、全然間違ってる。
 霞ヶ関の高級官僚は知りませんが、(特に地方の)公務員は庶民そのものです。
 

 例を見ていきましょう。

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例1(橋下ルールの政府給付金10万円を受取れない人)

 知り合いの公務員で「東京の大学進学が決まっているのだけど、開講しないため、未だに現地で暮らせないのに寮の家賃(食事付)を払い続けているという人が複数います。結局、実家に居ても生活費はかかるから、嫁のパート代突っ込んでも全然足らないと・・・。 

 実はかくいう小生もそういう立場におかれています。3月から食事付学生寮代を払い続けていますが、東京に行かせられず(移動・アルバイト禁止令が大学から出てる)、こっちでも生活費かかるので、二重三重のお金がかかります。
 さらに、小生の場合、留学してた長男を帰国させるのにも莫大な費用がかかっていて、もう、火の車というものです。私事ですいません。

一方で、こんな逆の例も聞きます。

例2(橋下ルールの政府給付金10万円を2度、3度受取れる人)
 コロナ禍前までは、儲かっていた(公務員の数倍)独身事業者さんで、羽振りの良い派手な生活をしていたが、贅沢暮らしで貯金してなかったのか、今は固定費、生活費にも困っている。

例3(橋下ルールの政府給付金10万円を2度、3度受取れる人) 
 生活保護者の方(もちろんごく一部)で生活保護費が出されると、そのお金を持って一目散にパチンコ屋に行く。もちろんコロナ禍なんて関係ない。金が無くなるまで、パチンコ通い。

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お分かりでしょう。橋下さんのルールを適用すれば、こうなります。

 公務員はじめ、給料が減らずとも、コロナ禍が原因で、経費がかかりお金にご苦労されている方は数多居ます。にも関わらず彼らは、給料が減らないという理由だけで、今回の政府補償の対象からメカニックにはずされる。その子達も進学をあきらめなければならないかもしれない。

 一方で、コロナ前は贅沢暮らしをしているが、コロナ後は公務員から取り上げたお金で再び救済される方。もしくは、パチンコ好きで、コロナなんかそもそも関係ない方が公務員から取り上げたお金で、ギャンブルに使う。しかも、橋下ルールだと2度、3度とギャンブル軍資金が配られる。

こんな馬鹿げたルールってありますか?

 土日も不眠不休でがんばっている、厚労省の皆さん、保健所の皆さんもたくさんいます。もちろん医療関係にも公務員の皆さんたくさんいます。

 この10万円の政府補償費配布の最前線は地方役場の窓口の皆さんです。中には「この人、10万円受取ったら直にパチンコ屋に行くな。」って地域住民のことをわかってる役所の方もいらっしゃることでしょう。

 さらに警察官、消防士、自衛隊、海上保安官たちは、それこそ三つの密になりやすい現場にありながら、国と国民を守るためにコロナの恐怖と隣りあわせで、今日も働いています。そして、彼らを支える家族も同じ立場と言えましょう。

 橋下さんの提言は一見、正論のように聞こえます。
 「安定した給与を補償された労働者は、自ら率先して貧しくなった人、貧しい人に自らのお金を与えよ」とね。
まぁ、ノブレス・オブリージュですよね。

 しかし、良く考えるとやっぱり詭弁ですよ。公務員だけじゃなく、給料が下がらずとも、テレワーク出来ない現場の最前線で働いている労働者とその家族こそが、この国を支えている中心です。
 橋下ルールはそんな彼らの勤労意欲を削ぐし、何より給付のスピードも落ちる。何度も言いますが、今は一刻の猶予も許されない緊急事態なのです。

 「コイツは受取られないが、コイツは受取れる」って決める人はそもそも誰なんですか?

 それをジャッジするする人は公務員だとマズイんじゃないですか?


 全国でそれを線引きする人間にも、膨大な人件費がかかる(本末転倒)んじゃないですか?

 橋下ルール(法律)を作って、いつ施行される? 早くて来年?

 返す返すも馬鹿げています。

 橋下さんは良いことも言いますが、ちょっとこれは「百害あって一利無し」というものです。