今日は節分、明日は『二十四節気』の一つ立春ということになって、いよいよ春到来ですか・・・なんだか今年はずいぶん前から春がやってきているようにも思えますが、昨日の各地での雪は「だからまだ冬だって言ったジャン」とのお天道様の言い訳にもきこえます。
小さいときから何かといえば「日本の良さは四季の移ろい、季節季節の風流があること」なんて教わってもきましたし、確かにそうだとも思ってきました。
一年365日を15日ずつ区切ったのが『二十四節気』。それをまた5日ずつに分けたのが『七十二候』。この二つのうち『気』の字と『候』の字をとって『気候』というそうですけど、『節気』や『候』を感じ取れる日本であって欲しいもの、さしあたっては無駄なエネルギーを使わないように努力しなければいけませんね。
「よし、休みの日には、昼間は暖房を使わずに一日布団にもぐり込んで本でも読んで、暗くなったら一杯ひっかけて寝ちゃおうか」(おいおい)
酒で思い出しましたけど、私とちがって(笑)お酒好きな方は、今晩だけは『生酔い』程度で止めておかれたほうがよいそうでありますよ。
『生酔い』ならばすぐに正気にも戻るでしょ、正気→鍾馗さま、鬼は鍾馗さまに頭が上がらない、なんちゃってね。
だれですか?正気だろうが、正気じゃなかろうが、我が家の鬼は気にしないなんて言うのは、その鬼は弁天さまか観音さまでいらっしゃるでしょ。
中国は唐の時代、かの楊貴妃がメロメロにさせた玄宗皇帝。
ある日熱にうなされ、夢を見たそうで
「虚」、「耗」という小鬼が現れ、楊貴妃の香袋と笛を盗んで行こうとするので
「誰かいないのか!」と大声で叫ぶと、
どこからともなく破帽子をかぶり角帯をつけ革靴をはいたひげ面の大男が現れ、
あっという間に鬼を食べてしまったという、これが鍾馗さまであります。
『豆まき』も『鰯の頭』も『柊』も、鎌倉時代以前は旧正月の行事・習わしだったそうであります。
『豆まき』は、もともと大晦日に年男が「福は内、鬼は外」と大声で豆をまく、『追難(ついな)』あるいは『鬼やらい』と言われた行事だったそうで、この正月行事が立春の前の日に行われるようになって、年に4回あった『節分』のうち、立春の前の日だけがきわだって現代に残ったのだそうであります。
三つ子さへ かりりかりりや 年の豆 (一茶)
母に年の数の豆はちと食べさせられませんが、それぞれ一年の無病息災を祈って、お豆をいただきましょう。
私は煎った豆でもあてに、一杯キュッといただきましょうか。
「いいかげんにしときなさいよ!」
鬼が叫ぶから
「はいはい、『生酔い』程度にしときます。」
さて今日の一枚は、私の発想の貧困さを暴露したような選曲です。
節分→明日は立春→春が来る→SPRING IS HEREとの発想が浮かぶと、こんどはコルトレーンの「STANDARD CLTRANE」とエバンスの「PORTRAIT IN JAZZ」しか考えられなくなって・・・・でも以前に紹介しているはずだし・・・・・・・
それで、えいやぁでこのアルバムを選んでしまいました。
ファンの方にはたいへん申し訳ないのですが、リッチー・バイラークって私はあまり得意じゃないんですよ。
なぜ?・・・・・ごめんなさいどうしても飽きちゃうんです。
たとえばケニー・ドリューの一時期を聴いていて昔の彼を懐かしむとか、マル・ウォルドロンの70年代のソロ・コンサートを聴きに行って寝てしまったとか、そんな感覚?
いや、そうではなくて、私は、根本的にキノコという食材がきらいで、食べられないことはないのですが、キノコ類全般にある根本の匂いがどうしても好きになれません。それでいて、美味しいと思う部分もあるんですよ。でも根本の匂いはやっぱり嫌いなんです。
バイラークに関しても、同じような感覚があるのかもしれません。
このアルバムも、一曲ずつ聴くぶんには、じつに綺麗な旋律に癒される気にもなるのですが、全曲立て続けに聴くのはどうにもダメなんです。大好きなジョージ・ムラーツのベースもその思いを打ち消すことは出来ません。今日も4曲で終わってしまいました。
本当にごめんなさい。これは、理屈じゃないんです、単なる好みです。
それでも「SPRING IS HERE」だけで、このアルバムを紹介する私を、今日は許してやってください。
ROMANTIC RHAPSODY / RICHIE BEIRACH
2000年11月18,19日録音
RICHIE BEIRACH(p) GEORGE MRAZ(b) BILLY HART(ds)
1.FLAMENCO SKETCHES
2.SPRING IS HERE
3.BLUE IN GREEN
4.OLD FOLKS
5.YOUNG AND FOOLISH
6.PRELUDE No.20 C MINOR
7.HUDBA
8.I WISH I KNEW
9.THE LAST RHAPSODY
追伸、
言い訳がましいようですが、このアルバム、CDだからいけないと思うんですよね。LPの片面の長さというのは、私は最良の長さじゃないかと思っています。
えっ?それじゃ晩年のコルトレーンはどうするんだってですか?
それはそれです。(笑)