人生でいちばん楽しい瞬間は、誰にもわからないふたりだけの言葉で、誰にもわからないふたりだけの秘密や楽しみを、ともに語り合っているときである。
と言ったのはゲーテでしたか。
今日はバレンタインデーでありますね。そこかしこにふたりだけの言葉で語り合う男女がいらっしゃるのかもしれません。
「こんちくしょう、上手いことやりやがって」
と、やっかみを覚えた歳も早遠い昔、いまや子供のままごとを見守る良き父のような心境で、ただただ代の喧噪を見守る私ですが、
「何言ってんの、バブさんだってまだまだ、一花も二花も咲かせられるわよ」
「そうか、ほんじゃそう言ってくれる○○ちゃんでも口説いちゃおうかなぁ」
「いやいや、何処かにはいるという話で・・・・大丈夫、バブさんにはバブさんの魅力があるから」
って、何の慰めにもならない言葉をかけられながら『義理以下チョコ』をいただくのであります。
かといって本音を言えば、歳だから全てをあきらめているということもなく、「忍ぶ恋をしてみたい」てな妄想も時に浮かべるわけで
「あなたとこうして逢えるのも、これが最後かもしれません。」
「バブさんのお立場はじゅうじゅうわかっておりますが、せめて今宵は・・・」
春の嵐が、まるで『遣らずの雨』のごとく窓を打つ。
・・・・・・どうする、どうするのよバブちゃん
なんかのCMじゃないんだから(笑)
こうゆう妄想に登場する女性は、不思議と若い娘さんではありませんね。なんとも色香を漂わせる大人の女性と相場は決まっております。ここに一つ、男の『甘えん坊』さが出ているのでしょう。
男性たれば、若いピチピチ女性のほうが当然良いに決まっているわけですけど、そういった女性には一種の恐怖感があったりして。
この歳になると、もちろん自分を差し置いてですが、「わかって欲しい」願望が男にはあるのでしょうね、包まれる優しさと自分をたててくれる謙虚さを求めてしまう。若すぎる女性には少々無理な願望かと思ってしまうのかもしれません。
えっ?「そんなのはてめえだけだ」ってですか?
すいません、身の回りに無い者を望む、これは真理でしょ?
「なんだって!」・・・節分も過ぎたのに鬼の声が聞こえます。
昔はふたりだけの言葉で語り合っていたのに、いつかその言葉すら忘れ、あれほど時間が早く流れていた語らいの時も、まだ終わらないのかとおっくうさが先に立つ、
バレンタインデー、妄想に耽るのも良いけれど、忘れた言葉を思い出してみるのも一興かもしれません。
さて、今日の一枚は・・・私には、めずらし~~~いボーカルもの、クリス・コナーのアルバムであります。
初めてのキスを拒んだとき 君はやさしく微笑んでいたよね
そして、心を許してくれて 二人の腕を絡め合ったときは
君の瞳に光が輝いていたよ
賢い人は「恋の夢など長くは続かない」なんて言うけど
それは間違ってると思う、僕は君だけに夢中だから
コール・ポーターの名曲「I CONCENTRATE ON YOU(あなたに夢中)」であります。男性が女性に対する想いを歌ったものですから、バレンタインには合わないのかも・・・
でも、もともとは女性だけが、愛を告白する日ではなかったわけで、良しとしましょう。
楽しい夜をお過ごしのあなた、どうぞこのアルバムでも聴きながら、好きなだけ語らってくださいよ、ヘンだ。(やっぱり、この歳になってもやっかみはありますね・・笑)
でも、よくよく考えてみれば、そんな奴らが、こんなブログを読んでるわきゃあありませんから、けっきょくは私が寂しい自分を暴露しているだけということですか、悲しい。
THIS IS CHRIS / CHRIS CONNOR
1955年4月録音
CHRIS CONNOR(vo) KAL WINDING, J.J.JOHNSON(tb) HERBIE MANN(fl) JOE PUMA(g) RALPH SHARON(p) MILT HINTON(b) SIE JOHNSON(ds)
1.BLAME IT ON MY YOUTH
2.IT'S ALL RIGHT WITH ME
3.SOMEONE TO WATCH OVER ME
4.TROUBLE IS A MAN
5.ALL THIS AND HEAVEN TOO
6.THE THRILL IS GONE
7.I CONCENTRATE ON YOU
8.ALL DRESSED UP WITH A BROKEN HEART
9.FROM THIS MOMENT ON
10.RIDIN' HIGH
追伸、
先日紹介しました我が行きつけの珈琲屋さん「ヤナイコーヒー」の素敵なご夫婦が、ブログを開設されました。
「自家焙煎 ヤナイコーヒー」という、そのまんまのタイトル・ブログですけど、「試行錯誤でこれから楽しいブログになれば」とおっしゃるお二人、みなさんもよろしければ覗きに行って、アドバイスなどしていただければ幸いです。よろしくお願いします。