福岡県行橋市の豊津駅は、行橋駅と田川伊田駅とを結んでいた全線単線非電化の国鉄田川線(26.3km)の駅でした。
もともとは筑豊の炭鉱地帯で掘り出された石炭を、周防灘に面した苅田港まで運搬するために建設された豊洲鉄道の一般駅として、1895(明治28)年8月15日に開業しました。 その後、九州鉄道に合併された後、国鉄田川線の駅となりました。
しかし、田川線は筑豊炭田の衰退とともに旅客・貨物とも輸送量が減少し、1980(昭和55)年に施行された国鉄再建法により1987(昭和62)年2月3日に第3次特定地方交通線として廃止承認されます。 地元では5回にわたって対策協議会を開いて協議した結果、1989(平成元)年2月6日に第三セクター鉄道に転換することを決定しました。
そして田川線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により九州旅客鉄道(JR九州)に承継された後、1989(平成元)年10月1日に第三セクターの平成筑豊鉄道に転換されました。
豊津駅は相対式ホーム2面2線を有していて、列車交換可能な無人駅です。
古い木造駅舎が転換時まで解体されずに残っていましたが、平成筑豊鉄道に転換後に解体され、現在は駅舎はありません。
<豊津駅の年表>
・1895(明治28)年8月15日:豊洲鉄道の一般駅として開業
・1901(明治34)年9月3日:九州鉄道が豊洲鉄道を合併し、同鉄道の駅となる
・1907(明治40)年7月1日:鉄道国有法により九州鉄道が国有化される
・1909(明治42)年10月12日:国鉄線路名称制定により国鉄田川線となり、同線の駅となる
・1963(昭和38)年2月1日:貨物取扱い廃止
・1984(昭和59)年2月1日:駅の無人化
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により九州旅客鉄道(JR九州)の駅となる
・1989(平成元)年10月1日:平成筑豊鉄道の駅となる
撮影年月日:1989(平成元)年2月20日