谷根千 桜と気まぐれ!

1日1回は感動しよー!をモットーに本音と建前を織り交ぜながら書くぞー!

ほつれ髪の女

2012年05月12日 22時51分17秒 | 美から広がる
ヴィンチ村のレオナルドさん。
真筆と認められている作品は20点ないといわれていますけど、
まさかこの名品が日本にやってくるとは!
信じられない思いです。

未完成作品。しかし、美しい。


スフマートで描かれた微妙な肌合い。
タッチは写真では絶対感じることは出来ない鑑賞ポイントなのですけど、
レオナルドさんのこの技術は現代に至るまで超えた画家はいないと思います。
下絵のままの髪の毛が惜しまれます。
科学者の目を持っていたレオナルドさんは
自然と人が美しいと感じる調和を融合できる数少ない画家なのです。
髪のウェーブも重力や髪質を考えたリアルを描いていると思います。
他の画家ならそこまで凝らないと思いますけどやつは凝り性なんです。
人のポーズを研究するまで解剖に立ち会っちゃうくらいの変態ですから。
整髪された髪型ではなくほつれ髪を描こうとしたのも
自然現象をより表現できるからなんだろうね。

モナリザはなぜ名品なのか?
たくさんの本がこのテーマについて書いていますけど、
僕が思うに、自然を研究しつくした上で、自然には存在しない美が描かれているからではないかな?
そのアンバランスな部分が、一見大したことない絵に見えるかの作品を、見れば見るほど惹きつけられるものにしているのではないかと想像してみる。

モナリザも死ぬまでに一度は見てみたい作品ではありますが、僕が一番みたい作品は違います。
洗礼者ヨハネ。
これも未完成ではないかと言われています。
レオナルド最後の作品、そして死ぬまで手元に置いていた3つの作品のひとつ。

アメリカ大統領は在任期間中に1枚だけ国家が所有する絵画を執務室にかける事が出来るそうですが、
もし、僕が1枚だけ好きな絵画を部屋にかけられるとしたら、この作品を選びます。

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2 コメント

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Unknown (たこすけ)
2012-05-13 23:16:44
洗礼者ヨハネですか。
あの、片手は天を指し、しかもニヤリ、という意味有りげなポーズ・・・
毎晩寝る前にこの絵を見ると、「ひょっとしたら寝ている間に連れて行かれるかも・・・」などと心配の日が続くことになりかねないかも。

でも、ひょっとしたら「いざっていうときも俺も一緒だよ」という、絶対の孤独になる死への旅路にも一緒に行ってくれる仲間がいるんだよ、だから孤独にはさせないよというメッセージでもあったかもしれないし
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はらしま (たこすけさんへ)
2012-05-19 13:19:29
優しい気持ちのコメントですね。

一説によると弟子であり愛人のジャコモをモデルにしているらしいです。
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