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断末魔の韓国経済、日本から「第二の独立運動」の掛け声も統計は最悪続々

2019-09-25 18:02:19 | 日記

  

【日韓経済戦争】断末魔の韓国経済、日本から「第二の独立運動」の掛け声も統計は最悪続々

 韓国経済が断末魔の様相を呈し始めている。経済悪化の流れが止まらず、各種経済統計の数字が「史上最悪」を示しているのだ。

   そんななか、文在寅(ムン・ジェイン)政権は「克日」(日本に打ち克つ)をスローガンに、「日本の(経済)侵略に対する第二の独立運動」を国民に呼びかけている。

   もはや日本商品不買運動のレベルを超えてしまった。いったい、どういうことか。韓国紙から読み解くと――。

  • 「経済独立運動」を呼びかける文在寅大統領
    「経済独立運動」を呼びかける文在寅大統領
  
  
「経済独立運動」を呼びかける文在寅大統領

デフレ懸念も叫ばれる韓国経済

   2019年9月に入って、韓国紙の1面は経済悪化の見出しが踊るようになった。

中央日報(2019年9月3日付)「消費者物価、史上初めて『マイナス』......頭をもたげるデフレーション恐怖」がこう伝えている。

「9月3日、韓国統計庁が発表した8月消費者物価動向によると、韓国の消費者物価指数の騰落率が史上初めて0%を記録した。

指数上で前年同月より0.04%落ちてマイナスを見せた。

消費者物価がマイナスを記録したのは、1965年に統計を作成して以来初めてで、(アジア通貨危機後の)1999年2月(0.2%)以降最も低い水準だ。

今年に入って7か月間消費者物価上昇率が0%台となり、このような現象も重なってデフレーション(経済全般で商品・サービス価格の下落が続く現象)への懸念の声が大きくなっている」

   同じく中央日報(9月12日付)「景気先行指数、26か月連続下落......過去最長」も史上最悪の経済状態をこう伝える。

「半年後の韓国景気も今より良くないという見方が多い。

これを予測する景気指標が過去最長期間の下落となった。

経済協力開発機構(OECD)によると、今年7月の韓国の景気先行指数(CLI)は98.79と、前月比0.08ポイント下落した。

この指数は2017年5月に101.70となった後、26か月連続で下落している。

1990年1月に関連統計を出し始めてから最も長い。

景気先行指数は6~9か月後の景気の流れを予測する指標で、100以上なら景気上昇、100以下なら景気下降を表す」

   文在寅氏が大統領に就任したのは、ちょうど景気先行指数が最後に「100」以上を示した2017年5月だから、

文在寅政権が始まってからどんどん経済が悪化していったことになる。こうした記事はきりがないので見出しだけ列挙しよう。

聯合ニュース(9月1日付)

「韓国輸出額が9か月減 8月は13.6%減少、半導体など振るわず」

朝鮮日報(9月13日付)「失業給付が過去最高......韓国政府、結局雇用保険料を23%引き上げ」

朝鮮日報(9月11日付)「韓国企業19社、格付け相次ぎ下方修正の可能性」

朝鮮日報(9月11日付)「韓国の政府債務700兆ウォンに迫る」

朝鮮日報(9月13日付)「米中貿易紛争の直撃受けた韓国造船企業 発注・船舶価格が不振」

左派・文政権になって広がった「貧富の格差」?

   こうしたなか、朝鮮日報(9月13日付)「政府補助金を差し引くと......昨年韓国の貧富の差は6倍ではなく11倍」がショッキングな実態は紹介している。

保守系新聞だから割り引いて読む必要があるが、「平等の推進」を掲げる左派の文在寅政権になって「貧富の拡大」が一気に進んだというのだ。

「所得上位20%の所得を下位20%の所得で割った『5分位倍率』が、

今年第2四半期に過去最高(同四半期基準)を記録する中、

韓国政府が支払うさまざまな支援金、基礎年金を差し引いた『市場所得』だけで5分位倍率を算出すると、

昨年は数値が急激に上昇したことが分かった。

働いて稼ぐ勤労所得や事業所得が減少した低所得層が、政府の支援金に大きく依存していることになり、税金を投入した所得不均衡の解消には限界があるというのが専門家の見方だ

   文政権は、低所得層の所得を上げるために最低賃金を急激に引き上げた。

そのために低所得層を雇う自営業や中小企業が打撃を受けた。

そのあおりで、雇用が減少したため低所得層まで直撃を受けた。

その結果、貧困層はますます貧しく、富裕層はますます富むという現象が深刻になったというのだ。

記事では、具体的な数字をあげている。

「一人暮らしの世帯まで含めた昨年の『均等化市場所得基準』の5分位倍率は11.13倍だった。

均等化市場所得は、一世帯が稼ぐ勤労・財産・事業所得などを、世帯人数を考慮して算出したもので、政府や公共機関が支給するさまざまな支援金、年金などは含まれない。

一方、政府が公式に活用する『均等化可処分所得』には支援金、年金なども含まれるが、その基準では昨年の5分位倍率は6.12倍だった」

   つまり、公的支援を受けない「素っ裸」状態での貧富の格差は11.13倍だが、

公的支援を受けたあとの貧富の格差は6.12倍になったというわけだ。

問題は、「素っ裸」状態の貧富の格差が、昨年1年間で大きく開いたことにある。

文政権は、貧困層への公的支援を増やしているので、「素っ裸」状態の所得は見えづらいが、ここ10数年間の所得を計算し直すと、驚くべき結果が出たという。

「昨年の均等化市場所得基準での5分位倍率は、前年(8.78倍)を2.35ポイントも上回った。

過去10年間(2007~17年)の5分位倍率が6.71倍から8.78倍へと2.07ポイント上昇にとどまったのに比べると、昨年の悪化ぶりがどれほど深刻かわかる。

10年かけて広がった格差より、1年間で広がった格差の方が大きかったことになる

    

なぜか日本製品の放射能検査が骨抜きに

   このように経済が悪化するなか、文在寅政権は日本に対する「経済独立運動」政策で乗り切ろうと躍起だ。

   聯合ニュース(9月10日付)「素材・部品・装備の技術開発に補正予算 日本から自立へ」がこう伝える。

「韓国政府は日本による輸出規制を機に素材・部品・装備(装置や設備)産業の自立を目指し、2179億ウォン(約200億円)の補正予算を投じる。

産業通商資源部が9月10日の閣議で、素材・部品・装備技術開発の推進計画を報告した。

このうち供給安定化が急がれる25の主要戦略品目は8月末に技術開発に入った。

現場で需要のある国産化が可能な品目については、技術を持つ中小企業から課題を受け付け、11月初めに技術開発に着手する。

基礎・基幹素材6品目も9月中に技術開発を始める計画だ」

   予算面の手当てだけでなく、政権トップが激励行脚を始めた。

日本に対抗する100以上の産業材料を「核心品目」に指定し、国産化を目指す工場を、文大統領をはじめ関係閣僚が1つ1つ回っている。

   聯合ニュース(9月10日付)「素材・部品100品目にオーダーメード支援へ 日本の輸出規制に対応」が、なりふり構わない動きを伝えている。

「ホン・ナムギ副首相は、日本から輸入される石炭灰の管理強化に乗り出したため、国内の業界から需給への影響を懸念する声が出ていることについて、

放射性物質の検査期間を現行の4週から2週に短縮し、通関前の工場内での保管を認める措置をとると語った。

これは、韓国政府が8月8日、日本から入ってくる石炭灰の放射性物質検査を強化すると発表。

同月30日から全量検査を実施しており、セメント業界を中心に生産への影響を懸念する声が上がっているためだ」

   日本の輸出規制の報復として、日本産石炭灰の放射性物質検査を従来はサンプルだけだったのを、「全量たっぷり時間をかけて調べる」と宣言していた。

それが、韓国内の業者がネを上げると、検査時間を半分に減らした上、検査前に業者の工場に保管することまで認めたのだ。

これは事実上、検査前の石炭灰を「使ってもいいよ」と暗黙に認めたに等しい。

国内業者が悲鳴を上げているのに、輸出規制の手を緩めない日本政府の対応とは対照的だ。

  
 日本の報復第3弾を見越してデュポンを買収したSK

   SKハイニックスやサムスン電子など半導体大手企業の「日本からの独立運動」の動きも加速している。

   朝鮮日報(9月11日付)「『日本の独走防ぐ』SKシルトロン、デュポンの半導体ウエハー事業買収」がこう伝える。

ちなみに、半導体ウエハーは直径300ミリの円形の素材で、その上に回路を描いて裁断することで、最終的に爪の大きさほどの半導体を生産する。

「韓国唯一の半導体ウエハーメーカー、SKシルトロンが米化学大手デュポンのシリコンウエハー事業部門を買収した。

買収額は4億5000万ドル(約484億円)。

日本企業が独占する世界の半導体ウエハー市場にくさびを打ち込む狙いだ。

今回買収したデュポンの事業部門は次世代のウエハー技術を確保している」

「世界の半導体ウエハー市場は、日本の信越化学工業、SUMCOが55%前後のシェアを占め、それを10%台のシェアでSKシルトロン、シルトロニック(ドイツ)、環球晶円(台湾)の3社が追う構図だ。

日本が輸出規制を強化した場合、ウエハーの独占的地位を悪用するという懸念が浮上しているのはそのためだ」

   つまり、今後の日本政府の輸出規制第3弾を「半導体ウエハーではないか」と読んで先手を打ったというわけだ。

   一方、サムスンもついに「国産化」に成功した。

ハンギョレ(9月3日付)「サムスン電子、『国産』高純度フッ化水素を半導体工程に投入」が伝える。

「サムスン電子が、国産の高純度フッ化水素を半導体工程の一部のラインに投じることに成功した。

日本産の材料への依存度を低くするために、政府と業界の努力が続いているなかで一部の成果が現れた。

これは7月4日に日本が輸出規制を強化してから約2カ月目のことだ」

   また、聯合ニュース(9月4日付)「韓国産業相 素材国産化に成功した企業訪問」も中堅メーカーの成功を伝えている。

「ソン・ユンモ産業通商資源部長官が9月4日、京畿道安山市に本社を置く大韓光通信を訪問した。

大韓光通信は光通信ケーブル、光ファイバー分野で40年以上にわたり競争力を維持してきた企業で、韓国で唯一、合成石英の製造技術を持つ。

同社は、半導体基板に回路を描く工程で使われる部品向けの石英基板素材と製造工程の国産化に成功した。

合成石英は96%のシェアを持つ日本メーカーが実質的に独占していた素材だ」

   ソン長官は、大韓光通信の従業員たちに「政府は全方面にわたる支援を惜しまない。

日本に対する高い依存を解消するため、政府と共に強い意思と努力で競争力を高めていこう」とゲキを飛ばしたのだった。

(福田和郎)


韓国経済の屋台骨である大財閥サムスンの業績悪化が止まらない。

2019-09-25 17:25:04 | 日記

 韓国経済の屋台骨である大財閥サムスンの業績悪化が止まらない。

サムスンに税収を依存してきた地方自治体が、軒並み税収半減どころか6割減が見込まれて悲鳴を上げている。

 サムスンショックに大揺れの政財界の動きを、韓国紙から読み解くと――。

「サムスンベルト」自治体は軒並み深刻な税収減

   サムスングループの経済波及効果は、韓国のGDP(国内総生産)の約18%、輸入の約21%を占めるといわれる。

それだけに、その不振は税収を頼ってきた地方自治体にとって大問題だ。

そんな悲鳴を、朝鮮日報(2019年9月17日付)「サムスン業績不振で水原・華城に『税収ショック』」がこう伝えている。

「世界的な半導体不況と日本の経済報復でサムスン電子の業績が不振となり、水原、竜仁、華城、平沢の各市など京畿道南部の地方自治体が集団ショックに陥った。

サムスン電子本社と事業所が南北に連なり、『サムスンベルト』を形成、毎年地方税収のうち数千億ウォンをサムスン電子に依存している。

ところが、来年(2020年)は税収が半分以上減少すると予想される。

このため、緊縮予算の編成が避けられず、さまざまな事業の廃止・中断、優先順位の選別など財政構造の見直しに苦慮している。予算縮小で市民が不便を体感することが懸念されている」

 4市全体でサムスン電子からの法人地方所得税の税収が、今年(2019年)の8354億ウォン(約762億円)から来年は3084億ウォン(約278億円)へと63%減少する見通しだ。

サムスン電子はこれまで4市の法人地方所得税収の約50~80%を占め、財政を支えてきた。

下請け会社を含めれば、税収規模の割合はさらに高まる。

しかも、これらの数字は日本の輸出規制が始まる前のサムスンの業績だ。

輸出規制が始まった後の業績の数字をサムスンは一切公表していないが、後述するようにマイナス材料ばかりだ。

 朝鮮日報(9月17日付)は、こう結んでいる。

「このため、サムスン電子が今年7月末に上半期の業績を発表した直後から4市は対応に追われている。来年も税収確保や事業推進に大打撃が避けられないからだ」

   ここで、サムスンが2019年7月31日に発表した2019年4~6月期連結決算をおさらいしておこう。

全社売上高は4%減の56兆ウォン(約5兆円)だった。

営業利益が6兆6000億ウォン(約6000億円)と、前年同期に比べ56%も減った。

主力の半導体部門の営業利益が71%も減少した。

サムスンが得意の半導体分野で7割以上も大幅に落ち込むは初めてだ。

自社製スマートフォンを中心とするIT&モバイル部門も42%の減益とふるわなかった。

   サムスンの2本柱は、スマホなどにデータを記憶する半導体メモリーと、「ギャラクシー」ブランドの自社製スマホだが、いずれも半導体の世界的な不況とスマホ市場の飽和状態の大波をかぶった形だ。

「8Kテレビ」でライバルをこき下ろす大人げない会見

   こうしたなか、最高度の画素数を誇る「8Kテレビ」の分野でも、

韓国内のライバルLG電子に苦戦を強いられるサムスンのなりふり構わない様子を東亜日報(9月18日付)「サムスンテレビを分解したLG、画質を比較したサムスン......『8K』巡り正面衝突」がこう伝える。

「サムスン電子とLG電子が、最高解像度の技術『8Kテレビ』の画質を巡って、激しい攻防を繰り広げた。

9月17日、両社はそれぞれ『8K画質の説明会』と『8K技術の説明会』を開いた。

言葉は説明会だが、事実上、お互いの8Kテレビの製品を比較実演しながら、他社の画質と技術力が落ちると主張する『貶(おとし)め攻防』が行われた席だった。

今年から8K超高解像度テレビの大衆化が始まり、グローバルテレビ市場シェアで1位と2位を走る2社が、主導権を握るために激しいプライドをかけた戦いを始めた」

   4Kテレビの画素数は830万個なのに比べて、8Kテレビの画素数は4倍の3300万個。

視聴者は実物を見るような立体感と躍動感を感じることができる。

この技術力を誰が先取りするかが、今後のテレビ市場の主導権を握るカギとなる。

「先に口火を切ったのはLG電子だった。17日午前、8K技術説明会を開いた。

自社の製品とサムスン電子の製品を並べておいて、黒字に白の図形を映した後、『自社の方が鮮明だ。サムスンは基準を満たしていない』と攻撃したのだった」

 これを伝え聞いたサムスン電子は激怒した。

同日午後、急きょ「8K技術の説明会を開く」として150人の報道陣を集めた。

LG電子の攻撃を「とんでもない批判だ」と反論した。

自社のテレビとLG電子のテレビを並べて展示、画質を比較実演した。

そして、LG電子がモノクロの画像をテストに使ったことを取り上げ、「LGはモノクロテレビの時の基準でも掲げているのか」と皮肉ったのだった。

この両社の大人げない記者会見を取材した中央日報(9月18日付)の記者は、こう茶化した。

「8Kは、来年の東京五輪にならないと実質的なコンテンツを視聴できない。

放送会社のうち日本のNHKだけが8K送出装備・技術を保有しているためだ。

値段もまだ一般消費者の手に届くものではない。

LG電子の88インチ8K有機ELテレビは4900万ウォン(446万円)もする。

サムスンの85インチ8K QLEDテレビは2390万ウォン(217万円)だ」

   
中国国策企業の追撃に残された時間は3年

   サムスンにとって、国内のライバル企業よりもっと脅威なのは中国の国策企業だ。

中央日報(9月18日付)「韓国ディスプレー最後の砦、有機EL......サムスン・LGに残された時間は3年」がこう伝える。

ちなみに有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)とは、有機物に電圧をかけると発光する原理を使った最先端技術で、超薄型のテレビをつくることができる。

「中国発の激しい砂嵐が韓国のディスプレー業界を襲っている。

まず液晶パネル分野で中国の低価格攻勢に押されたサムスンとLGディスプレーで、事業縮小と人員削減作業が進んでいる。

液晶パネルより高い技術力が必要な有機EL市場はまだ逃していないが、3年耐えるのも難しいだろう。

世界のディスプレー市場で守ってきた韓国の独走が深刻な脅威にさらされているのだ」

 産業リサーチセンターのキム・セウォン研究員は、「液晶パネル市場は昨年から中国企業が生産量を増やして供給過剰になり、チキンゲームに火がついた」と話す。

キム研究員は「韓国企業は低価格競争で押されて赤字に転落し、ついに液晶パネルを断念し有機ELで事業再編に乗り出す」と説明した。

中国企業には政府の強力なバックアップがあるのがやっかいだ。

中央日報(9月18日付)が続ける。

「中国政府は2014年からディスプレーを戦略産業に指定し集中的に育成した。

昨年液晶パネル分野で世界1位に上ったBOEが代表的な企業だ。

BOEは巨大工場新設に600億元(約9151億円)を投じたが、独自調達した費用は5%にすぎない。残りは地方政府や国策銀行の支援だ。

その結果、韓国企業より20%ほど安い価格で液晶パネルを市場に出荷している」

 こうしたやり方で中国は、液晶パネルより高度な技術が必要な有機ELの分野にも進出した。

サムスンとLGディスプレーは、有機ELの世界市場ではほぼ独占しており、当面は中国だけでなく日本も含めてライバルは見つからない状態だ。

だが、3年後の2021年には中国に追いつかれるというのだ。

中央日報(9月18日付)は、こう指摘する。

「韓国輸出入銀行海外経済研究所のイ・ミヘ専任研究員は「『中国は液晶パネルの成功戦略を中小有機ELにも適用し、速いスピードで追撃中だ。約3年後からは液晶パネル市場で起きたチキンゲームが有機EL市場で再演されかねない』と話した。

実際にBOEはすでに中小型有機EL工場1か所を稼動しており、2か所の工場を追加建設中だ」

  

「財閥退治」の大物が「サムスン擁護」に回る理由

   こうした「サムスン危うし!」という状況の中、意外な人物が「サムスン擁護」に回り、韓国メディアを驚かせた。

「サムスン射撃手」の異名を持ち、文在寅(ムン・ジェイン)政権の「財閥退治」政策を担ってきた金尚祖(キム・サンジョ)大統領府政策室長だ。

中央日報(9月19日付)「青瓦台政策室長『4年前のサムスンの発言、誇張でなかった』......韓国経済の躍動性低下」がこう伝える。

「青瓦台(大統領府)の経済政策ブレーンが9月18日、国会を訪れ、『韓国経済は危機』という見方を示した。

キム・サンジョ政策室長が、与党・共に民主党のワークショップの演壇に立った。

韓国経済の課題をテーマに講演したキム室長は『過去に競争力があった部分が急速に減少している』とし、『サムスン』の話を始めた」

というのだ。

キム室長は、「少ない株式で皇帝経営をしている」として、サムスンを叩いて政権内で存在感を増した人物だ。

サムスンの李健熙(イ・ゴンヒ)会長や現職役員、元役員らを何回も検察に告発した。激しく何度も撃ちまくることから「サムスン狙撃手」というニックネームがついた。

そのキム室長が与党議員を前にこんな話をした。4年前にサムスンのトップと話した時にこう言われたという。

「サムスンが競争力を5年間維持できる産業は、DRAM(編集部注:半導体を使用した記憶素子のひとつ)しかない。家電と液晶パネル分野はほとんど終わろうとしている」

   当時、キム室長は「誇張だ」と懐疑的に考えた。

ところが4、5年が経過した現在、まさにサムスントップが展望した通りになっている。

韓国経済を支える半導体産業の競争力がガクンと落ちてしまった。

そして、キム室長は韓国をめぐる経済環境は大きく変わっており、「今、韓国経済は崖っぷちに立たされている」と訴えたのだ。

これは、「雇用者数の大幅増加」(編集部注:増加分の大半は60歳以上の高齢者)などを理由に、経済は好調とする文政権の立場とは真逆の見方だ。

「サムスンを強く批判してきたキム室長のこうした診断に、共に民主党からは『経済危機が本当に深刻であるようだ』という反応が出てきた」

と、中央日報(9月19日付)は伝えている。

  
 財界幹部の嘆き節「経済は捨てられた息子」

 さて、こうした政界の鈍感ぶりに怒り心頭なのが経済界だ。

朝鮮日報(9月18日付)「大韓商工会長 最近の経済は『捨てられた息子』...企業は規制で手足縛られ」が、企業側のやるせなさをこう伝えている。

「大韓商工会議所の朴容晩(パク・ヨンマン)会長が9月18日、『経済は、捨てられ忘れられた息子になった』と述べ、国会で経済関連の論議が行われなくなったことについて苦言を呈した。

パク会長はこの日、記者会見に臨み、『国民の暮らしそのものである経済が下降しているというのに、それよりもっと重要な政治・社会問題などあるのか!』として、上記のように述べた。

パク会長は『国会全体がきちんと作動していないことについては、明らかに考えるべき問題だ』と指摘した」

チョ・グク法務部長官の疑惑問題などをめぐる政争にうつつをぬかす時間があったら、もっと経済の問題を真剣に話し合ってくれ、というのであった。

(福田和郎)


「韓国経済は強い」と主張し続ける文在寅政権。だが、実際は「1997年の通貨危機の再来」と言われるほどの危機的状況に陥っている。

2019-09-25 16:50:18 | 日記

「韓国経済は強い」と主張し続ける文在寅政権。だが、実際は「1997年の通貨危機の再来」と言われるほどの危機的状況に陥っている。

 通貨危機の再来となった場合、日本が無関係というわけにはいかない。

まず指摘されるのが、邦銀への影響だ。

「韓国向けの融資をする邦銀の業務が滞る可能性がある。

現在、邦銀は韓国企業に約300億ドルを貸していますが、最悪の場合は貸し倒れを覚悟しなくてはならない」(元週刊東洋経済編集長で経済学博士の勝又壽良氏)

 その程度であれば民間企業が引き受ける「韓国への投資リスク」ともいえるが、ウォン危機は日本や他国の市場にも影響は避けられないだけに、“対岸の火事”と放っておくわけにはいかなくなる。

 1997年の通貨危機の際、韓国とIMFは総額580億円の金融支援で合意した。

日本は第二陣として最大100億ドルの援助を準備したが、最終的にはその資金は利用されなかった。

 もっとも、IMFへの出資比率は日本が世界2位で、日本の資金が通貨危機打開の一助となったことには変わりない。

韓国経済の破綻は、半島情勢の不安定化に直結する問題でもある。

「韓国が極端に弱体化したタイミングで中国、ロシア、北朝鮮が攻勢を強めれば、日本の安全保障も危機を迎える」(勝又氏)

 こうなると多額の支援をしてでも韓国経済の立て直しに協力せざるを得ない状況も生まれる。

だが、それがすんなり進むだろうか。

1997年の通貨危機当時、時の金泳三政権は文政権と同じく対日強硬派で、「通貨危機の原因は日本の金融機関が韓国から70億ドルもの国債を引き揚げたことにある」と主張した経緯がある(後に金大中大統領が日本の金融機関が協調姿勢だったことを明かし、この説明を否定)。

 果たして文政権がそうした危機に陥った時、日本や米国に支援を求める決断はできるのか。一方で日韓関係の悪化の中で、その支援要請に日本側は手を差し伸べられるのか──。

 いくら距離を置いたとしても、否応なく巻き込まれてしまうのが、近隣外交の難しさである。

※週刊ポスト2019年10月4日号