【武藤 正敏】
文在寅よ、さらば…不正続出に韓国国民が「大激怒」、
いよいよ“自爆”して万事休すへ!
不動産投機疑惑に国民の怒りが爆発した
2021年3月13日 5時0分
文在寅の「もみ消し」がまた…!
韓国の若者の意識が急激に変化している。不動産価格の高騰は若者の「持ち家」の夢を奪った。
いくら勉強し勤勉に働いても富を蓄積する可能性も遠のいた。若者の不満は高まっており、社会の公正が最大の関心事となっている。
そうした中で、韓国土地住宅公社(LH)や地方自治体の職員が新都市計画の情報を事前に入手し、不動産を購入して暴利を得ているとの疑惑が高まった。
これに対し文在寅政府は、この事件の捜査から、検察と監査院を排除し、国土交通部による自前の調査でお茶を濁してきた。
そうすることで、事件のもみ消しに時間を与えたとの疑惑がもたれている。
これは文在寅政府がこれまで疑惑がもたれるたびにもみ消してきた体質が露骨に出たものであり、特にソウル・釜山の市長選挙を前にこの事件が拡散すると選挙で与党に不利に働くとの懸念が高まっていることも考慮した時間稼ぎの側面もあろう。
文在寅政権の「もみ消し体質」がまた… photo/gettyimages
これまで文政権の腐敗もみ消しは一応成果を上げてきた。
しかし、今は一昨年までとは違い、社会の公正に対する意識が格段に高まっている。
いい加減な疑惑隠しで国民の反発を乗り切れるのか、仮に市長選挙では乗り切ったとしても、来年の大統領選挙までには文政権の腐敗体質は一層鮮明となるだろう。
尹錫悦氏が検事総長を辞任し、次期代大統領選挙に最も期待される候補に躍り出た。
これまでは文政権の腐敗体質があっても、野党「国民の力」に有力な大統領候補がいなかったため、
文政権の独裁体質は揺らがなかったが、政権捜査を直接指揮してきた尹錫悦氏が対抗馬となってきたことから、文政権の腐敗体質はより一層大きな政治争点となっていくであろう。
文政権は困ったことが生じたときには、国会の数の力で民主主義を無視するような法律を通して、批判封じを行ってきた。
韓国社会はこうした左翼の独裁体質をいつまで許すのであろうか。
「不公正」に怒る韓国国民たち
中央日報によれば、国家未来研究院の依頼によりビッグデータ専門企業のタパクロスが1億1147万件に達するビッグデータを分析した結果、経済分野の核心価値で「公正」が占める割合は2019年の10.3%に比べ20年には32.0%と3倍以上に大きくなったことが判明した。
2019年までは経済問題に関する第1位は「日本製品不買運動」、2位は「日本輸出規制などの経済報復措置」であった。
「反日」から「不公正」に関心が移ってきた photo/gettyimages
しかし、不動産価格高騰による経済的不平等問題が浮上し、公正が持つ重要性は格段と大きくなり、意味も変わってきた。
不動産、株投資、不動産賃貸借、借金しての不動産投資など不動産・株式関連の話題が上位を占めた。
ソウル大学社会学科のチョン・ドクジン教授は「過去には熱心に勉強し、いい職について働けば十分に望むだけの富の蓄積が可能だった。
だが今の若者は、そうした機会そのものが消え社会の公正性、階層移動のないことに関する不満が大きくなった」と分析している。
同記事によれば、今の若い層は韓国の歴史上、親の世代より貧しい最初の世代と評価されているという。
これは「月給が上がるより住宅価格・チョンセ価格がさらに大きく上がった不動産政策失敗の問題」と言われる。
不動産を購入できない若い層にとって株式投資がおカネを増やせる「唯一の希望」になってきている。
不動産投資疑惑を「捜査」しない文在寅政権
警察は3月9日、LH職員が第3期新都市を巡り、京畿道光明・始興地区の林野などの不動産を新都市計画に含まれるとの事前情報を入手し購入していたとの投機疑惑をうけ捜査に着手した。
この疑惑は今月2日市民団体の参与連帯・民主社会のための弁護士会が記者会見で暴露したものである。
ソウル・釜山市長選挙前に革新系の団体による告発が行われたことは驚きであり、それはいかに国民の不満が大きいかを反映したものかの象徴である。
2日に疑惑が暴露されると、丁世均(チョン・セギュン)首相は「事実関係を調べた後、必要があれば捜査を依頼するように」と述べ、文大統領は3日「首相室と国土交通部が合同で第3期新都市の土地取引を全数調査せよ」と命じた。
政府の初動対応は「捜査」ではなく「調査」であった。
「捜査」ではなく「調査」を指示した文在寅 photo/gettyimages
警察の捜査開始は投機疑惑の暴露から1週間後のことであり、法曹界からは「重要な証拠を隠滅するに余りある時間があった。
見かけだけの手遅れ捜査だ」との批判が聞かれる。携帯電話は1週間あれば変えられえる。
それ以上に捜査から外された検察は、捜査の範囲と方式が不十分であると指摘する。
ある検察幹部は「国土交通部や別の開発地区などに同時多発的に家宅捜索を行うべきだった。業界全体の構造的な不正を探る問題なので、底引き網で広範囲に着手すべきだったが、(時間を浪費したことで)他の投機地域の犯罪はすべて隠れてしまうだろう」と懸念を表明した。
別の検事長は「職員を全数調査するというが、口裏合わせの機会を与えるだけだ。こういう事件は人が中心ではなく、土地とカネの流れに焦点を合わせて捜査しなければならない」と述べた。
捜査手法の誤りに対しては、検事総長を退任した尹錫悦氏も声を上げた。
同氏は「(国土交通部の)独自調査で時間を稼ぎ、証拠を隠滅させるのではなく、直ちに大々的な捜査を行うべき事案だ」「不正腐敗はすぐに伝播する」と述べた。
さらに「LH職員全員を捜査するのではなく、『カネになる土地』を全数調査し、購入資金を追跡すべきだ。
取引された時期や単位、土地の利用状態などを分析したうえで、購入資金の追跡を通じ、実質的な所有者を明らかにしなければならない。実名取引よりも他人名義の取引が多いはずだ」と指摘した。
尹前総長が野に放たれたので、今後文政権の不正について厳しい指摘が続くはずである。
また、尹総長や検察の指摘を受け、内部告発も増えるのではないか。これまでのように闇から闇にもみ消せなくなってくることを期待したい。
LH職員の投機の発端は「文在寅の政策」
文在寅政権は18年夏、ソウル市の住宅価格高騰を受け、9月にいわゆる「9.13対策」を発表し、「第3期新都市を整備する」と予告した。こうした状況で新都市発表の直前に土地取引が急増した。
今回問題となった光明・始興地区に先立ち、政府が2018年から19年に第3期新都市に指定した5地域でも政府の発表直前に土地取引は急増していた。
月間取引量が普段に比べ5倍近く増えた場所もあったという。韓国不動産院の統計によると、仁川市桂陽区の土地取引件数は18年9月の73件から11月には336件に増えた。
建国大学のシム・ギョオン教授は「新都市予定地の大半がグリーンベルト(開発制限区域)で縛られているため、普段は取引が活発ではなかった。政府の発表直前に取引件数が以上に増えたとすれば、内部情報が漏れたと疑うことができる」と指摘した。
政権に危機感
文在寅政権は、LH職員による新都市での土地投機疑惑はソウル・釜山市長選挙に悪影響を与えると判断したようだ。
洪楠基(ホン・ナムギ)経済副首相は3月7日、「不動産に関連し国民に申し上げる言葉」と題する異例の発表を行った。
これを政権に忖度するKBS,MBCが通常番組を中断し、特設ニュースとして伝えた。ただ新しい中身はない発表であった。
その中で異様なのは、文在寅政権が今回の調査対象を朴槿恵政権当時の2013年にまで拡大するとわざわざ発表したことである。
またもや前政権のせいにして、責任逃れしようという魂胆である。
しかし、前述のとおりこれは文在寅氏の「9.13対策」に基づく第3期新都市計画が発端であり、前政権とは関わりないものである。
文在寅は「朴槿恵政権」のせいにしようとしているが… photo/gettyimages
事態の進展に憂慮した文在寅氏は10日、「政府と捜査機関が糾明し、厳正に責任を問うであろうが、こうした公職者の不正な投機形態を基本的に遮断し、投機機会を徹底的に防ぐなど、不動産取引の透明性を画期的に高めるための制度の準備に(国会が)格別の関心を持つことを望む」と発言した。
しかし、この事件の捜査に検察と監査院を動員し徹底的な真相究明を行うとは言わなかった。
国民に空虚な謝罪をし、市長選挙が終わるまで時間を稼ぐ。
そして選挙が終われば、国会の数の力で、法律改正し、つじつまを合わせる。このようなことをいつまでも続けさせてはいけない。
LH投機疑惑捜査から検察と監査院は外される
投機疑惑の1週間が捜査を開始したのは警察であった。
朝鮮日報は、「不動産投機捜査と公務員に対する監査をそれぞれ担当する検察と監査院が最初から乗り出すべき事案であった」と指摘する。
しかし、両機関とも捜査、監査から外された。
検察は盧泰愚(ノ・テウ)、盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権当時の新都市投機事件の捜査で数百人の投機犯罪者を拘束し、こうした犯罪捜査には実績がある。
両機関を外した理由について政府はいろいろ述べているが、本音は、政権の不正を捜査してきた検察と月城原発1号機の経済性捏造を監査した監査院は政権の味方ではないから。
捜査を任せることはできないということだろう。
朝鮮日報は、「身内同士で捜査を行い、政権に不利な部分は除外し、選挙に悪材料となる部分は先延ばししようという計算だ」と分析している。
これまで国土交通部の「調査」が行われてきたが、一連の投機不正は、現在の卞彰欽(びょん・チャンフム)国土交通部長官がLHの社長をしていた時期に発生している。
卞長官は「新都市開発ができないと知り買ったが、急に新都市に指定された」と説明したようだが、このような長官の下で公正な「調査」ができるはずがない。
野党「国民の力」から卞長官の辞任を求める声が上がるのは当然のことである。
これまでの本件に関する取り組みを見ると、これが「身内同士の捜査」であるとの指摘は当たっているとしか言いようがない。
ネガティブキャンペーンの応酬
LH職員の疑惑が深まる中、民主党は保守系野党「国民の力」は過去の保守系の疑惑を再度持ち出した。
呉世勲ソウル市長候補の土地投機疑惑や釜山LCT特別待遇分譲を巡る野党関係者の関与疑惑である。前日に朴槿恵政権に責任を転嫁したのに続くものである。
呉候補は「この疑惑は2010年に行われた地方選挙でも、当時の韓明淑(ハン・ミョンスク)候補が提起したが恥をかいた事案」と反論している。
ソウル・釜山市長選挙は、双方のネガティブキャンペーンの応酬による醜い争いになる雰囲気である。こうした事態が起きるたびに損害を被るのは庶民である。
共に民主党は、保守政権の腐敗を糾弾して政権についた人々である。
今回の事件を徹底的に究明することが、国民の期待にこたえる道であることを知るべきである。
今の若い人々が、不満に感じているのは今の自分たちの置かれた境遇、不公正な社会ということである。過去に責任転嫁して許されるものではない。
韓国の国民は、これまで「保守系は軍事独裁の傍流である、革新系が民主主義を勝ち取った」との誤った認識で革新政権を誕生させた。
しかし、その実体は国会で多数の横暴をいかんなく発揮し、民主主義を破壊している。
過去の保守政権の腐敗と変わらない利権政治を行っている。
そうした実態を理解し、これまでの文在寅政権の政策の功罪の評価を行った上で選挙では正しい、国益にかなった選択を行っていただきたいものである。
それが日韓関係の修復の道でもある。