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支持基盤の若者に見限られた韓国の文政権

2018-01-27 21:38:21 | 日記

支持基盤の若者に見限られた韓国の文政権


1/26(金) 15:30配信

ニュースソクラ



支持基盤の若者に見限られた韓国の文政権


文大統領=CC BY-SA /Lifesavior(trimmed)


仮想通貨規制と南北合同チームが支持離れに拍車

 「匿名で大統領を『災い』(在寅(ジェイン)と災い(ジェアン)の発音が似ていることから由来したダジャレ)と呼んで支持者を愚弄している」「これを黙認し幇助するポータルサイトも共犯だ」

 1月17日、与党・共に民主党の秋美愛(チュ・ミエ)代表は、ネイバーなど、インターネットであふれている文在寅(ムン・ジェイン)大統領に対する悪質な書き込みに対して強い遺憾を表明した後、悪質な書き込みの作成者を追跡して告発する措置を行うと強調した。

ちょうどこの日発表された某新聞社の世論調査では、文在寅大統領に対する支持率が62.9%まで低下した。

韓国ギャラップの週間世論調査の最新結果(1月19日付)でも、前週に比べて6%も低下し、67%の支持率を記録した。

注目すべき点は、これらの世論調査結果で20代と30代の支持率の下げ幅が最も大きかったという点だ。

 2017年5月就任以来、文在寅大統領は今まで70%台半ばの高い支持率を維持していた。

特に、文在寅政権の誕生に決定的な役割を果たした「ろうそくデモ」の主導層だった20代、30代は80%を超える驚異的な支持率を見せ、「コンクリートの支持層」ともいわれてきた。ところが、この20代、30代の若い層が文政権に対して背を向け始めたのだ。

 韓国の若者の間で、文政権の支持率が大幅に下落した決定的な理由は、政府の仮想通貨規制策にある。今や全世界が仮想通貨ブームの真っ最中だが、韓国社会はブームを超えての狂風に包まれている。

特に、ビットコインの場合、韓国のウォンによる取引比率が10%で、日本、米国に続き、世界3位。

グローバル経済で約2%を占める韓国の経済規模を考えると、ビットコインは空前のブームといえる。

 このため「キムチ・プレミアム」という隠語があるほど、韓国では世界市場に比べて30~40%高い価格でビットコインが取引されており、全世界のビットコインの投資者たちの間で韓国の隠語である「Gazua(行こうという意味)」が注文の言葉として流行っているという。

韓国では200万人以上がビットコイン投資に乗り出したと言われているが、仮想通貨取引所の「ビッソム」の統計によれば、投資家の約60%が20代と30代の若者だ。

トレーディング方法がややこしく、しかも英語でのみ可能であるため、40代以上の投資者たちには障壁が高いこともあるが、何よりも不動産や株式投資など大金が必要な投資を行えない若年層には、仮想貨幣こそ最も簡単な投資手段であるからだろう。

就職難など経済的に弱者の若者が仮想通貨への投資を通じて、「人生逆転」を夢見ているのだ。

 ところが、1月11日、文在寅政権の朴相基(パク・サンキ)法務長官が仮想通貨取引禁止政策を発表し、仮想通貨取引所の閉鎖を示唆した。この発表を受けて仮想通貨市場は暴落。

投資者たちの抗議が殺到するや、大統領府は法務長官の発言のわずか7時間後に「取引所の閉鎖は確定された事案ではない」と釈明に出たが、韓国の仮想通貨市場はそれ以来暴落を重ねている。

現在、大統領府のホームページでは仮想通貨規制に反対する請願が20万人を突破し、インターネットは文大統領と政府を非難する書き込みで溢れている。

 韓国の若者たちが文大統領から背を向けたもう一つの原因は、平昌(ピョンチャン)五輪の南北合同チーム構想だ。

2月9日から開催される平昌五輪に北朝鮮が参加を決めたことで、文政権はこれを政治的に活用するさまざまな演出を計画している。

たとえば、金剛山(クムガンサン)でのオリンピック前夜祭開催、北朝鮮の馬息嶺(マシンリョン)スキー場の活用、南北合同チーム(女子アイスホッケー)の構成、太極旗(韓国の国旗)ではなく韓半島旗を挙げて南北が同時入場する計画などだ。これらの行き過ぎた演出に韓国国民は相当な傷を受けている。

 特に問題になっているのが女子アイスホッケーチームの南北合同チームの構成だ。

自力でオリンピック出場権を得た韓国チームの選手の一部を国家代表から外し、しかも五輪大会を目の前に控えた今になって北朝鮮と合同チームを構成するのは、選手たちに対する配慮がまったくない非常識的な発想ということだ。

韓国の民間テレビ放送局のSBSによると、南北合同チームに対する反対世論は72%を超え、特に20代と30代の反対世論はそれぞれ82%を超えている。

「合同チーム構成は公正でも正義的でもない」「(文大統領は)人が大事だと言っていたが、(韓国人より)北朝鮮の人が大事だということか?」「これはまさに平昌五輪ではなく、平壌(ピョンヤン)五輪だ」「歴史的な場面を演出するために国民の犠牲を強要するな」など、韓国のインターネットで映し出された20代~30代の反応はまさに爆発寸前だ。

 数年前から韓国社会は本格的な低成長時代に入り、厳しい競争に追い込まれている。

特に、過去の高度成長の果実は40代~50代の既成世代が独占し、韓国の20代や30代は未来に対する不安から、結婚、出産、マイホームを諦めた「3ポ(ポとは、諦めるを意味する韓国語の頭文字)世代」と呼ばれている。

 このような中、2017年に発足した文政権の経済政策は何の効果も発揮できないまま、2017年の韓国若者の失業率は19年ぶりに最高を更新した。

急激な最低賃金率上昇政策に自営業者たちは悲鳴を上げ、大学生たちはアルバイトまで奪われた。階層移動のできる最後の「希望のはしご」と呼ばれていた司法試験制度の廃止も2017年に決まった。

これらに加えて仮想貨幣規制や不公正な南北合同チームの推進などが若者の失望に拍車をかけたとも言えるだろう。若者の支持率を上げるためには、インターネット上の書き込みを取り締まる法案ではなく、若年層の剥奪感や怒りを和らげる根本的な対策こそが文政権の急務ではないだろうか。
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朴英南 (ジャーナリスト 在ソウル)

安倍首相が平昌出席で殴り込み「慰安婦像撤去しろ!」 ペンス米副大統領と圧力かける狙い

2018-01-26 15:23:49 | 日記
安倍首相が平昌出席で殴り込み「慰安婦像撤去しろ!」 ペンス米副大統領と圧力かける狙い

夕刊フジ

安倍晋三首相が、韓国・平昌(ピョンチャン)冬季五輪の開会式(2月9日)出席のため訪韓する決意を固めた。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領と首脳会談を行い、慰安婦問題をめぐる日韓合意を反故にする「新方針」を示したことを「受け入れることはできない」と断固抗議する。

加えて、「核・ミサイル開発」を強行する北朝鮮に対する「日米韓の連携」を確認する。

同時期に訪韓するマイク・ペンス米副大統領とともに強い圧力をかける狙いだが、「従北・反日・反米」の文政権は目を覚ますのか。

事実上の「日米殴り込み」は、韓国への最後通告ともいえそうだ。

 「五輪は平和とスポーツの祭典であり、日本は2020年に東京五輪を主催する立場だ。諸般の事情が許せば平昌五輪開会式に出席し、日本人選手たちを激励したい」

 安倍首相は23日、産経新聞のインタビューでこう語った。

 新年早々、文政権が「最終的かつ不可逆的に解決」とした日韓合意を蒸し返す新方針を発表して以降、日本では「納得できない」「理解できない」という怒りの声が8、9割に上っている。

 加えて、「従北」の文政権は、平昌五輪を「南北連携の政治ショー」と変貌させつつあり、米国や中国、ロシア、フランスなどの首脳は軒並み開会式欠席を表明した。 

安倍首相も出席見送りを検討していたが、緊迫する北朝鮮情勢などを考慮し、再考したという。前出のインタビューで、次のように語っている。

 「(文氏との会談で)慰安婦問題をめぐる日韓合意について、韓国が一方的にさらなる措置を求めることは受け入れることはできない。この考え方を直接伝えるべきだと考えている」「(ソウルの日本大使館前の慰安婦像撤去も)当然強く主張することになる」

 官邸や外務省に慎重意見が強いなか、安倍首相が苦渋の決断を下した背景には、同盟国・米国の意向もあったようだ。

 同紙によると、文政権が行き過ぎた対北融和政策に走らないようクギを刺したい米ホワイトハウスから、「安倍首相に開会式に出てほしいという強い要請があった」(政府高官)という。

 五輪直前には、開会式に出席するペンス氏が来日する。

安倍首相は、ペンス氏との会談や夕食会などを通じ、日韓合意の経緯や日本の立場を説明する考えという。

強固な日米関係を背景として、ペンス氏とともに、文氏に「対北連携」と「日韓合意履行」を迫る。

 ただ、韓国の「反日」姿勢はまともではない。

 東京五輪誘致の際、韓国は妨害工作を行った。平昌五輪のHPの地図から、日本列島を消したこともある。

ドナルド・トランプ米大統領が昨年11月に訪韓したときは、晩餐(ばんさん)会に元慰安婦を招き、「独島エビ」を出した。

朝鮮有事に向けた日本人避難の協議にも応じない。

 もはや「敵性国家」に近い存在である。

 自民党内にも不満が高まっている。「日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会」と外交部会の合同会議が24日午前、党本部で開かれ、安倍首相の五輪開会式出席への反対論が続出した。

「訪韓すれば(安倍政権の)支持率が下がる」といった声も上がった。首相訪韓への賛成論はなかった。

これを受け、同委員長の中曽根弘文元外相らが同日中にも首相官邸を訪れ、「訪韓見送り」を申し入れる方向で調整する動きもあった。




 安倍首相の決断を、専門家はどうみるのか。

 作家で元外務省主任分析官の佐藤優氏は「韓国のことは不愉快だが、賢明な判断だ。

日韓の懸案である慰安婦問題を理由に、安倍首相が開会式に出席しなければ、国際社会から『日本は大人ではない』とみられる。

韓国につけ込むスキを与え、北朝鮮が悪用する可能性もある」と語った。

 これに対し、朝鮮近現代史研究所所長の松木國俊氏は「反対だ。韓国に『日本は日韓合意にこだわっていない』という誤ったメッセージを送ることになる。

日本の怒りも伝わらず、慰安婦問題は解決しない。日本は1ミリたりとも動いてはならない。

(首脳会談も)韓国から頼んでくるのが筋だ。『ゴネれば、日本は言うことを聞く』とナメられるだけ。

腹を割って話しても通じる相手ではない」と懸念を示した。

 国連などで、朝日新聞などが広めた「慰安婦問題のウソ」を修正する活動を続けている「なでしこアクション」代表の山本優美子氏も「訪韓すべきではない」としたうえで、注文を付けた。

 「韓国に行く場合、日韓合意を履行するよう厳しく突きつけなければいけない。米国との連携は不可欠になる。国際社会が韓国を指導し、プレッシャーをかけて追い込んでいく姿勢を見せつけることが必要だ」

 拓殖大学の藤岡信勝客員教授は「安倍首相の訪韓方針にはがっかりだ。

なぜ、文氏に『新方針は受け入れられない』と伝えるために、直接会う必要があるのか。

理解できない。北朝鮮問題でも(従北の)韓国と連携できないことは明白だ。韓国は約束を破ってきた。日本に対する『甘えと傲慢さ』が根強くあり、これらは究極の侮蔑にほかならない」と批判した。

 安倍首相の決断は、吉と出るか凶と出るか。



安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦の日韓合意を終わったことにさせない」

2018-01-26 14:58:53 | 日記
安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席、リスクを取ったぎりぎりの決断 「慰安婦の日韓合意を終わったことにさせない」

産経

韓国が、条約にも等しい日韓慰安婦合意をないがしろにする中での安倍晋三首相の平昌五輪開会式出席をめぐっては、首相官邸や外務省の幹部にも慎重意見が根強かった。

また、首相の支持者の間でも反対論が圧倒的だったにもかかわらず、首相があえて出席を決断したのはなぜか。

 今回の産経新聞のインタビューや、首相の周辺取材を通じてみえてきたのは、リスクを取ることをいとわず、批判を覚悟して為すべきことを為そうとする「政権を担う者の責任」(安倍首相)だった。

 「韓国の文在寅大統領は日韓合意をおとしめ、日本に新たな措置を求めることを表明して、それで話を終わらせようとしていた。

そうはいかない。安倍首相は文氏に、合意を履行して在韓日本大使館前などの慰安婦像を撤去しろと言う」

 首相周辺は語る。大統領選で、合意見直しを公約していた文氏の国内世論対策に日本政府は付き合わず、あくまで誠実な合意履行を突き付け続けるということである。

それも、文氏にとって晴れ舞台となる五輪の機会に、最高の見せ場であるはずの首脳会談でだ。

 文氏の国内向けの「日本に言うべきことを言ってやった」というパフォーマンスを許さず、韓国には約束を果たす義務があると内外に示す狙いがある。

 また、五輪開会式の前には、やはり式に出席する米国のペンス副大統領の来日が予定される。

この際にも安倍首相は会談や夕食会などを通じ、日韓合意の経緯や日本の立場をじっくり説明する考えだ。

緊密な日米関係を背景に、ペンス氏と歩調を合わせ、文氏に合意履行を迫ることになろう。

 「実は、米ホワイトハウスからも、安倍首相に開会式に出てほしいという強い要請があった」

 政府高官はこう明かす。韓国に対し、行き過ぎた対北朝鮮融和政策に走らないようクギを刺したい米国が、パートナーとして安倍首相を指名した形だ。

そしてそれは、最大限に対北圧力を高めたい日本政府の思惑とも一致する。

 五輪開会式に出席する各国の首脳は、ごく限られている。その中で、日米の首脳がそろって日韓合意の履行と北朝鮮への圧力堅持を要求すれば、韓国に対する強いメッセージとなる。


 ただ、事がうまく運ばない場合は訪韓は韓国にこびた姿勢と受け取られ、厳しい批判を浴びかねない。行くにしろ行かないにしろ、ぎりぎりの決断だったのだろう。
(阿比留瑠比)

「安倍首相、平昌オリンピック、開会式参加へ」という報道です。

2018-01-26 14:23:56 | 日記
2018年01月25日 10:25

苦渋の選択、安倍首相の平昌出席への前向き発言

やや驚きをもって聞いた方も多いのではないでしょうか?「安倍首相、平昌オリンピック、開会式参加へ」という報道です。

この見出しだけを見るといかにも決定事項のように見えますが、私は最後の最後まで分からないと思っています。

安倍首相は「事情が許せば、平昌五輪の開幕式に出席をしたいと考えています」と答えているだけで自分の意志と事実は異なるかもしれないという判断余地を残しています。

ここに安倍首相の苦渋が見えるのですが、この記者会見に至る判断材料を考えてみたいと思います。

まず、安倍首相を参加にかきたてた理由として以下の3つが思い浮かびます。

1 北朝鮮による韓国と日米関係の分断作戦に対処すること

2 ペンス副大統領や欧州首脳も参加することで東京オリンピックへの売り込みと同時に国際社会へのアピアランスを示すこと

3 文大統領に勝負を挑みに行くこと

もちろん、安倍首相は選手の応援に行きたい、と言っており、それも重要な理由でありますが、今回のオリンピックがあまりにも政治化してしまい、普通の視点で判断できないところまで来ているところにポイントがあります。

北朝鮮はわがままを言いたい放題です。

それに対してことごとくYESと飲み込む韓国という構図でそれまでの文大統領支持派とされた人々の反感も買い始め、一部では金正恩委員長が描かれたものを焼き払うなどのかなり刺激的行為も見られます。

韓国国内では対北朝鮮への配慮をめぐって国民感情が大きく揺れ始めています。

それを受けて北朝鮮は「いつでも参加は取り止める気がある」という強気の姿勢を貫き、最も弱腰の文大統領が「まぁまぁ」という形になっています。

言い換えれば文大統領はとにもかくにもこのオリンピックが北朝鮮と仲良くできて無事に終わることを第一義に考えています。

そこに安倍首相が「日韓合意の件で話をしにいく」といえば文大統領は嫌に決まっています。

何もこんな時にそんな話をしに来なくてもいいだろう、と内心思っていることでしょう。

安倍首相の外交的強みは「攻め入る」姿勢を持っていることです。

自民党内部ではこの判断に大荒れになっているようですが、安倍首相は日韓合意の話を理由に韓国を揺さぶれると考えている節はあります。

もう一つは韓国が対北朝鮮に対する制裁を行っている中でグレーゾーンに入り込まないよう監視する姿勢を見せるということもあるでしょう。

すでに北朝鮮団(それは選手に限らず、音楽団も含め)に対して誰がその資金を出すのか、あるいは無償提供という形の贈与をするのか、それが国連の北朝鮮制裁の違反にならないか、厳しくチェックするという見方もできます。

では安倍首相の記者会見はなぜ「出席する」と言い切らなかったか、ですが、不測の事態が起きかねないことを考慮しているのだろうと察します。

例えば文大統領が安倍首相と首脳会談を拒否するとか、北朝鮮が無謀な行動に出てオリンピックそのものをぶち壊しにするなど常識では考えにくい事態はいくらでも考えられます。

第三者的見方をすると韓国政府の今の姿勢はほぼ完全に北朝鮮に取り込まれており、北朝鮮に制裁を決めた世界各国も「おいおい、当事者の韓国が弱腰外交か!」と判断しているはずです。

ならば、今後、北朝鮮制裁に真剣に立ち向かわなくなる可能性があります。

「勝手にせい!」であります。

その時困るのはミサイルが飛んでくるかもしれない日本が矢面に立たされるわけで安倍首相が「そこまで必要か?」と言われたバルト3国など6カ国訪問で北朝鮮の脅威を訴え続けたのはその緊張感を維持するための苦心だったとすれば辻褄はあうでしょう。

本件、政府と自民党の誰よりも緊張感を持っているのが安倍首相であります。

河野外相を除き、ほぼ他の閣僚と議員は外野と言い切ってもいいでしょう。ドライバーである首相のハンドルさばきに期待するしかないという状況であります。霧は深く、難しいところですが、ここは首相の判断に期待しましょう。

では今日はこのぐらいで。

韓国、「新不況産業」少子化で大学経営難「日本留学」促進策へ

2018-01-23 16:50:51 | 日記
勝又壽良の経済時評

日々、内外のニュースに接していると、いろいろの感想や疑問が湧きます。それらについて、私なりの答えを探すべく、このブログを開きます。私は経済記者を30年、大学教授を16年勤めました。第一線記者と研究者の経験を生かし、内外の経済情報を立体的に分析します。



2018-01-23 05:00:00

韓国、「新不況産業」少子化で大学経営難「日本留学」促進策へ

3割強の大学淘汰論が登場

大卒就職率が高卒を下回る


日本人の8割強は、韓国の慰安婦合意見直しを拒否するという世論調査が発表された。

韓国政府の「ゴールポスト」を動かす外交政策が不評を招いたものだ。

日本で、「嫌韓ムード」が高まっているのは当然としても今後、一切の交渉に応じないという強い姿勢を示せば十分であろう。

韓国外務省も日本の空気を読んで、「慰安婦合意問題で新たな要求はしない」とトーンダウンした。

今日のブログは、日韓の大学を巡る問題に焦点を合わせた。実は、日韓ともに少子化の影響で、大学の定員割れが起こっている。

日本でも、自分の卒業した大学の学部や学科が消えてしまうという例が出かねない状況である。

こうなると、韓国の大学事情が他人事には思えなくなる。韓国から大挙して日本へ留学してくることは、「歓迎」すべきことかもしれない。

大学教育における「日韓併合」が、新たな形で進む可能性が出てきた。

「嫌韓」と言わず、長い目で見るべきだろう。

日本にとっては、大学経営と企業の求人難の緩和という二つのメリットが期待されるからだ。

韓国では、すでに「経営不良大学」が指定され、自助努力で改善しない場合は認可取り消しもありうるという政策が進行中だ。

全国38校の国立大学についても政府が評価を行い、下位5校を「構造改革重点推進国立大学」に指定し、総長直接選挙制の廃止、学科の統廃合や改編、大学間の統廃合などの構造改革を求め、これを履行しなければ最悪の場合、入学定員の削減や予算減額などの措置を行なうというのだ。

これは、2011年当時の議論だ。最近では、韓国の大学数を100校(現在340校余)に絞るべき、とする議論が出始めている。

卒業して就職もできない大学を定員割れで放置しておく必要はない、としている。

大学を卒業しても約1年、就職できない現状は異常である。

このミスマッチを取り上げて、大学が教育を間違えているというのが、先の100校淘汰論の根拠だ。

この議論は乱暴である。就職難の責任は、企業の活性化を阻害している政府の企業規制にもある。

また、労働市場を改革して流動性を高めることが必要だ。終身雇用や年功序列を廃止する政策を取れば、韓国では新規部門への進出が容易となろう。

そうなれば、就職率も上がるはずだ。こういう議論が素通りである。議論が現象面だけに集中して、その原因についてはノータッチなのだ。

3割強の大学淘汰論が登場

『中央日報』(1月15日付)は、「大学を100校に減らすべき、軽く聞きながすべき話ではない」と題する社説を掲載した。

韓国政府は、日本よりはるかに強制力を以て大学の廃校を命じるようになっている。

日本では、学生定員が大幅に満たない大学について、国・公・私を包含した整理案を検討してところだ。

韓国は、学生定員割れが大きい大学について、単独で閉校させるという点で日本と異なっている。

韓国方式がいいのか、日本方式がいいのか、にわかに結論を下せない。

(1)「韓国において、大学構造調整の必要性は昨日今日のことではない。

持続的な学齢人口の減少で新入生が定員割れを起こす大学が増えている。

ここに大卒失業者を量産する『学歴と雇用のミスマッチ』が深化して、大学教育に対する根本的なメス入れが避けられない状況だ。

尹増鉉(ユン・ジュンヒョン)元企画財政部長官が数日前のマスコミインタビューで、『全国の大学を100校程度に絞る構造調整が強く推進されるべき』と強調したのもこのような理由からだ。

韓国の大学は専門大136校を含めて340余校に達する。これを100校に減らすというのは容易なことではないが、決して軽く聞き流すべき話ではない」

大卒失業者が「量産」されているのは、大学教育にも一班の責任はある。

工学部教育では実技を教えず、学外の塾で別途、学ばせるという非合理なことを行なっている。

実技も覚えずに卒業する「工学士」が誕生するのだ。日本の工学部教育では、実技もしっかり教え込んでいるから、大きな違いである。


韓国政府は、韓国の大学4年次を日本の大学に留学させる案を検討している。

外交部・教育部・労働部の3部(省)が、合同で韓国の56大学に説明会を開いたほどだ。

韓国の学生は留学して日本の大学を卒業する形になるが、日本の工学部で実技をしっかりと学ぶのだろうか。ただ、修得単位数だけを揃えて、「日本の大学卒」では羊頭狗肉になりかねない。

韓国が、大学100校を整理するとすれば、約3分の1が整理対象になる。

これは、ドラスティックな合理化策である。先ず、大学教員が大量に失業する。

この知的集団を「無」にするのは、大変な人材の損失であろう。

こういう荒療治をする前に、韓国の産業構造を変える努力が先決であろう。

「第4次産業革命」と言われる時代において、大学教員という最高の頭脳を活用できない政治とは何か。厳しく、その責任を問うべきだ。


(2)「昨年、4年制大学163校が定員割れを起こした。5年後の2023年には人員を補充できない大学入試の定員が16万人にのぼる。学生不足で限界状況を迎える大学の続出が避けられない。

教育部が一昨日に廃校の認可を下した大邱(テグ)未来大がその一つだ。

大学専門大で初めて自ら廃校の道を進んだ大邱未来大は昨年の新入生補充率がたった34.8%だった。

登録金(授業料)の収入が3分の1になった大学がちゃんとした教育をできるわけがない。廃校は当然の手順だ。

4年制大学の中では大邸外大、韓中(ハンチュン)大、西南(ソナム)大が昨年10月に教育部から閉鎖命令を受けた。自主的に廃校した大学は建東(コンドン)大など3校にすぎない」

韓国では昨年、4年制大学163校が定員割れを起こした。率にして48%である。

日本の私立大学(581校)では昨年、39%が定員割れになった。

一昨年の定員割れが45%であったから一見、改善された形であるものの、入学定員数を減らしたことが定員割れ比率を少なくした理由だ。

こう見ると、日韓ともに大学は厳しい「冬の時代」である。

ただ、韓国では日本より少子化の進行が早いだけに、否応なく「日本の大学」依存を強めるに違いない。


この現実は、冷静に受け止めるべきだろう。日本は、「嫌韓」感情もさることながら、将来の人材確保を考えると、韓国の大学生3年生を大量に日本への留学生として受け入れるメリットが大きいのだ。

その理由を、整理しておきたい。


① 日本の大学が定員割れを起こしている以上、4年次の留学生でも受け入れることが経営的に楽になる。

② 日本の企業は、韓国留学生の求職活動によって求人範囲が広がる。日本留学で少なくも1年間は日本語の研修を受けており、言葉の面での壁が低くなる。

③ 日本の労働力確保が可能になる。高度の知識を習得した人材を日本に迎え入れることは、必ずプラスになるはずだ。


(3)「定員割れ大学廃校の動きが始まっているが、この程度の速度では目の前に近づいている人口絶壁の危機を乗り越えることはできない。

教育部が、ことしから推進する2周期大学構造改革評価は定員縮小が目玉だ。

構造調整が緩やかになった点で懸念される。

定員縮小よりは定員割れ大学の数を減らしていくほうに方向を定めてこそ正しい。

定員割れ大学が自主廃校することができる退出経路づくりを急がねばならない理由だ。大学構造調整は今や選択ではなく必須だ」。


韓国が、定員割れ大学の廃校を急ぐことは、韓国の将来に暗雲をもたらすであろう。

高等教育は、国家経済の宝になるからだ。

日本では、大学教育の無償化に向けた一歩を踏み出そうとしている。

私は、拙著『バブルで衰退する中国 技術力で復活する日本』で、大学教育の無償化を提案した。

一国経済における生産性向上の必須条件は、その国家が教育費を対GDP比で増やしている国ほど、有利な状況になっているのだ。

これは、OECD統計で立証されている事実である。教育の公費負担増は、生産性向上として果実を生む。


日本では、この大学授業料無償化について随分、見当外れの議論をしている。

遊びほうけている大学生の授業料を国家が面倒見ることはない、としている。

勉強しない学生の授業料を無償にする必要はないが、「人材教育」という広い視点で見るべきなのだ。

極論すれば、4年間大学で学んだことは、最低限一つや二つは身についているはずである。

社会へ出て、必ず「応用能力」として発揮されるであろう。

大学の学部生を「エリート教育」にしてはいけない。北欧が、この理想型に移行しており、民主主義を定着させ経済を発展させる上で、高等教育が果たす役割が極めて大きいのだ。


韓国は、この大学教育の効果を政治自らの「改革放棄」で投げ捨てている。

大学での教育成果を自国経済の発展に利用できず、日本へ留学させて日本の経済発展に供しようとしているのだ。

こういう視点で眺めると、韓国からの大量の日本留学生は大いに歓迎すべきことかも知れない。韓国から日本経済発展に必要な人材の援軍が来るからだ。


大卒就職率が高卒を下回る

『中央日報』(1月14日付)は、「高卒よりも働き口得られない韓国の大卒者」と題する記事を掲載した。


韓国では、「大学を出たけれど」という就職難が襲っている。

高校卒の就職率が大卒のそれを上回っているほどだ。

大卒の就職難は、韓国経済の底流が冷え切っていることの証明でもある。

韓国の経済システムでは、金融と労働が最も遅れた分野として国際的にランキングされている。

いずれも70位台に低迷している。

2017年世界経済フォーラム(WEF)において、韓国の金融市場成熟度は137カ国中74位。労働市場効率性(73位)と共に国家競争力を大きく引き下げている主犯だった。

理由は、政府の規制が厳しいことである。これが、韓国の大卒就職市場に大きな負担になっている。これは同時に、韓国の経済成長の足を引っ張っている要因である。


文在寅政権は、歴代の保守党政権よりも一層、規制を好んでいる。

「反大企業」を旗印に掲げており、およそ経済政策の本流を外れたことに執着する政権である。

その結果、大卒の就職難がさらに厳しくなっており、日本への大量留学=日本企業就職に救いを求めているのだ。


(4)「大卒以上の高学歴者の失業率が高卒の失業率を上回った。大卒者が希望する働き口を確保できず、高学歴失業者が増えるなど学歴と雇用のミスマッチが本格化したものだ。

統計庁がこのほど発表した経済活動人口調査結果によると、2017年の大卒以上の高学歴者の失業率は4.0%。高卒者の失業率3.8%より0.2ポイント高かった。

大卒以上の失業率が高卒より高いのは、現在の方式で失業率の集計が始まった2000年以降で初めてだ。統計庁はこの日、『社会全般の高学歴化と大卒以上の求職者の希望の高さの問題が複合的に作用したためとみられる』と説明した。昨年全体の失業率は3.7%だった」


韓国で、学歴と雇用のミスマッチが本格化しているのは、経済政策の失敗に他ならない。

日本が、アベノミクスによる雇用の大幅改善は、経済政策が成功したから起こっている現象である。この伝で言えば、韓国の「規制第一主義」が大卒の職場を奪っている最大の原因であろう。


韓国国民は、「積弊一掃」という文政権のアドバルーンに惑わされて、味噌も糞も一緒にして朴槿恵政権批判で溜飲を下げている。

これは、同時に大学生から職場を取り上げていることなのだ。前政権も褒められた存在でなかったが、現政権よりはましな存在であった。

規制緩和への動きがあったからだ。若者に職場を提供できない政府は、それだけでも負の存在と言えよう。



(5)「今回の調査で大卒以上の失業者数は50万2000人に達した。全失業者102万8000人の半分ほどを占める。

2015年に42万5000人だった大卒以上の失業者数は2016年には45万6000人に増えた。

これに対し2016年に44万3000人だった高卒失業者数は昨年40万9000人と3万4000人減少した。

このため4.1%だった高卒失業率は3.8%で低くなった。

ソウル大学行政大学院のチョン・グァンホ教授は、『大企業や金融業界のように大卒以上が好む雇用は減っているが、中小企業など相対的に雇用余力がある部門では大卒以上の高学歴者が就職を望まない雇用のミスマッチが明確になっているため』と説明した。

これまでは高卒の失業率が、大卒以上の失業率より少し高いのが一般的だった。

2000年から2016年まで両グループの失業率を比較すると、2002年に3.7%で同率を記録したのを除くと継続して高卒の失業率が高かった」


大卒以上の失業者数が、50万2000人もいる。

全失業者102万8000人の半分ほどを占めているのだ。

大卒者の失業者50万人は、ちょうど年間の大卒者に匹敵している。

この人々が、静かに就職の機会を待っているのも奇妙に見える。

これは、旧李朝まで続いた「科挙」試験の名残であろう。

科挙試験では何年でも浪人して官僚になるのが普通であった。この感覚で、時期の到来を待っているとすればなんと、悠長なことかと呆れる。



「大企業や金融業界のように大卒以上が好む雇用は減っている」ことが、大卒失業者を生んでいる理由だという。

これは、先に私が指摘したように、韓国の金融と労働の分野での規制が厳しいことの裏返しであろう。

企業が新分野へ進出したくても、非効率分野の解雇ができないゆえに、新規採用を行えないのだ。

労働市場の活性化とは、激変する産業構造に合わせて労働力の再配置を容易にさせることである。

決して、労働者の切り捨てでなく、新産業を起こす上で不可欠な手続きである。

この分かりきった理屈が、韓国ではどうしても通用しないのだ。日本でも、その傾向が強い。




(2018年1月23日)