50年後には国民の半数が65歳以上…「年齢破壊社会」の基盤づくりが急務
28日、統計庁が発表した「将来人口特別推計」によると、11年後の2030年には国民4人のうち1人(25%)は、65歳以上の高齢者だ。
2067年には65歳以上の人口が生産年齢人口(15~64歳)より多い時代が到来する。このような人口構造の変化に対応するため、長期的な観点から、持続可能な社会的セーフティネットの構築を急がなければならないと指摘されている。
同日、政府は人口構造の変化が雇用や財政、福祉など各分野に及ぼす影響を分析し、総合的な対応策を作るため、全省庁レベルの「人口政策作業部会」を構成して、6月末の経済活力対策会議で第1次結果を発表すると明らかにした。
また、昨年末に修正した第3次少子高齢社会基本計画(2016~2020)に含まれた出産・子育ての負担軽減や老後の保障所得体系の内実化、高齢者の雇用拡大などをいっそう強力に進めると説明した。
社会の年齢構造が変わると、個人の生涯周期を再構成する必要性も高まる。平均寿命が長くなり、高齢者の数が急増するにつれ、特定の年齢に進学し、働き、引退するなど、“年齢”によって断絶された生涯周期は解体される可能性が高い。
パク・ヌンフ保健福祉部長官は今年1月、少子高齢社会委員会に、様々な法制度で「65歳」と規定している高齢者の年齢基準を引き上げる案を積極的に論議すべきと述べた。
イ・サムシク漢陽大学教授(政策学)は「年齢による差別をなくすため、高齢者に対する定義を見直す必要がある」とし、「欧米では社会保障、特に公的年金を受給できる年齢と定年を合わせようとしている」と指摘した。
公的年金を受給する前に仕事をやめるしかない場合、所得が途絶え、貧困に陥りやすいからだ。イ教授は「
生涯周期の変化に合わせて働く環境を整えながら、公的年金の受給開始年齢を調整する作業も有機的に進めなければならない」と指摘した。
世代間の共存はさらに重要になる。生産年齢人口が激減し、社会保障のための財政負担は大きくならざるを得ない。
国民年金の場合、加入初期世代に比べ、その後の世代は人口構造の変化によって保険料をより多く負担しなければならないが、前世代に比べて厳しい状況で暮しているという不満が大きい。
家族扶養の負担を個人ではなく社会が共に背負い、年を取っても人間らしく生きられるようにしようという社会的大妥協が必要だ。
人口構造の変化が国民年金と基礎年金の財政にどのような影響を及ぼすかを分析し、世代を超えて負担可能な社会的費用はどの程度なのか、これをどのような方式で用意するのかに関する議論を進めなければならない。
昨年末、政府は国民年金と基礎年金を合わせて、少なくとも月100万ウォン(約9万7千円)の老後の所得を保障することに焦点を合わせた「国民年金総合運営計画案」を発表したが、国民年金と基礎年金の関係をどのように設定するかなどに関する構想は明らかになっていない。
チョン・スンドゥル梨花女子大学教授(社会福祉学)は、「高齢者と若者世代が経験する困難を互いに理解し、共に生きるシステムを作らなければならないが、政策にはこうした部分が反映されず、『高齢者にこれだけさらに与える』というようなアプローチだけが目立つ」と指摘した。
学齢人口の減少に対する対策も急がれる。統計庁の発表によると、学齢人口(6~21歳)は10年間で190万人減少する見通しだ。
学齢人口の急減には機会と危機の両面がある。キム・ジニョン建国大学教授(経済学)は「学生1人当たりの教育投資が増えるなど、教育の質を高める機会になる一方、教育機関の大々的な削減など従来の教育体系を再編しなければならない問題もある」と指摘した。
このように、財政的観点からすると相反する性格を持つ教育と福祉をどのように配分するかについて原則を立てるのも課題だ。持続可能な社会的セーフティネットの構築に向けた社会的合意がより切実になる。