フランスやアメリカの大統領選挙を見ていると、分ってくることがあります。
とくにフランスの大統領選挙で話題になっているのが、移民問題と極右勢力の問題。
1回目で過半数を取れなかった場合、上位2名による2回目の決選投票が直後に用意されていて、今回は決選投票が来月に予定されています。
米仏の選挙制度の違いに関しては、それぞれに長短があり、そこの国民が決めることですが、部外者から見れば、アメリカの州ごとの選挙人制度よりは、フランス方式のほうが分かりやすいと言えます。
今回1回目の投票(2017/04/27)で上位2位内に入り、2回目の決選投票(2017/05/07)に進んだのは
- マクロン・・・・・・社会党→前進(中道系独立)
- ルペン・・・・・・国民戦線(極右)
の2人でした。いずれも既成大政党から選ばれた候補者ではないようです。
ルペンには、支持者がとても多いのですが、反ルペンもまた多いようです。
1回目の投票で敗退したフィヨン候補者が支持者に「決選投票ではマクロンへ」と呼びかけるほどで、反ルペンの雰囲気も無視できませんが、選挙ではふたを開けてみないとわからないことなど、先日の米大統領選挙をみてもあきらかですね。
またフランスの年配有権者は、ルペンの父親のことも覚えており、決して娘のルペンには投票しないと誓っているようですが、そこは米オバマと同じで、選挙から見放された一般庶民を味方にしたトランプが米大統領選挙戦で勝ったようにフランスでもルペンが肉薄するかも知れません。
ルペン失速のきっかけが2017/04/09のインタビューだったとする説もあります。〔2017年04月20日 第1回目投票の1週間前〕
ドイツ政府は
EU尊重派のマクロンを支持する旨、明確に表明しています。〔時事2017/04/24〕
マクロンの作戦:
どちらかというと社会党政権下で閣僚を務めたこともあるので左派に見られがちですが、大統領選挙では、極右を避けEUを尊重する有権者の取り込みをはかっているようで、中道寄りの道を歩んでいます。しかし、ひょっとすると烏合の衆(うごうのしゅう)かもしれません。
ルペンの作戦:
移民問題を大きく取りあげて、明確に移民を否定しています。
フランス第一を掲げているものの、不思議なことにその他の問題で両極端の人たちの支持を得ているようで、これまた烏合の衆かもしれません。
ルペン支持者の中には、熱心な社会党政権(ミッテラン・オランド大統領を選出)支持者たちも多かったようで、裏切られた有権者がこちらへ流れたのでしょうか。
もとより私は、どちらの候補を支持・応援しているわけでもありませんが
イギリスが撤退したEUの将来を決めかねない大統領選挙になりそう
とだけは言えます。
大統領選挙で、マクロンが勝とうともルペンが勝とうとも
どちらも烏合の衆同士の争いですから、選挙後の組閣時に、そして運営上で、大混乱するのは必定でしょうか。
さてさて、皆様はどう思われますか。