やっと歩く気になって、1時間、歩いた。
川には鴨点だろうか。
こんなにいたかなぁと思えるほど、たくさんいた。
ふと、「美味そう」という言葉が頭をよぎって行ったが…
喰えるのだろうか?
喰えるのだろうな。
鴨南蛮とか鴨鍋とか鴨串とか…。
鴨捕り権兵衛は、鴨を生け捕りにしようとして
遥か京都の三条大橋まで飛んで行ったのではなかったか。
空は大昔から、人間にとって憧れの場所なのだなあ。
地を這いつくばって生きる術がない輩にとっては
こんなにも空が恋しく思えるのは当たり前なのかもしれない。
けれど、捕って喰われるような鴨にはなりたくないが。